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勇往邁進は銀鱗躍動する…♪
TRPGのシナリオに大切なモノの1つとして『銀鱗躍動』『勇往邁進』があると思ってる。その話。
『銀鱗躍動』から話を進めていく。
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●GMとPLが共に目指しているモノ
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TRPGはPLとGMが、立場が違うが同じモノを目指していると自分は思ってる。
それは、PLもGMも卓にいるPC全員が『銀鱗躍動』する事だ。
PLはPCを通して『銀鱗躍動』したい。
GMはPLやPCの『銀鱗躍動』するさまを見たい。
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●『銀鱗躍動』とは
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晴れた水面下で、魚がイキイキと活発に泳ぎ回り・飛び跳ね、魚のウロコを銀色に輝かせているさま。
TRPGに落とし込む場合、PCが冒険人生を謳歌してるさま。
『銀鱗躍動』という四文字熟語・言葉が苦手なら【躍動】でもいい。
一方、TRPGだと「活躍」という言葉が出る事がある。
しかし自分がいいたい内容は「活躍」とは異なる。
活躍の意味は「輝かしい成果をあげる事を前提に、めざましい活動やすばらしい活動をして、実際に成果をあげる事」を指すからだ。
しかし『銀鱗躍動』は、成果や誰かからの評価とは関係ない。
めざましい活動も、素晴らしい活動も必要ない。
『銀鱗躍動』は、野を駆けまわる仔犬や子猫が外界を飛んだり跳ねたりして生を謳歌しているような…
動きたい気持ち・衝動のままに、野を駆け飛び回り、その生を実感して衝動のまま快楽を味わいたい・堪能する。そんな生き生きとする姿。
その気持ち、この世界に生きてる事を謳歌する事が『銀鱗躍動』の根幹だと思う。
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●『銀鱗躍動』する為に…
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『銀鱗躍動』はPL・PC共にその状態になった方がいい。
ただやり方はゲーム作品によって異なる。
ファンタジー世界の傾向。
外に出て「刺激的な冒険」を味わう為の『銀鱗躍動』の要素は3個ある。
(a):キャラクターとして成り上がって世界へ影響を与えていく事。そんな冒険人生を謳歌する事。
傍若無人に跋扈し、今ある文化・しきたりを蹂躙しながら、新しい何かを生み出し、立身出世の成り上がる物語をすると、気持ちいいだろう。キャンペーンシナリオ向きな話だが、モノプレイであっても、そう感じさせられるとより気持ちいいだろう。
(b):外に出て、世界を旅する事。様々な人と出会い・別れ。あとご当地を堪能する事。
新たなどこかへ行き、そこで出会いを通し、何かを成し遂げ、そして帰っていくというストーリーラインは気持ちいいと感じるだろう。
ロケーションが変わる、ロケーションが変わった事を感じられると楽しいと感じるだろう。
(c):刺激的な冒険とは、キャラクターの死ぬ恐れがある中で、命を賭けて価値ある何かを獲得しようと思う事を目指す。
PL&PCはこの事件に対して「“逆境”を“試練”と信じて“勇敢”にも“邁進”し、活路を見出し、“逆転”を果たし“乗り越える”」そんなストーリーラインで冒険すると刺激的な冒険をより感じるだろう。
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●『勇往邁進』とは
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数多くの問題に、恐れる事なく、自分を信じ、自分の目的・目標に向かって、勇敢にも迷いなく突き進む事。
TRPGに落とし込む場合は、PLとPC共に集中・夢中・没入・フロー・ゾーンになって冒険(ゲーム)を挑んでいる状態。
『勇往邁進』とは、セッション中に『銀鱗躍動』の(c)を実現する為の手段(キー)である。
『勇往邁進』という四文字熟語・言葉が苦手なら【邁進】でもいい。
『勇往邁進』状態を実現する為にはシナリオのクエストにはいくつかの要素・設定がある事で成り立つ。
要素は5個ある。【1】目的、【2】期限、【3】障害、【4】制約、【5】動機。
【1】目的・目標がある事
ゲームクリアとなる明確な目的があると邁進しやすい。
特に分かり易いのが「○○に行き△△する」というように「どこに行き」「何をするのか」を明確化する事が邁進しやすい目的となる。子供のおつかいみたいに聞こえるかもしれないが、この目的が分かりにくいとPL・PCは本腰を入れずらくなる。
【2】期限がある事
不思議と期限があると邁進しやすくなる。
制限時間、〆切日、手数に制限がある…等。
期限は、期限を過ぎると事件は最悪の結末を迎える。
その結末を避ける為にPC達は事件解決の為、苦難の中を駆け抜け、敵の群れへ立ち向かう。人は期限があるというダケで緊張感が発生する。その為、期限は10日後などカウントされるモノがあれば良く、期限自身はクリアするにあたり余裕があっても問題ない。その為、極端に期限を短くする必要もない。
【3】障害がある事
障害は、「○○に行き△△する」目的はあるが、スタート地点と○○の間に、行く手を遮る障害(モンスター、トラップ、険しい道)がある。もしくは○○に到着した後、△△する事が単純に難しい、もしくは△△の間に行く手を阻む障害があるなど。
こういった行く手を阻む障害があると邁進しやすくなる。
障害は目的を阻むモノがよく、障害を除外する事をシナリオの目的としない方が良い傾向がある。この考え方は、ゴールの前に存在するモノの為、ラスボスを指すワケではない。
【4】制約がある事
人はそれぞれ1つの事を余裕でこなせても、2つ以上を同時にこなす事を求められると、途端に難度が上がったように大変になったりする。
この大変な事をパーティと団結する事で乗り越える過程で邁進につながる。
端的に制約とは「○○しながら△△しなければならない」という2つ同時の事を行うようなモノ。
障害のバリエーションの1つと思ってもいい。
スポーツなら手を使ってはならない、土俵の外に出てはならない等。
物語だと赤ちゃんをあやしながら、守りながら何かを行う等。
制約のメリットは障害のみでは単調と感じられた場合に有効だったり、障害を弱くしたまま難易度を上げるのに役に立つ。デメリットは複雑になる事、難易度があがる事。障害だけで十分楽しめる場合は制約を組み込む必要はないだろう。
【5】動機がある事
1~4はアナログゲームやスポーツによくあるルールでもある。
1~5と5まで含める場合は、映画・物語でも多く含まれる傾向がある。
その為、TRPGにおいて 5(動機) は非常に重要な要素である。
「依頼を受領する動機」「依頼を達成したい動機」など「PCたちが事件に立ち向かわなければならない理由」が必要。これがないと安心して冒険する事が出来ない。また更にクライマックスで戦闘させたい場合なら、「戦闘しなければならない理由がある」等も設けた方がより戦闘しやすい。
様々な手段を考えるPLに、この動機が明確にあるほど、心を切り替えて邁進しやすくなる。
動機の目安。様々なPLがいて動機の組み込みが難しいかもしれない。
しかし、PCのモデルをホモエコノミクスとして動機を設定すれば多くは解決し易い。
ホモエコノミクスとは「利己的な合理性のみに基づいて個人主義的に行動する人間像」の事です。そのホモエコノミクスのキャラクターでも、そのシナリオに参加しなければならない、戦闘しなければならない動機付けが出来ていれば、実際に遊ぶプレイヤーは安心して遊ぶ事ができ易くなる。
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●これらの要素は加算式
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これらの要素は全て加算式である。
1つでも効果はあり、要素を重ねる事で相乗的に効果を得られる。
これらの要素をシナリオに組み込む事で、PC達はシナリオクリアの為に勇往邁進し易くなり、結果として銀鱗躍動し易くなる。
もし共感いただける箇所があったらシナリオに組み込んでみてはどうだろうか。
読んでいただきありがとう。
また、少しでもアナタの何かの役に立てられたら嬉しい。
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おわり