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「感動」が生むビジネスの成功


ビジネスにおいて「感動」は単なる付加価値ではなく、成功の本質である。


商品やサービスの品質が良いだけでは、競争の激しい市場で長く愛されることは難しい。
しかし、人の心を動かし、感情を揺さぶる体験を提供できる企業は、顧客の記憶に深く刻まれ、リピーターや熱烈なファンを生む。感動が生み出す「共感」こそが、ビジネスの持続的な成長につながるのである。


私がハウスメーカーやスターバックスコーヒー、USJで働いていたときも、それぞれの場所で「感動を提供する」ことを大切にしていた。
感動があるからこそ、人々の記憶に残り、またその場所を訪れたいと思う。そして、それが企業の成長にもつながっていく。

単なる接客ではなく、お客さまが心から楽しみ、忘れられない体験を持ち帰ることができるようにする仕事だ。


ハウスメーカーの営業をしていたときも、「家を売る」のではなく「人生を提案する」つもりで接していた。お客様が新しい生活にワクワクし、未来に希望を持てるような提案をすること。それが、自分の仕事における「感動の提供」だった。

そんな軸があり、その後スターバックスコーヒーやUSJでも働いた。
こうした考えは、自分の経験から生まれたものだが、実は世界の成功企業も同じ哲学を持っている。


わたしの尊敬する経営者に一人、スティーブ・ジョブズはまさに「感動を売る」ことをビジネスの中心に据えた経営者だった。彼は単に機能的な製品を作るのではなく、ユーザーの心に響く体験を提供することを最も重要視していた。

たとえば、iPhoneが登場したとき、それまでの携帯電話とは一線を画すデザインと直感的な操作性で、多くの人々を驚かせた。

タッチスクリーンのなめらかな操作感、美しいフォントやアイコン、そして開封する瞬間のワクワク感まで、すべてが計算され尽くされていた。

ジョブズは「人々がまだ気づいていない欲求に応える」ことを信念とし、単なるガジェットではなく「未来を手にする」体験を提供しようとしたのだ。

この哲学こそが、アップルを単なる電子機器メーカーではなく、「ブランド」として確立させた要因である。ユーザーはただのスマートフォンを買うのではなく、「人生を変える体験」を買う。その期待と喜びこそが、顧客を熱狂的なファンに変えていった。


私が働いていたUSJも、感動を軸にしたビジネスモデルを持つ企業のひとつだ。USJは、映画の世界に入り込むような「没入感」を提供し、訪れる人々に「ここでしか体験できない感動」を届けている。

USJのこだわりは、アトラクションだけではない。パークのキャスト(スタッフ)の接客にも、徹底した「ストーリー性」が求められる。たとえば、ハリーポッターエリアでは、キャストが魔法界の住人として振る舞い、来場者をホグワーツの世界に引き込む。また、ゾンビイベントやパレードなど、エンターテイメントの一瞬一瞬が「非日常の感動」を演出するように設計されている。

コロナがあり短い期間でしか働けなかったけど、USJで働いていたときはゲスト一人ひとりに「特別な体験」を届けることを大切にしていた。ただの接客ではなく、「物語の一部としての接客」を意識することで、ゲストが本当に映画の世界に入り込んだような気持ちになれる。こうした体験が、訪れた人々の心に深く刻まれ、「また来たい」と思わせるのだ。

スターバックスもまた、感動を大切にする企業の一つである。同社の理念は「第三の場所(サードプレイス)」の提供にある。自宅でも職場でもない、心地よく過ごせる場所を作ることで、単なるコーヒーチェーンではなく、人々のライフスタイルの一部となることを目指している。

スタバでは、「ただのコーヒーを売る」のではなく、「人と人とのつながり」に価値を置いているのだ。

スタバで働いていたときは、特にカスタマイズの提案が大好きだった。
今ではインスタが主流だけど、その直前くらいだったから自分好みにカスタムできることを知らない人がたくさんいた。

フラペチーノやコーヒーが苦手だったけど、好きでたくさん研究した。
わたしはスタバの商品には興味なくて「働き方」に興味があっただけのなで、勉強するのは大変だったけど、楽しかった。

自分の行動や言葉でお客さまだけでなくパートナー(スタッフ)にも喜んでもらえる。
それに加えて、それを評価してくれる。そんな環境が心地よかった。

また、期間限定のプロモーションや特別なカップデザインなど、顧客に「ワクワクする体験」を提供する工夫もされている。こうした小さな感動の積み重ねが、スターバックスを「単なるコーヒー店」ではなく、「特別な場所」として確立させる要因になっているのだ。

ビジネスで成功するためには、単なる「商品」や「サービス」だけでなく、それを通じて「人の心を動かすこと」が必要不可欠である。感動が生まれると、顧客は自然とリピーターになり、熱狂的なファンとなる。これこそが、企業の持続的な成長を支える最も強力な要素だ。

Appleは「人々のライフスタイルを豊かにする体験」、USJは「映画の世界に入り込む非日常」、スタバは「人と人とのつながりを生む場所」を提供している。

どの企業も、ただモノを売るのではなく、「感動」を届けることで、圧倒的なブランド価値を築き上げている。


これからの時代、どんな業界でも競争は激化し、機能や価格だけでは差別化が難しくなる。しかし、「感動」を生み出すことができれば、人々の心に深く刻まれ、ブランドとしての存在感を確立できる。だからこそ、ビジネスにおいて「感動を届けること」は、最も重要な要素の一つなのだ。


その考え方に触れたうえで改めて、自分の関わる仕事や業界、会社に「感動」はあるか?
それはどれくらいの範囲なのか?
目の前の人だけでなく世界中の人や、そのビジネスで関わる人がどれだけ感動を生み出せるか?

これから自分でビジネスする人は、その視点で未来を見据えてみると、得られるものは大きくなるだろう。


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