見出し画像

スタバでラテが頼めない

私には苦手なことが無数にある。

・人に道を聞くこと
・食後のデザートをお願いすること
・知らないお店に行くこと
・仕事をお願いすること
・絵を描くこと
・人に注意をすること
・怒りをぶつけること
・すでに出来ているコミュニティに参加すること
……and more!

といったように挙げ始めるとキリがないのでやめておくのだけれど、無数にあっても、分類してみると実はちょっとした共通項がみえてくる。

それは「人にものを頼むこと」である。

絵を描くことや人に注意をすること、怒りをぶつけることは、やや性質が異なるけれど、大半は「対、人」における頼みごとだ。

その代表格が「スタバでメニューを頼むこと」である。

この話をすると大概の人に「え!意外!」と言われる。

正直な話、自分でも意外なのだ。

小学生〜高校生までずっと代表委員やクラス代表、生徒会役員を務め、大学ではサークルの代表を務めた。

中高一貫女子校出身の私は卒業アルバムの「○○な人ランキング」のなかで、「政治家になりそうな人」と「女社長になりそうな人」と「メガネといえば」の3つでランクインしている。記憶が間違っていなければ政治家になりそうな人ランキングは1位だった気がする。

政治家になりそう、女社長になりそう、って「自信家」の象徴だと思っているんだけど、自分でも驚くほどイメージが本当の自分と乖離している。

スタバを筆頭とするコーヒーショップは勿論、コールドストーンやクリスピークリームドーナッツでも注文出来ない。どんなに道が分からなくてもGoogleマップとのにらめっこで何とかする。食後のデザートを良いタイミングでお願いすることも初めてのお店に行くことも苦手。

極めつけは自分が持っている仕事を人に頼むことも得意じゃない。「○○さんに頼まないと絶対解決しない」ということでない限り、全部全部自分でやる。

じゃあ何でこんなに苦手なのか、と考えてみると「他者の目」を常に意識している自分に気付く。

スタバで「ラテお願いします」と言った時、「スターバックスラテでしょうか?ソイラテでしょうか?」なんてことを聞かれることを想像しただけで顔から火が出そうになる。

そして追い討ちの「カスタマイズはされますか?サイズはショート?トール?グランデ?どれになさいますか?」なんて聞かれた日にゃあ恥ずかしさのあまり逃げ出してしまうかもしれない。

コールドストーンもクリスピークリームドーナツも同じ理由。何を頼んで良いのか分からない。何を頼んで良いのか分からず不慣れにしている自分を見て困ったり嘲笑したりする店員さんを想像する。

……ああ!無理!!!

道が分からない、相手も分からない、困らせる、ああ、駄目だ!

食後のデザートも良いタイミングで持って行くのに催促しやがってクソ、と思われていたらどうしよう!初めて行ったお店にそのお店独特のルールがあって、それを守れなくて変な目で見られる、ああ、恥ずかしい!

……といったように他者の目を気にし過ぎてしまう自分がいる。

先日新入社員の歓迎会の最中に、酔った上司が「とぱーずさんはねぇ、何でも自分でやろうとするんですよ!」と言い出し、「うんうん」と大きく頷いている別の上司もいた。

話の流れとしては、新入社員が横にいるのにも関わらず私がやけに褒められ持ち上げられていた。そんな中で出てきたこの言葉だったので、「何でも自分でやれるとぱーずさん」という意味でポジティブに言ってくれたのかもしれないが、私としては「(痛いところを突かれてしまった)」と少しへこんでしまった。

あともうひとつ、「失敗を過度に恐れる」自分もいる。

たぶんこれはどちらも経験によるトラウマのようなものがあるんじゃないかな、と。

具体的にこれがきっかけ!っていうものがあるわけではなく、漠然と「人に物を頼んで嫌な顔をされた」「困らせた」「失敗を笑われた」みたいな経験が自分の中で結構根深く残っていて、これが苦手意識に繋がってしまっているのだろうなと思う。

人からしてみれば大したことない話なんだろうけど、私の中では大きな話なんだよなぁ。



今朝、通勤電車の中で中高の頃から仲の良い友人とずっとLINEでやり取りをしていた。

話題は別の中高の頃の友人が上げたLINEのタイムラインの記事について。

要約してみれば「いじめを撲滅するぞ」という決意が書かれていた。

道徳的にも倫理的にも内容への理解は出来たけれど、その記事の書き方やその友人の描いている正義に違和感を覚えてしまい、悶々としていたことについて、意見を聞いてもらっていた。(朝の忙しい時間にありがとう)

結局のところ二人とも「何か、ねえ。」と何とも言い得ない感じになってしまったけれど、

人からしてみれば大したことない話なんだろうけど、私の中では大きな話なんだよなぁ。

と思うことで、少しでもタイムラインに上げられた友人の気持ちに寄り添えたのかなぁなんて思った本日の帰り道。

丸の内はやっぱり遠いなぁ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?