「チームバッティングができない。」
今週の日曜日に体修塾BCA日曜日に移転した塾がありました。
ここには、県内でシニアチームの所属する中学生が参加してくれているのですが、練習の終わりに選手同士で話している内容に…
「チームバッティングができない…」
という一言がありました。
この言葉の真相に迫ってみましょう。
1.チームバッティングとは
日本野球における「チームバッティング」といえば何でしょうか?
・送りバント
・進塁打(右方向の打撃)
・盗塁時のバントの構え
・耐久策やサインなどでの「待て」
・球数増加狙いのファール打ち
・インコースのボール球を避けずにデットボール
などでしょうか?
「チームバッティング」という言葉を使っているのに、打撃だけでなく自己犠牲的要素を全て含めた言葉なのだなと再認識することができました。
私も、野球をやっている時に、このようなこと(チームバッティング)を求められてるチームに所属していたのですが、このようなことを求められた時に打席内で自分の打撃することはできませんでした(もちろん、私の技術不足が一番の理由です)。みなさんもそうではないですか?
では、体修塾の塾選手が話していたチームバッティングができないというはどのことを指しているでしょうか?
2.真相に迫る前に…
真相に迫る前に、この塾選手について少しお話ししたいと思います。
この選手との出会いは今年度の初めでした。
指導初日は、今でも覚えていますがフロントトスや手投げでの打球はひっかけるゴロばかりでした。最高打球飛距離も、ラプソード計測で40m代でした。
体格も、大きいとは言えない。むしろ、小さい方の選手だと思います。
そこから半年ぐらいがたった現在、12月初回の指導でのラプソードのデータは、
※手投げのみのデータを採用
打球平均角度28度[4月段階18度]
平均打球飛距離46.8m(半年程度で、4月での最高飛距離が平均になりました。)[4月段階35m]
DIRIV & FLYBALL割合100%(この日、手投げ全て、打球が上がったということ。これって結構すごいことです。ひっかけるミスもないということ)[4月段階約50%]
最高飛距離も30mほど上がりました。ここ数ヶ月で劇的に身長が伸びたわけでもないことから、明らかなにスキルが上がったことがわかります。
この選手が「チームバッティングができない…」と発したのです。この真相に迫りましょう。
3.真相を考える
ここからは、私の想像になります。
彼は、チームの中でもフィジカル的に優れた選手ではないのだと思います。なので、求められるのは自分の打撃よりチームバッティング。進塁打などを指導者から求められているのだと考えます。
彼は、監督のスキル指導も最近は無視しているようなので、監督も面白くないのでしょうか。彼にあれこれ言っているのかもしれません。
彼は、体修塾で毎週、課題を明確に持ってきて地道に努力できる選手です。調子に乗っている感じもないですし、至って真面目な選手です。ただ、彼の目標はチームバッティングを極めることではなく、自分の打撃を向上させることが目標だということがこの食い違いを生んでいるのかもしれません。
これは、一事例でしかありませんが、日本全国で同じことが起こっているのではないでしょうか?
4.真のチームバッティングとは
体修塾BCAが考える最高のチームバッティングは「ホームラン」です。なぜなら、無条件で点数が入るからです。野球というスポーツは「点取ゲーム」ですから、点数を取ることに貢献することが一番のチームバッティングです。
もちろん、全ての選手がホームランを打てるわけではないので、それぞれの選手が自分のできる打撃の最大限を発揮することがチームバッティングということになると思います。
今年の、日本シリーズをみてください。勝ったチームは選手個人が最大限の活躍をしていました。負けたチームは送りバントをしていました。
0アウトランナー一塁でバント、1アウトランナー二塁で進塁打、ランナー帰れれず2アウトランナー3塁。結局一点も入らない。こんなケースをよくみます。これでは、チームバッティングをしても得点に繋がらないことになります。
MLBのデータでしかないですが、統計学的にもバントの価値は低いことがわかっています。
打率を上げるためにも、打球はあげないといけないし、長打率を上げるためにも打球を上げないといけないことは間違いではないので、ゴロを打っている場合ではないです。
相手のミスが出やすい少年野球で相手のミスに望みをかけてゴロを転がすのは、試合に勝ちたいからですよね?試合に勝っても、その選手が野球を嫌いになったら本末転倒ではないですか?
5.最後に
これは、体修塾BCAがずっと伝えていることなのですが、指導者は自分の理想像を指導者に押し付けるのをやめませんか?
色々な選手がいるからいいのであって、自分の意見を持っていることが一番大切だと思っている体修塾BCAとしてはこれが納得できません。
野球をやり始めた小学生に「これがチームバッティングだからバントだけしておけー!」とか「これが日本の野球だからゴロを転がせー!」と言われたら、「野球楽しー!自己犠牲最高ー!」となるでしょうか?
少なくても私はそうはならないです。
野球人口が減少していることを受けて、普及活動より先にするべきは指導者意識の改革です。それだけで全てが解決するのかもしれないとも考えています。
子供を指導する前に大人が変わろう。
体修塾BCAは、自分の理想に近づこうと頑張る選手個人を応援します。