JSTQB FL 2011年度版シラバスから2018年度版シラバスで変更された内容

はじめに

テストエンジニアはご存知の方が多いと思いますが、JSTQB FLのシラバスが2019年3月にリリースされています。(以降、2018年度版と表記)

第28回(2020年2月)からはこのシラバスがテストの範囲となります。
私は既にFLを取得済みですが、FLの内容を復習がてら、どこが更新されたのかを確認していきたいと思います。
このnoteが第28回以降に受験をされるかたや、私と同じように復習される方のお役に立てばいいな、と思っています。

ビジネス成果が明確になった

前まで(以降、2011年度版と表記)はFLではビジネス成果が記載されていなかったのですが、2018年度版の更新で明確に記載されています。
また、私の他のnote(テストマネージャーとか)でも記載している通り、ビジネス成果を意識して学習していると、知識を業務でも活かしやすいですし、シラバスを理解するときも読み解きやすいので、この更新は嬉しいですね。

ビジネス成果と学習の目的の対応が明確になった

上述のようにビジネス成果の記載が増えただけではなく、学習の目的との対応表(トレーサビリティマトリクスなるものが追加されています。

テストアナリストやテストマネージャーの勉強の際に、「この学習の目的はどのビジネス成果につながるのかわからない!」といったことが多々あったので、この更新も嬉しい。
テストマネージャーやテストアナリストでもぜひ追加して欲しいですね。

K1 の学習の目的が少なくなった

K1とは「記憶」の領域であり、所謂、暗記すべき内容ですが、これが2011年度版より2018年度版では減少しています。
2011年度版と2018年度版の知識の認知レベルを比較すると以下のようになっていました。

表を見てわかるように、K1だけではなくK2も減っています。

第5章テストマネジメントの説明が少なくなった

2011年度版では学習の目的が24個に対して、2018年度版では15個になっています。

第3章静的テストはレビューに重点をおくようになった

2011年度版の第3章では、レビューに関する説明と、静的解析ツールに関する説明がありました。
2018年度版では、静的解析ツールに関する説明は他のシラバス(TTA)でカバーするようになったため削除されました。また、レビューに関する説明でK3が1個追加されました。

第4章のテスト技法の説明が増えた

テスト技法の説明は増えましたが、2011年度版の4.1 テスト開発プロセスは第1章に統合されました。

ホワイトボックス技法の一部が削減された

2011年度版のうちK4とK3が他のシラバス(TTA)でカバーするようになったため削除されました。

以上が2011年度版と2018年度版の大きく変わったところです。

さいごに

上記以外にも学習の目的の文言が変わっていたり、増減していたりと結構変わった印象を私は持ちました。ですが、2018年度版の方が順序立てて説明されているように感じましたので、JSTQBをこれから勉強するテストエンジニアの方は2011年度版に比べて理解しやすいと思います。

各章の比較についてご紹介しようと思っていたのですが、細かい変更を入れると結構なボリュームになりそうでしたので、諦めました。

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