野球とジェンダー問題
皆さん、いきなりですがSDGsという言葉を知っていますか?
新潟県で野球をやられている方であれば、新潟市の少年野球の大会で「SDGs新潟地区学童軟式野球大会」というものがあります。ですが、大会に参加しながらその意味を理解している方は少ないように感じます。
1.SDGsとは?
詳しくはリンクをみていただきたいのですが、日本語で「持続可能な開発目標」という意味で、2001年に策定されたミレニアム開発目標の後継として、国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2030年までに持続可能でより良い世界を目指す国際目標のことです。17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。これは、開発途上国だけでなく、先進国自身が取り組むユニバーサルなものであり、日本としても積極的に取り組んでいます。
日本でも、各企業や地域でさまざまな取り組みが行われています。
この考え方には賛否両論あるとは思います。私個人は、何か行動を起こすときにある程度、制限があることで、「思考を深めないといけない」という作業が入るのでとても良いことだと思っています。
では、野球界に目を向けた時に、課題を解決する指標として目を向けると「⑤ジェンダー平等を実現しよう」という要素が当てはまってくると思います。
日本はOECD諸国の中でも⑤番の要素の数少ない未達成国になります。
2.⑤ジェンダー平等を実現
では、「⑤ジェンダー平等を実現」の内容に目を向けていこうと思います。
「ジェンダー平等を達成し、全ての女性及び女児のエンパワーメントを行う。」
とし⑤ーCでは「女性や女の子があらゆるレベルで能力を高められるように、適切な政策や効果のある法律を作り、強化する。」となっています。
野球界に目を向ければ、法律や政策は関係なくなってきます。がしかし、女性が活躍しにくい集団に未来はないと考えれますので野球界としては課題になると考えます。つまり、ジェンダー平等に目を向けられない集団やそれを口にできない集団はとても危ないということに気づいていないということ自体が危なすぎます。
3.なぜこの問題を取り上げるのか
では、なぜ今回「野球ジェンダー問題」を取り上げようと思ったかというと、具体的に気になる事例がいくつか出てきたからになります。
具体例①「阪神タイガースwomen」というチーム名
今回、阪神タイガースが女子選手のためのチームを作るそうで、女性有名選手が続々と所属を決めています。ですが、この"woman"というワードが気になりせんか?もちろん、まだ女子野球の知名度が低いというところから、その層へ向けての配慮であるということは認識できます。ですが、チーム名にwomanというワードをつけてしまうところから野球界はまだまだ「男性主体の世界」だなと思ってしまいます。
これをつけるのであれば、NPBのチームは「阪神タイガースman」にならないといけませんね。絶対にならないと思いますが。
具体例② 朝から晩まで練習
これは企業にも当てはまることだと思いますが、企業も男性社会だった時は「寝ずに働けます!」という社員は優遇されていたと思います。ですが、これは女性が家事や育児をする前提の話でした。では、社会に女性が進出してきた場合、男性目線では、「女性は定時に上がって家事をしてください」と考える人もいると思いますがそれも違います。
効率的に仕事をこなせるようにして、男性も女性も定時、もしくはなるべく働く時間や場所を自由にしましょう!というのが本来の考え方だと思います。
では、野球界はどうでしょう。いまだに、全員が同じ時間に練習をはじめ、たくさんの人数で効率の悪い練習をしています。効率が悪いので練習時間が長くなります。これは、飛躍しすぎかもしれませんが、男性からも女性からも選ばれる種目になるためにはそういった考え方を取り入れる必要があるかもしれません。
具体例③練習メニュー
これは、年始から衝撃的だったのですが、あるチームが年始のランニングメニューを上半身裸で行っていました。かつ、この画像をSNSに更新し「伝統のメニュー」と書いてありました。
これを、SNSに上げるということは、少なくても多くの人にこれを見てほしいわけなので「良いことをしている」もしくは「悪いことはしていない」と思っているわけです。
ですが、この画像をまだ野球をしていない女性が見たらどう思うでしょうか?お母さんが見たらどう思うでしょうか?
このチームで野球をやりたい!やらせたい!と思うでしょうか?
女性が野球を始めようと思うでしょうか?
初めて見た野球の画像がこれだとしたら絶対に野球をしたいと思わないですよね。
これは、この野球チームだけの問題だけでなく野球界全ての意識を表していると思います。ちょっとしたことで言えば、練習中に「男なんだから気合い入れろ!」や「女みたいな声出すな。」という言葉がけもアウトだと思っています。完全に、男性主体で野球を捉えていますよね?
このように、いくつか具体例を出しましたが、私も野球と関わっていると「????」と思わざるを得ない部分がたくさんあります。1つ、ジェンダー問題だけに目を向けても問題山積みだと思いますし、このままでは、日本野球というのはジェンダーから破滅に向かう可能性もあると思います。
4.これからの野球を見据えて…
これからの野球界を見据えた時に、こういったことに疑問持てる野球界にしていかなければいけないと思います。現状は、”疑問すら持っていない”絶望的な状況です。
これも、ある野球に関わる新潟県野球界では有名な女性の方から聞いた話でもありますが、連盟の中に女性がいることはまれで、ほとんど男性という現状もあるそうです。そう考えると、新潟県は他県をだいぶリードしていると思われますが、全国的みれば絶望的な状況です。そして、それを疑問視する連盟関係者もほとんどいないという圧倒的絶望感です。このような組織や種目に未来はない。真剣に考えていく必要が出てきました。
すくなくても、私のかかわるチームや野球に関わる人には口うるさく伝えていきたいですし、変えていきたいです。加えて、私自身もまだまだ甘い部分も多いと思いますので、注意して発言・行動していきたいと思います。
そして、この投稿をみてくれた野球関係者の行動変容につながることを願います。
最後まで、読んでいただきありがとうございました。