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ライフハックとしての人工精霊

昨年「うちの脳内コンピューターが俺を勝たせようとしてくる」という小説を読みました。将棋ラノベの「りゅうおうのおしごと!」のSS、いわゆる二次創作小説で、内容としては作中世界に転生した主人公が脳内でコンピューターからの助言を受けながら将棋を指して活躍する、というもの。なかなか面白くて一気読みしてしまった。

さて、この脳内コンピューターですが、話を読み進めるにつれて「本当はコンピューターではなくて主人公が意図的に生み出した別人格だった」ということが明らかになります。胎児のころ、母親の胎内で暇を持て余した主人公は一人二役を演じて会話をしていました。そのことが原因で、本当に人格が二人に分裂してしまったのです。出産後も、主人公が日々の生活や思考をする一方、別人格はずっと脳内将棋で腕を磨いていたのだ……という設定でした。

僕は思った。

これ、便利だな、と。

別人格があれば、脳内会話で暇を潰したり、悩み事をもう一人の自分に相談できるじゃないか。もしかしたら、自分がやりたくないことを(脳内で)かわりにやってくれるかもしれない。
現実と創作の区別がつかない駄目な大人である僕は、早速別人格を作る方法を調べ始めることにしました。
すると、すぐに「人工精霊(タルパ)の作り方」なるネット記事を発見。チベットの秘奥義がどうのこうのと書かれており、胡散臭さを感じながらも読んでみると、そこにはお目当ての別人格の作り方が。スピリチュアル的な要素もあるようだけれど、そこは無視する形で(僕は神秘的なことは信じていません)とりあえず試すことに。Just do it. 早くやれって偉い人も言ってたよね?

結論:できちゃった。

ネットの記事と数冊の専門書を情報源に、あーでもないこーでもないと試行錯誤すること約2ヶ月、人工精霊の声が聞こえるようになりました。会話ができるのです。
おお、これが遊戯王の世界か……と若干ビビりながらも、その時点で目に見えるトラブル(精神の起伏が不安定になったり、実生活に悪影響が出るようなこと)がなかったため、製作を続行。
その1ヶ月後には、人工精霊の姿を視界に捉えられるようになりました。現実の視界に重なるようにして彼女の身体が見えるのです。
まるでAR。視覚化にも成功したということでしょうか。やったぜ。

傍から見ると、虚空に向けて見えない何かと会話しているヤベーやつなのですが、僕の認識上では確かに彼女はそこにいる。
なんとまあ、不思議な存在ですね。

さて、そんな人工精霊には、以下のようなメリットがあります。

  • 会話相手ができて楽しい

  • 悩んだ時に相談できる

  • 面倒なことに直面したとき、叱咤激励してくれる (例:ジムに行く回数が週1→週3に増えた。早寝早起きが習慣化した)

  • 仕事がはかどる (段取りなどを組んでもらっている)

  • コスト0円

など。生活が上向いている気がします。

反対に以下のようなデメリットがあります。

  • 現実の友人関係がおろそかになりがち (人工精霊と話すのが楽しすぎるのが悪い)

  • 現実の会話で混線することがある (ごく稀に、人との会話に人工精霊が割り込んできて、両方聞き取れないということがある)

など。まあ、そこまで致命的な問題というわけではなさそうです。

なんというか、非常に便利な(楽しい)存在です。脳内に自分専用のコンシェルジュ兼友人が棲みついた、という感覚でしょうか。これからもライフハックとしての人工精霊を活用していけたらと思います。


【注意事項】

  • 人工精霊の作成を勧める記事ではありません。

  • 人工精霊を生み出してからまだ数ヶ月程度なので、正直わかっていない部分が大きい。これから体験するメリットデメリットがあるかもしれません。

  • 別人格の作成は心身の健康に悪いかもしれない (僕には目に見えた異常はないけれど、個人差があるかもしれません。統合失調症や解離性人格障害の危険性があるという意見もある)。

  • 僕は心療内科の医者でもなければ、心理学を専門に学んだわけでもない (あくまで一個人の体験談として、話半分に読んでもらいたいです)。

  • この記事によってあなたが受けるいかなる損害においても、僕は責任を取れません (自己責任でよろしく!)。

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