野球道具の高騰化[道具多すぎ問題]
野球人口の減少が叫ばれてから数年が経とうとしています。
人口減少の1つの要因としてあるのが、道具の高騰化です。
ですが、高騰化の前に野球というスポーツが道具の多いスポーツという点も挙げられると思います。
グラブ
バット
スパイク
アップシューズ ・ランニングシューズ
ユニフォーム(練習着)
バック
揃えるチームはヘルメットも揃えるそうです。
野球は、ユニフォームはチームでそろえなければいけないルールになっているため買わなければいけません。チームバックを揃えるチームも多いのではないでしょうか?
[野球界の問題点]
①道具の高騰化
②道具が多い
③チームで揃えるという価値観
が挙げられると思います。
今回は①道具の高騰化について考えていきたいと思います。
今回は②③同時に考えていこうと思っています。
1.②道具が多い
まず、野球は道具が多いスポーツだと思います。
他の種目と比較すると
〈集団スポーツ〉
サッカー:スパイク・ボール・ユニフォーム
バスケットボール:シューズ・ボール・ユニフォーム
〈個人スポーツ〉
卓球:ラケット・シューズ・ユニフォーム・ボール(←これが高価で消耗品)
バドミントン:ラケット・シューズ・ユニフォーム・シャトル(←これが高価でかつ消耗品)
最後に野球(簡単に見積もって)
グラブ←硬式だと安くても2〜3万円 軟式はピンキリ5千円ぐらいのものもある
スパイク←良いものだと1万円前後 ポイントの安いものは5千円程度 加えてアップシューズ というものもあり5千円前後
バット←硬式金属で2〜3万円 軟式ウレタン系で3〜4万円
ユニフォーム←ユニフォーム上下1万円前後 帽子2〜3千円前後 ソックス数千円 グランドコート1万円前後 Vジャン1万円前後
バック←1万円前後
簡単に見積もっても10万円ぐらい掛かることになります。これは、参入障壁にならないわけがないです。やはり、野球は道具が多い。
2.③チームで揃えるという価値観
野球の道具が多い事は認識できたと思います。
ですが、この道具全て買い揃える必要があるのでしょうか?という問題が発生してきます。これが③チームで揃えるという価値観になります。
ルール上、ユニフォームやスパイクの色などに制限があるため、それはルールに乗っ取って揃える必要があります。ですが、それ以外の野球の試合で使わないものまで揃える必要があるのでしょうか。1つずつみていきましょう。
〈アップシューズ〉
アップシューズ という野球専用のトレーニングシューズがあります。耐久性に優れ、雨なども弾くエナメル素材のものもあったり、投球時に擦りやすい爪先が補強されているものもあったります。
このアップシューズをチームで揃えているチームもあります。オリジナルロゴを入れたいしてチームに統一感を持たせたいのでしょうか?買わせるチームがあります。
まず、これがいらないです。揃える必要がないと思います。オリジナルなどにして無駄に高くする必要もないですし、シューズなどは消耗品でもあるのでプロでもなければ特別なものは必要ないと考えます。
〈バック〉
チーム名が入ったバックで統一することで一体感が生まれるのでしょうか。カラーリングや刺繍などを入れてオリジナルのバックを買わされるチームもあります。
オリジナルバックを作るという事は、前のチームで使用していたものは使えない、または使わせないという事だと思いますので、まだ使えるバックが1つ余ることにもなります。チームが変わるたびに全ての道具は増えていくことになります。
これもいらないです。バックで勝ち負けは決まりません。やめましょう。前に使っていたものをボロボロになるまで使えば良いと思います。
〈グランドコート・Vジャン〉
これらもチームで揃えるチームが多いです。オフシーズンも同じ格好で一体感を高めていこうということなのでしょうか?
これらについても言いたい事はたくさんあるのですが、まずグラウンドコートの汎用性の低さという問題があります。確かに、着ている時はあたたく、防風素材だったりするので利便性は良いのですが、グランドコート を着たまま運動をするには適さないものが多いです。であれば、その他の暖かいコートでなんの問題もないと思います。
次に、Vジャンという中途半端な存在です。こちらは、運動中にも身につけることができるのですが、雪国では寒くそれだけではとても防寒生にかけます。加えて、防風素材の場合、少しでも気温が高くなると着れなくなりシーズンが限定される地域もあると思います。
この中途半端は機能しかない2つのコートを買い揃えるチームがほとんどです。
加えて、これは偏見が少し入りますが、野球のグランドコート・Vジャンはデザインがダサいことが多いです。とってもではありませんが普段使う事はできません。メジャーリーグのようなデザインではないのです。なので、使用が野球時のみの限定されます。使い勝手がとても悪いです。なぜ、普段も着れるようなデザインにしないでのしょうか…謎が深まるばかりです。
なので、これらをチームで揃える決まりもないので作ることをやめましょう。前のチームで使用していたもので構わないと思います。
〈その他〉
最近はヘルメットも個人で1つ買わせるチームもあるようです。そのチームを辞めたらそのヘルメットはどうすれ良いのでしょうか?何も考えていない証拠だと思います。
チームTシャツも揃えるチームは多いです。もちろん、セカンダリーなどとして使う理由があれば別ですが、それ以外に「みんなが同じ格好をしなければいけなんだ!」という価値観だけでそれをしているのであれば、必要ないと考えます。何を着ていても野球はできます。
少し話は変わりますが、グラブもポジションごとのグラブを使わせるチームもあるかもしれません。例えば、外野手で内野用の小さいグラブを使っていると注意される。であったり。ファーストで通常のグラブを使っているとファーストミットを買ってこいと言われたり。そのポジションのグラブを買ったらすぐにコンバートされたなんてことも良く聞きます。
グラブなんでなんでも良いです。ミット系はチームで準備しましょう。ポジション位合わせたグラブを持つのは、大学や社会人になって自分の専門性が決まってからで良いと思います。高校までは、色々なポジションをすれば良いと思います。
最後に提言
提言:中学野球までは必要最低限のものだけをチームでは揃える。それ以外は自由で良い。
3.最後に【道具から考える日本の所属意識】
日本社会には、ユニフォームというものがいたるところにあります。
中学生の制服文化もその1つだと思います。
つい最近まで有名な銀行などのホワイトカラーの仕事の方々もユニフォームを着ていました。
その他、多くの企業で入社前にユニフォーム採寸があったりします(昨年度まで高校で教員をしていましたが、高卒で就職した生徒の多くに採寸がある企業が多かった)。
それ以外にも、日本には「同じ=正義」という文化が多くあると思います。
例えば、学校の校則などがそれにあたると思います。
髪の毛は黒
制服は指定で正しく着る(←着こなしに自由がない)
内バキは指定(←外ばきが指定の学校もまだあるのかな?)
色で学年を分ける(←同じ年に生まれただけで運命共同体的考え)
体操着もみんな一緒(←また、体操着の生地が古い、耐久性はあるが機能性は低いものが多いイメージ)
こういった環境で小学校6年間、中学校3年間、高校3年間、計12年間繰り返すとそういったマンドセットが一般的になります。
そして、社会に出た瞬間に、「同じ=正義」という会社はこれから軒並み潰れて良淘汰されていき、気づいたら「違い=正義」という会社がドンドン作られている社会が待っているわけです。学生時代や野球から学んだ「同じ=正義」が足かせになる時代になっているにもかかわらず、まだそれを子供や選手に求めるのか。
話はそれましたが、こういった面でも、野球が選ばれないスポーツになっていると思います。野球人口減少から考える「同じ=正義」への違和感。野球界は真剣に考える必要があると思います。