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ベトナムのインディペンデント映画
アップリンク吉祥寺にて『走れROM』というベトナム映画を観てきました。
この映画を観る前にベトナムのインディペンデント映画業界についての記事を見て、そんな現状なのか~と興味が沸いたのも理由にあります。
昨年の初め、ホーチミンに行った時にタクシーで運転手と映画とAVの話になり(日本のAVはベトナムでも人気らしい。やはりアニメとAVはどこの国に行っても評価が高い)、映画館やベトナムの映画について聞いてみたのですが、自国の映画はあまり人気がない様なので記事の内容は本当なのだろう。
そんなこんなで『走れROM』だったのですが、公開前にいくつかのシーンが撮り直しや削除を強いられているのでどこまでが監督の意図したものか判らないところはあるけど、とてもエネルギッシュな作品だなと思いました。
貧困とそれが原因で賭け事に手を出すというモチーフはどこの国にもありそうだし、それがベトナム独自の内容だとは思わなかったけど(もっともデーという賭け事はベトナム独自の文化だが)、詩的な表現や独特のカメラワーク、日本だったらこういう撮影出来なかっただろうなと思わせるアグレッシブな(危険な💦)シーンは凄いなと思わせるパワーがありました。
個人的には賭け事の下りが分かりにくかったので冒頭の字幕があって助かりました。
ご存知の通りベトナムは社会主義国家なだけに作品の検閲も厳しく場合によっては逮捕されることもあるそうで(実際、この作品の監督も手順を踏まずに国外に出品してしまったので逮捕されそうになったのだとか)、日本よりも自由な制作体制ではないと思いますが熱意はどこの国にも負けないモノがありましたし、実際作品も良くてドラマもしっかり描かれていたし、映像の質感も良かったです。
そして、日本の自主映画業界と同じく広告にお金をかけられなかったのでSNSを駆使して宣伝をしたり(逮捕されそうになったというエピソードもyoutubeで監督自らが語っている)と地道な活動も経て今に至る所とか頭が下がる思いでした。
次回作も準備中とのことで、今後もベトナム映画が日本で見られる機会が増えると良いなと思いました。