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CoC7e「悪霊の家」KP用設定♪

 この記事は「新クトゥルフ神話TRPG クイックスタートルール(通称CoC7eQS)」に収録された公式シナリオ「悪霊の家」の設定の話。
 主にKPを検討している人に向けた記事で、PLを検討している人は見ない方がいい(ネタバレ相当になる為)。

 内容は自分がKPして悪霊の家の実績・感想・失敗、自分がやった事の記事になる。

※画像はネットから拝借したモノになります。申し訳ありません。

 ちなみにシナリオに世界設定周りについては下記にまとめています。こちらはネタバレにはなっていません。


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■言い訳
「悪霊の家」は回す事が困難(機会的な意味で)。

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 「悪霊の家」は初版(未訳)から存在し6版、7版にもあるメジャータイトルなシナリオである。

 その為、「悪霊の家」を回そうと思ってTwitter上でお誘いしても「プレイ済み」を理由に断られる事が多かった

 またそれだけでなく、オンセ界隈ではリプレイ動画視聴文化にもなっていて、TRPGのリプレイ動画も活発でニコニコ動画でも「悪霊の家」は多数投稿されている(2020年6月時投稿数772件あり、視聴数が多いモノは20万件を超えている)。動画視聴についての詳細は、記事「野良で公式回す&動画視聴」を参照されたい。

 その為、プレイはしてないけども「視聴済み」を理由に断られる事も多かった

 オンセ界隈だけではないのだが、TRPGでは「シナリオの内容を知ったら遊びたくない」「ネタバレしたシナリオは遊ぶべきではない」文化がある為、仕方がない。

 とはいえ、こういう経緯があった為、卓の準備をしても中々卓を立てる事が出来なかった。

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ノット不動産屋の事務所

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■実績
自分が回した「悪霊の家」について述べる。

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 自分がKPで実施した「悪霊の家」は合計3卓行った。
 しかし3卓以降「悪霊の家」は封印した為、それ以降は回してない。

●ボイセのセッション
 ボイセを行った卓のセッション時間(オープニング~エンディングまで)は、5.5h~11.5h程度(hは時間)かかっている(5.5hは2周目PLが参加した卓。11.5hの他は7.5h)。

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●回した所感。
 「悪霊の家」は「ペーパーチェイス」同様に非常に難度の高いシナリオになっている。
 理由は後述する予定。またこのシナリオは特にマルチエンディング的なルートが全くないワケではないが、あまりトゥルーエンド、ハッピーエンド、ノーマルエンド、バッドエンドなどのような区分けはない。その為、自分が感じた話をする。

・【ネガティブなエンド】:1卓。
・【ビターなエンド】__:0卓。
・【ポジティブなエンド】:2卓。

緊張

 【ネガティブなエンド】とは探索者ではなくプレイヤーがネガティブになってしまった事を指す。ストレスが溜まりイライラが募り、ゲーム中にネガティブなPL発言が飛び交う状態だったり、匙を投げたり等、卓の状態がよくないままエンディングを迎えた卓を指す

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 【ビターなエンド】とはPL/PCが「ミッションをうまくこなせなかった」と自覚して後悔や消化不良を感じたままエンディングを迎えた卓を指す。

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 【ポジティブなエンド】とはPL/PCがそれなりにやり切ったと自覚いただいてエンディングを迎えた卓を指す。

 こう書くとポジティブなくエンディングが多く迎えられてて良いように感じられるかもしれない。
 しかし【ポジティブなエンド】の2卓は「2週目のPLがいる卓」もう1卓は「TRPG自身に昔からかなり慣れた身内卓」であり、特殊な卓だと判断している。つまり普通だと【ポジティブなエンド】は一卓も到達していない事になる。

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■シナリオレギュレーション
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 歴代通してCoCにはシナリオレギュレーションというモノはない。
 シナリオの「トレーラー」が「PCとしてゲーム世界の雰囲気を伝える手法」だとするなら、シナリオの「レギュレーション」は「PLに制限・禁止事項・推奨事項などを直接的に伝える手法」という事になる。

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ゲーム:新クトゥルフ神話TRPG(CoC7版)
シナリオ名:「悪霊の家」(原題:The Haunting)
プレイ人数:2~4人
プレイ時間:4~6時間(オーバーする可能性あり)
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セッション形式:ボイスセッション
オンセ環境:Discord(ボイチャ)+ココフォリア+いあきゃら!
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ルルブ所持:無償版を推奨(ルルブ未所持可)
ルール対応:選択ルールは使用予定ナシ。
キャラ持込:不可。初期作成をお願いします。人外・AF・呪文はNG。
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シナリオ名:「悪霊の家」(原題:The Haunting)
概要:不動産屋の依頼で怪奇現象が起きる家の調査・改善。
舞台:1920年代。アメリカ、マサチューセッツ州ボストン郊外
傾向:シティ+ダンジョン探索。RP軽視。
作者:公式シナリオ・クイックスタートのシナリオ

改変:大きくしているが、恐らくお話しの内容はほぼ変わらず…。
許諾:改変について作者から許諾は受けていません。
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難度:易しい
ロスト率:戦闘あり。出目によってロストもある。
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HO(冒険動機):2種以上を取得していただきたいです。
※依頼を受諾する為と依頼を達成する為の冒険動機になります。

PC間関係:「近所の同郷」か「居酒屋で知り合った仲」等が嬉しい。
HO:HOはないが下記のいずれかの動機が嬉しい。
 「オカルト好き」「幽霊がいない事を証明したい」
 「肝試し&小遣い稼ぎ」「科学的な研究目的」
 「困った人の助けになりたい」「不動産屋の知人の事が好き」
 「不動産屋の知人に恩を売りたい」
 「依頼主に恩義があって力になりたい」
 「なんとしても、お金が欲しい」
 「適当調査で盗掘して駄賃にするつもり」
 「内実この屋敷を借りる為に調べたい」
 「ココで金貰って雑誌に記事を売りに行くつもり」
 「知人が依頼主に恋心(下心?)を抱いてる」
推奨職業例:警官、私立探偵、ジャーナリスト、聖職者、古物研究家、SEUなら何でもOK。

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必須技能:(どのルートでも使う技能)
〈母国語:英語〉〈図書館〉〈目星〉〈近接戦闘(格闘)〉〈射撃(拳銃)〉

推奨技能:(頻度は低いが使う技能)
〈信用〉〈回避〉〈法律〉〈跳躍〉〈登攀〉

準推奨技能:(ルートによって出てきたりする技能)
対人関係技能(〈魅惑〉〈威圧〉〈説得〉〈言いくるめ〉)
〈ほかの言語(ラテン語)〉

上限:〈職業技能〉は【74%】まで。〈趣味技能〉は【49%】まで。

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 これによってどれくらいゲームが遊び易くなったかは比較をしていないので不明。一方、こういうシナリオレギュレーションが「ネタバレ」にあたるとイヤがる人はいる事はわかった。

 クイックスタートルールでは記載はなかったが、スタートセットにあるSEU(未知の探究会)を使うとよりPL達は遊び易くなるとは思う。特に「悪霊の家」との相性はとても良い。

 このレギュレーションの注意点として「HO(冒険動機)」がある。「依頼を受諾したい動機」「依頼を達成したい動機」を満たして欲しい。それを行いやすくする為に2種以上の動機を獲得してほしいとKP側は依頼するワケだが、従ってくれないPLがいる。土壇場になってPCの設定からそんな事はしないという発言を行う人もいるので、このシナリオレギュレーションで安心してはならない。

 また技能上限については、あまり厳格にプレイしている卓が少ないのか間違うゲーマーが多いので、ココはそののまま使用しない方がいいかもしれない。

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■未知の探究会(SEU)とは
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スタートセット

 SEUについてはスタートセットに記載されており、「ペーパーチェイス」にSEUを絡めるのも良いだろうという事になっている。
 下記に説明文を記載しているが(KP判断)と記載されているのは、自分で言葉を加えている。

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■未知の探究会(SEU)とは。
・SEUはCoC7版になって作られた組織(世界設定)の1つ。

・SEUの目的は、科学では説明できない未知の出来事を解明・解決し、世に知らしめる事(KP判断)。
・SEUのメンバーは、より刺激的なネタを見つけて、SEU内外で名を上げたい(KP判断)。
(動機は、次期リーダーになりたい。箔をつけて就活で有利にしたい。探偵になりたい。警察に努めたい、新聞記者になりたい、科学で解明できなかった出来事を科学で解明したい等)

・SEUは、The Society for the Exploration of the Unexplainedの略。
・ミスカトニック大学を拠点とした集まり・大学サークル。
(ミスカトニック大学は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州アーカムに創立された総合大学である)
・この集まりは、科学的には説明できない未知の現象に興味を抱いた教員や学生で構成されている。
・SEUの創設は1889年で伝統のある集まり。
・SEUは正規の授業とは無関係の活動を行う非公認の集まりである。

・SEUは、月に1回、大学の図書館にある関係者のみ入室できる閲覧室に定例会を開いている。
・閲覧室では、興味深い体験談を共有し、話に出た謎について憶測や意見を交わしている
・興味をそそられる事件が持ち込まれた場合、SEUのリーダーが、会員の中から最もふさわしい探索者を選び、その謎の解決に当たらせている。
・会報を同人即売会や学祭を販売する。

・実績として、過去、警察の捜査に何度も協力したことがある。
・捜査協力によって報道機関に注目された事もある。
・捜査協力や報道を賑わせた事で、SEUは世間でいささか悪目立ちしている。

・一方、様々な異様な謎を抱えた警察や民間人が、必要に迫られて助けてくれる人を探し回り、SEUに訪れる事も多い。

 噂ではCoC7版はクラウドファンディングで作られた作品で、投資した人達がSEUのメンバーとして登録しているという話を聞く。そういうお遊びのモノなのかもしれない。

 ただSEUは非常に便利なので、自分の中ではかなり重宝している。明確にオカルト好き設定をつけられる上に、オカルト的な事を調べに行くと出張する動機や、自身の仕事を休む理由も作れるので非常に便利だと思う。逆に地元でもなくSEUでもない探索者を作られた場合に、日常生活との折り合いをどうやってつけるかはKPとして悩みどころになるだろう…。

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■悪霊の家のオススメ職業
職業は好きに選んでいいケド、主に悩む人用。
※推奨技能と多く被っているモノで算出。任意の技能は推奨技能に使う事を前提に算出。
推奨得点(高い方が良い)◆職業名◆推奨技能との被り
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●推奨職業(活躍し易いよ)
0032◆警官◆近接戦闘、射撃、対人関係技能、法律、目星
0027◆兵士◆回避、近接戦闘、射撃、他の言語、登攀
0024◆私立探偵◆図書館、対人関係技能、法律、目星、任意
0024◆刑事◆射撃、対人関係技能、法律、目星、任意
0024◆トライブ・メンバー◆近接戦闘、他の言語、登攀、目星、任意
0023◆古物研究家◆図書館、他の言語、対人関係技能、目星、任意、任意、任意
0019◆アスリート◆近接戦闘、対人関係技能、跳躍、登攀、任意
0016◆法律家◆図書館、対人関係技能、法律、任意、任意
0014◆司書◆図書館、他の言語、任意、任意、任意、任意
0014◆芸術家◆他の言語、対人関係技能、目星、任意、任意、任意
0014◆教授◆図書館、他の言語、任意、任意、任意、任意
0014◆ディレッタント◆射撃、他の言語、対人関係技能、任意、任意、任意
●普通職業(任意技能を推奨技能等に割り振るなら活躍し易いよ)
※推奨するほど有利ではないがダメという程ではない。
0012◆聖職者◆図書館、他の言語、対人関係技能、任意
0012◆士官◆射撃、対人関係技能、任意、任意
0012◆作家◆図書館、他の言語、任意、任意
0012◆ジャーナリスト◆図書館、対人関係技能、任意、任意
0011◆超心理学者◆図書館、他の言語、任意
0010◆エンジニア◆図書館、任意
0005◆ミュージシャン◆対人関係技能、任意、任意、任意、任意
0004◆伝道者◆対人関係技能、任意、任意、任意
0004◆活動家◆対人関係技能、任意、任意、任意
0003◆エンターテイナー◆対人関係技能、任意、任意
0002◆農夫◆対人関係技能、任意
0002◆医師◆任意、任意
0002◆パイロット◆任意、任意
●非推奨職業
※数値的には高いが、シナリオに不向きと判断。
0028◆犯罪者◆近接戦闘、射撃、対人関係技能、目星
0021◆ハッカー[現代]◆図書館、対人関係技能、目星、任意、任意
0011◆放浪者◆対人関係技能、跳躍、登攀、任意、任意

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■シナリオの改変
「改変:大きくしている」部分についての話
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 今回、この「悪霊の家」のシナリオを盛大なシナリオフックとして扱って、シナリオを1から設定を作り込む・作り直す形で、シナリオを作っている。
 そして大きく作り直しはするが、出来上がりは元の「悪霊の家」と変わらない、作り変えをしているようには見えないようにしている(基のコンセプトやテーマはまったく変えないようにしている)。
 シナリオの穴の潰し方を、1から作り直して再設定する事で強固なシナリオを目指した感じにしている。

屋敷

 「悪霊の家」を読み込むと、依頼内容を要約すると「屋敷で起きた謎めいた出来事を明らかにする事、屋敷が以前の評判を取り戻す事を願っている」となっている。つまりこれは風評被害払拭の依頼なのだ(ムズい!!)

 一方「結末」部分を読むと「探索者が謎を解明して怪異を倒したなら依頼主は大喜びする」事にもなっている。更に続いて失敗して嘘ついたら、依頼主が屋敷に泊まり込んで結果として殺されてしまい、警察の取り調べを受けて無実を証明しないといけない等。この事から「結末」の内容によって、新クトゥルフ神話TRPGの世界では、オカルト的事象が当たり前に存在している事を示唆している事になる(探索者が報告した次の日に依頼主が亡くなる事を前提としているかもしれないが…)。

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 解釈は3つほど出てくる。

【A】結末の話を素直に受けると屋敷に怪異が実在している事になる。現代日本で言うならクマ等の害獣がいる事と変わらない扱いだ。それであれば警察署に被害届や通報など依頼してもおかしくない。もしくはエクソシスト、スピリチュアルな事を生業にしている人に依頼するのが筋だろう。依頼主は警察やエクソシストに何かしらの理由で断られ、藁をもつかむ気持ちで探索者に依頼したのかもしれない。
【B】新クトゥルフ神話TRPGはホラーを題材としたゲームなので基本的に、科学的に世の中には「怪異はいない事」になっている方が自然だと思う。依頼主が一般人に依頼している点でも専門家が必要な分野だと判断していないだろうと思う(エクソシストを呼ぶお金がない等はあるかもしれないが…)。またシナリオ当初の依頼内容も評判が下がったのは「オカルト的事象が存在していないから、噂として風評被害が起きている」と捉えているとも言える。
【C】新クトゥルフ神話TRPGの世界自身は「怪異はいない事」になっているが、当の依頼主がオカルトを信じ込んでいる人という可能性もある。そして探索者であるキミたちの事をゴーストバスターズだと信じている。それであればこのシナリオは成り立つと思う。

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 この中で自分は【B】の解釈で進めた。つまり導入部分を正と判断し「怪異を倒したダケでは解決せず、屋敷について風評被害払拭しないとならない」と扱った。

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ユニオンオイスターハウス近く

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■導入。依頼のロールプレイ
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 シナリオレギュレーションの概要で「不動産屋の依頼で怪奇現象が起きる家の調査・改善」と記載し、また冒険動機も複数設定して貰う事にしてたので、依頼主の依頼を受けて貰えるだろうと考えていた。

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 しかし実際には上手くいかず、すんなりいく卓もあれば、依頼を受けるまでに2時間超掛る場合もあって幅(波)があった。PL/PCによっては依頼受諾するのに難度があるように感じた。

 これについては「依頼を受諾したくなる動機」「依頼を達成したくなる動機」として2つ以上を獲得して貰うように事前にお願いする事、またSEU(未知の探究会)に所属して貰うなども検討をして貰うのが良いだろう(SEUに所属して貰う事で【C】の解釈も可能になってくると思う)。

 もしくは既に依頼受諾済みにするのも良いかもしれない。

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■シティアドベンチャーパートの意義
ホラーらしさ。イワン・ターナーの設定追加
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 またCoC7e版「悪霊の家」はシティアドベンチャーパートがとても充実しているが、シティアドベンチャーをしなければならない理由は乏しい。「風評被害払拭」というクエストが存在するとはいえ、このシナリオはいきなり屋敷に行っても良い事になってしまう。もう一つ「悪霊の家」で求められているシナリオの流れは不自然・違和感もある。

ホラーあるある的な自然なホラーの展開は…

★探索者の自然な行動。
①オバケ屋敷行く → ②怪奇現象見る&怖い目に合う → ③一時撤退 → ④オバケ屋敷の事を詳細を調べ出す → ⑤オバケ屋敷行く

③で「こりゃヤバいマジだ! 辞めたいケド、金ほしいし(など動機あるし)。チクショー、マジで調べるか…」

この流れが自然だと思う。
一方「悪霊の家」では、この①~③までを端折ってて…

「④事前に入念に調べる → ⑤オバケ屋敷に行く」

という流れになっている。
ここまで準備周到な理由がわからない。
この流れは探索者視点だと違和感や不自然に感じる。

推理000

 また、最初からシティアドベンチャーパートで探索者が漫然と調べる行為は、あまりホラーらしさが乏しく感じた。

 ジャパニーズホラーなどでは、探索者たちの前に、探索者のような人が屋敷に行って狂ってしまった的な存在がいたりする。

 その狂った人に出会う事で、「こりゃヤバい仕事に片足突っ込んだかも…」と思わせるのが良いかもしれないと判断した。

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■イワン・ターナー
「悪霊の家」に存在しないNPCの追加。
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 依頼主は地元のレストラン(ユニオン オイスター ハウス)で探索者に依頼した。それと同じように、以前、依頼主はレストランで、イワンに声をかけ依頼した。イワンはそのまま屋敷に向かったが、それ以降、イワンは自宅に引きこもってしまった。

 具体的には、イワン・ターナーは屋敷の2階で怪異(空飛ぶダガー{でも暗くてしっかりは見ていない})に出会い、一時的狂気に陥り、自宅まで逃亡した。
 また恐怖症(先端恐怖症)を獲得してしまい、ナイフのような尖ったモノについて怖がるようになった。何かにつけてフラッシュバックしてしまうせいで自宅に引きこもってしまった。

 このイワンの行動のせいで風評被害払拭どころか、風評を確固たる存在にしてしまった。

 一方、イワンはレストランの常連でお調子モノで有名だったダケに店に来る客は「腰ぬけめ!」とバカにするモノもいたが、内心心配している客も多かった。
 依頼主もイワンが引きこもっている事を知っていて、探索者たちに屋敷へ行く前に「イワンに話を聞くといい」と案内する。

怯える

 探索者たちがイワンの自宅に行きヒアリングを行う事で、ホラー要素を探索者に与え、これにより探索者へ「ただごとではない」と思い自然な形でシティアドベンチャーパートで探索する理由が生まれると考えている。

 また風評の払拭の鍵を握る人物としてもイワンは最適したかった。

 そもそも屋敷の怪異がいなくなっても風評被害は消えない
 風評を確固たる存在にしたイワンに「イワンが出会った怪異というのは実は怪異ではなかった。ネズミか何かであった。気のせいだった」と認めさせて再びレストランにし向けるようにする。お調子モノが復活出来る。そして客に気のせいだった事を伝え伝聞する。伝聞を約束させる。
 それに+αで新聞など様々な媒体を利用する事も検討して貰う事で風評被害は解決する(怪異がいないと証明する為に怪奇現象で噂の屋敷。泊まったら$●プレゼント等)。

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■シティアドベンチャーパート
このシナリオの肝。マルチミーニング。
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推理

 この「悪霊の家」は「シティアドベンチャーパート」が「ペーパーチェイス」同様にマルチミーニング的(複数の解釈が可能な意味づけ)な意味合いに構成されている。実は、単にクエストをクリアするダケならダケなら「悪霊の家」の「シティアドベンチャーパート」にほぼ意味はない。それは直接屋敷に行ければクライマックスにすぐに到達してしまう為だ。

《A》「探索を進めて真相を探る」と同時に
《B》「単純には依頼を達成できない事をPL/PCが気がつく事」がシティモノの本当の目的になる。
(シティの探索はPL/PC達が気付く為の時間稼ぎのようなモノだ)

《C》
そして探索を進めながら「真相と結末を予想し合う・相談する」
《D》その上で「どういう結末に出来たら風評被害を払拭できるのかを考える」までが求められている。

 そして探索者はクライマックスで怪異に会うが、本当のクライマックスはその後、依頼主に話した後か、もしくは怪異を倒した後に始まる。

 PL/PC達が《D》に到達せずに《A》だけでクライマックスまで到達した時に初めて依頼遂行が難しい事に気がつくとPLは面喰ってしまったり、どう対応して良いのかわからない状態になって匙を投げたりしてPL(PCではなく)によっては非常にストレスを感じたりイライラしだしたり腹を立て出し、ゲーム(物語)のエンディングとは別に【ネガティブなエンド】【ビターなエンド】に陥ってしまう。

騙し絵

 「悪霊の家」「ペーパーチェイス」は、一見単調なシティーアドベンチャーパートに見せておきながら、騙し絵的なマルチミーニングを仕掛けている。非常に面白いアプローチだと自分は思っているが、このマルチミーニングに気がついてPLに楽しんでいただくのはかなり難しいようだった。このマルチミーニングに気がついたのは「周回しているPLがいる卓」や「依頼主の言われた通りではなく、動機への解決・アプローチに慣れたゲーマーがいる卓」でないとうまくいかなかった。

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■まとめ・所感
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悪霊の家タイトル

 「悪霊の家」はクイックスタートルールに掲載されたシナリオだった為、「初心者向けシナリオ」だと思い込んでいたのが自分の敗因の一つだった気がする(初心者向けの記載はあるのだが…)。

 このシナリオの難度が高い為、KP1人・PL4人で遊ぶような卓配置にしたが功を奏する事はなかった。

 結局、このシナリオの難度を下げる方法がわからず、封印する事になった。構造が同じ「ペーパーチェイス」も同じ結論に到達しこちらも封印している。いや難度を下げるか、もしくはうまくPL/PCを誘導する方法を自分が学ぶか…なんだろうなぁ~と思う。

 他のKPさんはうまく初心者向けシナリオとして回せているようなので、自分もそういう回した方を勉強出来たら、再度「悪霊の家」を回す事が出来るかもしれない。

 この「悪霊の家」の舞台設定周りについては『1920年代米国ボストン CoC7e「悪霊の家」』を参照して貰えたら嬉しい。


おわり


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