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スキルとデータ

体修塾BCAの代表の大林です。

火曜・木曜体修塾では、毎週1回の活動で、ほぼ毎回ラプソードでデータをとっています。練習におけるスキルの向上をデータ、数字という目で見える形で示すという形をとっています。

今回は、火曜体修塾で指導している選手のラプソードデータについてお伝えしていきたいと思います。

1.打撃スキルの変化過程

これは、私が打撃指導する時の流れなのですが個別の細かい違いはあるものの、ある程度の基本的な流れがあります。それが

①従来型のダウンスイングをしている選手へ「スイングをぶっ壊す」

ダウンスイングをしていると、ラプソードの平均打球角度が一桁台、下手をすると0度を下回ることもあります。これでは、打撃になりませんのでまずこれをぶっ壊します。

数値で言えば、平均打球角度を最低でも20度、各打球の目標は30度ぐらいに打球を出せるように指導します。このスイングはぶっ壊し中のため、試合で結果が残るかというと、なんともいえないスイングになります(極端なダウンスイングより効果はあります。ですが、下空振りが多くなりますので、グリップコントロールを身につけるまでは結果は出にくいです)。

この角度に出すためには、1Rの軌道作りとポイントが大切になります。自分が最も気持ちよく飛距離が出せるポイントで、1Rも大きくし、ガンガンに打球を上げていきます。多くの指導者が嫌うスイングをあえて繰り返します。(←ここのスイングだけを見て批判してくる指導者も少なくありません。)

②ぶっ壊したスイングを完成系に近づけていく「1Rコントロールを覚える」

①のスイングは、大振りも大振りでスイング軌道の総距離は長いのですが、このスイングではコンタクトが難しくなります。つまり、「当たれば飛ぶけど、当たらない」という段階になります。

もちろん、体修塾での練習中は私が選手が打てるコース、高さ、ポイントに投げますので選手は気持ちよく打てます。ですが、①の段階ではそれが試合でできるわけではありません。なので、試合で打てるように②を調整していきます。

それが、

1Rの軌道距離を最大化したスイングの「スイング軌道」はそのままに、「ヘッドを最短距離でスイングボトムに入れていく」練習をします。

これが、「グリップコントロール」練習であったり「ボトムハンドパートスキルトレーニング」であったり「トップハンドパートスキルトレーニング」であったり「正対打ち」「45度打ち」「ストップスイング」「バレルバット練習」などを繰り返し行っていきます。それぞれの練習メニューについて気になる方は体修塾BCAの個別指導を受けてください。

③最終段階「ポイントを近づけていく」

②までインプットが完成してきて最後に行うことが「ポイントを近づける」という作業です。②で作った「スイング軌道」をそのままに、ポイントをSB直後の2R位置に持ってきて打球角度15度で逆方向の10〜15度の位置に打球を出していく練習をします。

これが、

本当の「逆方向に打つ」練習です。

日本中の指導者がさせている逆方向とは意味が違います。

2.メジャーリーガーもいう「逆方向に打ち」の真相

話が少しそれますが、「逆方向」という魔の言葉が日本野球界にはあります。

いつの時代も、どこの国でも指導者が言われる「逆方向に打つ」ですが、日本だけその意味をはき違えています。

[日本式逆方向]

「(右打者でいう)一、二塁間を抜くゴロ」←進塁打

[日本以外逆方向]

「(右打者でいう)右中間への長打」←逆方向

スイング軌道を作り、そのスイングで逆方向に打ち、飛距離も出すということが本当の「逆方向に打つ」です。間違えないでくださいね。

それを、日本の多くの指導者が「逆方向」という言葉のみを切り取って、自分たちの都合の良いように解釈した考え方が蔓延っているので注意しましょう。日本の指導者が求めていることは「進塁打」です。

3.火曜体修塾選手の打球

体修塾BCAで求める打球は[日本以外逆方向]です。進塁打ではありません。この打球を打つためには①〜③の過程を経て、結果的に逆方向にでた打球が長打になる必要があります。

ここで、体修塾に通ってくれている選手のデータをご覧ください。逆方向とは少し離れますが、正しいスイング軌道が逆方向の長打を打つコツであることは共通です。

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中学3年生の打球なのですが、高校野球にむけて硬式移行を始めている選手の打球です。木製バットで打っているのですが、現段階で80m飛んでいる時点でかなりレベルは高いと思いますが、それより見て欲しいのは打球軌道です。

センター方向に出ているのにスライスがかかっているということは、ボールの内側を打っていることがわかります。この打球は、ドアスイングでは実現できません。

ただ打球を遠くに飛ばそうと思えば、西武の中村選手も言われているようにボールの外側をポイント前で打てば飛びます。ですが、デメリットも多くなります。

この選手も、ポイント前で打ては90m以上飛ばしたこともあります(先ほどの②段階だとそれでもOK。ですが、現在は③に移行している選手です)。ですが、今はその「快感」を我慢してもらって更なる高みへ向かっています。

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さらに、この打球に関してはインコースのボールを左中間に運んでいるにもかかわらずスライスがかかっています。この意味を理解できる指導者は素晴らしいと思います。

どのような、スイング軌道を描くとこの打球軌道を描けるのか。引っ張っている打球が切れないという現象が生まれるためには、どのようなスイング軌道を作っていけばいいか。これは、指導者の方々への問題とします。答えを知りたい場合は、体修塾BCAの個別指導を受けてください。

指導をさせていただいていますが、私もこの打球を打てと言われても難しいです。どんどん選手が成長し、私なんかより相当素晴らしい選手になってきました。最高の喜びです。

4.最後に

今回は正しい逆方向とそのためにスイング軌道を作るための過程について説明しました。そして、結果的に引っ張り方向の打球が切れなくなってくると最強です。

皆さんも、最高の打球を目指していきましょう。

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体修塾BCA:Body Cultivate Academy@note
記事を読んでいただき、ありがとうございます。もし宜しければサポートをお願いいたします。新潟県の野球のために使わせて頂きます。その内容も、必ずnoteで報告させて頂きます。よろしくお願いします。