負け続ける人を応援するメンタル
私は川崎フロンターレのサポーターである。
住んでいる街はどちらかと言うとFC東京や東京ヴェルディ、何なら浦和レッズに近いくらいの街。だからよく聞かれる。
「何でフロンターレなの?」
これは本当に単純な理由なのだけれど、きっかけは、からしちゃんがフロンターレのサポーターで試合に誘ってくれたこと。
初めは「試合時間ずっと立ってるの嫌だなぁ、サッカーファンって治安悪そうだなぁ」なんてイメージでいたのだけれど、気付いたら初めての観戦なのに大声でゴールキーパーのチャントを歌っていた。
サッカー自体観ていて面白いっていうのも勿論あるのだけれど、私は選手たちのことが好きで、そして「応援をする」という行為自体もまた好きだということに気付いた。
初めてからしちゃんが観戦に連れて行ってくれたのは2年前の9月。マリノス戦だったと思う。何対何だったか忘れてしまったけれど、勝った試合だった。
応援するときのあの一体感。勝った時にみんなで喜び合うあの時間も好き。
私が応援を始めてから、フロンターレはリーグ初優勝を果たし、そして昨年リーグ2連覇を果たした。
フロンターレの歴史を知らない私にとって、フロンターレは「常勝チーム」だった。
けれど今年、その「常勝チーム」だと思っていたフロンターレが全然勝てなくなってしまった。
残り5試合であるにも関わらず、現在6位。1位の鹿島との勝点差は8。成績は12勝12分5敗。決して負けてないけれど勝ってもいない。そんな感じ。
こんなこと言ったらサポーター失格なのだろうけど、勝てないチームを応援することが段々としんどくなってきてしまっていた。
自分がどんなに大声で叫んで応援しても、勝てない。
つい先日も大阪に仕事で行くついでにガンバ大阪戦をパナスタで観てきた。
周りはガンバサポーターばかりの中、キャプテン小林悠のタオルを首に巻いて応援していた。(初めての一人アウェイだったので流石に立って応援できなかった)
1点取られる、そして取り返す、今度は1点取ったけれど最後の最後で取り返される。
…また勝てなかった。
私が応援に行ったんだから勝ってほしい、なんて何というマッチャー的な考えなのだろうとは思うものの、やっぱり引き分けたり負けたりすると気持ちは晴れない。
あーあ、今年はもうダメだなぁ。そんな気持ちで勝てない試合を毎回観ていた。
そして遡るは先週のルヴァンカップ決勝。職場のサッカー好きな先輩と一緒に行ってきた。
忘れもしない、からしちゃんと観戦したセレッソ大阪戦。2年前にボロボロに負けたあのルヴァンカップ決勝、場所は同じく埼玉スタジアム。
あの忌々しい記憶も蘇りながら、今年こそ、の気持ちで席に着いた。
ルヴァンの日程が決まる前にミュージカルの予約を入れてしまっていたので、私のタイムリミットは15:10。試合終了予定時間ぴったりくらい。
試合開始。開始10分くらいでコンサドーレが点を決めた。
この時点ではまだ絶望していなかった。きっとフロンターレなら1点取り返す。けど、前半に出来なかったらちょっとしんどいかもな…くらい。
そしたら案の定前半アディショナルに阿部ちゃんが落ち着いて決めてくれた。救われた。
そして後半戦、なかなか点が決まらないなか88分でエース小林悠が大島からのアシストから決めた。
勝った!!!
たぶんフロンターレサポーターのほとんどが思っていた。何なら高らかにアバンテも歌っていた。
しかし嫌な予感の後半アディショナル、ラストプレーのコンサドーレによるコーナーキック。
当たった。点を取られたのだ。
ここで私のタイムリミット。煮え切らない思いのなか劇場に向かい、Jリーグアプリでずっと試合経過を追っていた。
そして延長前半、コンサドーレに決められた。今度こそ終わったと思った。そしたら延長後半、またもや小林悠が取り返した。
ついに決着つかず。PK戦へ。
車屋くんのPKが外れた。
ああ、ついに終わった。本当に終わった。悔しいなぁ。あと一歩だったのになぁ。
なんて思っていたら新井が1本止めた。
その後家長、竜也が決め切り、最後の最後、コンサドーレの進藤選手が蹴ったシュートを新井が止めた。
勝った。
……本当に勝った!!!!!!!!!
嬉しすぎて電車の中で涙が出た。
応援して良かった。選手達は諦めていなかったんだ、と思った。
勝手に諦めていたのは私だ。
諦めなければ目標に到達出来る。ベタな話だけど、私はフロンターレから教わった。
そして勝てないチームを応援するのはしんどい。しんどいけれど、勝ったときの喜びは計り知れないものになる。
まだリーグ戦もあと5試合あるもんね。
諦めずに応援するで!!!!
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