2022年12月のTOP5~日記の本 あの日あの時あの場所で~
東京は品川区西小山にある銭湯、東京浴場内にある一棚本屋「フロナカ書店街」に店を構えるTOP5 BOOKSと申します。
毎月適当に決めたテーマに沿った本を5冊紹介しています。
今月のテーマは日記の本。いろいろな人のあの日、あの時、あの場所の出来事を綴った本やマンガを選びました。
2022年12月のTOP5
|牛乳配達DIARY/INA
作者が牛乳配達をしていた頃のエピソードが描かれた漫画。
作者の視線を通してやさしく描かれる子どもや同僚たちの姿はこの頃のカサついた心を癒してくれます。
|失踪日記/吾妻ひでお
鬱と不安で死にたくなった作者が失踪してホームレスの暮らしをしていた頃の記録。少しずつホームレスの暮らしに慣れていく様子を疑似体験することができます。天ぷら油を食後のデザートに飲むというエピソードが特に印象的でした。
|風太郎不戦日記/山田風太郎 (原作)・勝田文(漫画)
山田風太郎「戦中派不戦日記」を原作とした漫画。
昭和20年に空襲が来ないかと気にしながら映画館で映画を見る人と、令和の時代に隣の人の咳を気にしながら映画館で映画を見る人。時代も状況も違いますが、どこか通じる部分があります。➀
疎開先で終戦を迎えた作者。敗戦という選択肢に「眼を開くことも恥ずかしい」と戸惑いながら炎天下をふらつく姿とそれとは対照的に咲きほこるひまわりの花が強烈な印象を残します。②
戦いもせず死にもせず自分はただの傍観者だったという作者。信じていた日本の国のありさまに「いまだすべてを信ぜず」と疑念を抱きながら昭和20年の暮れを迎えたのでした。③
|みちくさ日記/道草晴子
若干13歳でちばてつや賞を受賞したものの、そこから精神病院の入退院を30歳前まで繰り返していた作者の半生を描いた漫画。
ちばてつやの「絶望の先に少しの希望を描きましょう」というコメントを体現しています。
|関西酒場のろのろ日記/スズキナオ
30代半ばで東京から大阪に移り住んだという作者が大阪に少しずつ馴染んでいく様子が大阪の一癖ある飲み屋の様子とともに語られていきます。ビールの大瓶一本400円のお店がちょくちょく出てくるのに驚かされます。
※売り切れ、本の入れ替えにより在庫がない場合はご容赦ください。
1年半ほど一棚本屋を出店してきたTOP5BOOKSですが、フロナカ書店街での出店を12月いっぱいで店じまいすることにしました。
短い間でしたがありがとうございました。
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