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アフターセッション時のアレについて♪
アレとは、TRPGの卓後、感想会・感想戦・ディスカッション・反省会などの呼ばれるアレ。その話。
大昔は「反省会」と呼ばれたり。中身は「内ゲバ的総括」「魔女裁判」「叩き合い」とも言われたり。自分の観測範囲だと昔は他PLが「卓中の言い足りなかった分の発散場所」「不満を発散する」「シナリオの裏話する」場として存在してる認識だった。最近は「褒め合う場」とされているようで、卓後のイメージが違ったりするようだ。
そしてSNS上では、アレの発生しない卓は「クソ・ハズレ卓」でアレの時は「褒めねばならない」らしい。それに対する違和感から考察する事にした話。
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■先に結論
アレの用途や必要性
アレ = 感想会、感想戦、ディスカッション、反省会
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TRPGは1ゲームの時間が長い傾向がある。
特にオフセのコンベで初心者が混ざる卓では、初心者は不安になるだろう。だから「これで良かったのか」「悪かったのか」知りたいと思うだろう。その初心者の為に、ゲーム後にゲームについて感想を述べあいながらコミュニケーションをするのが良いのだろうと思う。
初心者というのは、TRPG自身の初心者、システム(ゲーム)の初心者、初対面、この集まりの初心者など。幅は広い。
そして、アレの話は、初心者をフォローする為に、卓のゲーマー達が褒め合う・美点を見せ合う。話している第1者・第2者だけでなく「他人の価値観でのTRPGの美点」を言い合い卓全員に見せるのは、初心者や古参含め全員の為で、それは恐らくデザイナー側が卓の自浄作用を期待して促しているのだと考えられる。
カードゲームやボードゲームと比べてもTRPGは時間が掛かるから経験数が少なくなりやすい。だからゲーム後に「TRPGにとっての美点」を言い合い「褒め合う」事で、経験数を補い、遊びやすくて楽しみやすい場を形成出来ると考えられているのだと思う。
卓に何かしらの初心者がいるなら不安を取り除く為にアレを設けられるよう、ゲームを早めに終わらせるのもアリだろうと思う。
一方、初心者が全くいないなら遊べる時間をめいいっぱいゲームに注いでも良いのかもしれない。
TRPGは昔思われていた美点、今思われている美点と異なる事もあり得る。「アレを行い褒め合う」という仕組みは、行い続ける事によってゲーマー自身が自然と今の美点を取り入れられる仕掛けかもしれない。
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アレで褒め合う理由に「TRPG関係なく、せっかくのご縁。人付き合いを良好にする為に、会合では互いに褒め合おう」「楽しかったね。またこのメンツで遊びたいね」「キミがつまらないと思うのはかまわんが、ギスギスさせたり、卓を冷やすのはやめてくれ」というのもあるかもしれないケドも……。
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以下の記事は蛇足になる。
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■アレは何故発生させたいのか?
アレ = 感想会、感想戦、ディスカッション、反省会
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ゲームの多くは短い時間で反復出来るゲームが多い。もしくは1試合自身が長めでもスポーツなど前半戦・後半戦や、1ゲーム、1ピリオド等、同じ事を繰り返し仕切り直せたりする。短い時間で何度も反復出来て休憩が取れるゲームなら、ちょっとした意見交換や感想がありつつ、今度はこうしよう!あーしよう!とか思って再戦・リベンジ・試行出来る。
TRPGは1ゲームの時間が長い傾向があり、同じゲームを繰り返すような区切りもない。だから気分的なリセットもない。仕切り直せないゲーム、いつ終わるかはっきりしないゲームはストレスが溜まりやすい。恐らくシナリオに類型があったとしても、多くのセッションのシナリオは、いつも初めましてなので、それもストレスになると思う。初心者ならばよりストレスを感じやすくなり、自分の行いの良し悪しを知りたい気持ちにもなったりするのだと思う。
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TRPGは1ゲームの時間が長いからこそ、一日費やして失敗したり望むような成功に至れないなら、その悔やみ具合も大きいだろう。短時間で経験数を増やす事が出来ないからこそ、どことなく出来ないと自覚しているからこそ焦燥感含めて語りたい気持ちが高まるのかも。
それがアレが発生させたくなる理由なのかもしれない。
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そういう動機だから、アレが発生した時の話す内容は、卓中、優れた言動が出来ていたら「美点」と表彰し、出来ていなければ「弱点」という反省点になる。どちらも評価という意味では同じだ。ゲームだから優劣を語りたくなるというのもあるだろう。
大昔は「反省会」という「内ゲバ的総括」「魔女裁判」「叩き合い」が行っていたとされている。
自分の観測範囲だと、ゲーマーが「卓中の言い足りない事」「卓中の不満をしゃべりで発散する」をぶつける場所として、あとは言い足りないGMや、聞きたいPL達での「シナリオの裏話する」場所として存在してると思った。
そして最近は「褒め合う場」とされているようで、卓後のイメージが違ったりするようだ。
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●「アレ」は、なきゃダメか?
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自分がPLして感想会がない卓でもとても楽しかった卓は多数ある。
オフセで、卓後の感想会を設ける為に早く終わらせるようにしてたケド、PL時間いっぱい遊びたかったと言われた事もある。偶々早く終わったなら卓後の感想会するのはいいけど、意図的に設ける為に早く終わらせられるのはイヤだと…。またコミュニティによってはアレにはならず、カードゲームやボードゲームで遊ぶ事になる事もあった。
つまり必須ではないと思う。
卓が早く終わって時間が余ったならアレをすればいい。
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問題はアレをする為に早く終わらせなければならないかどうか。
不安やストレスを感じる要素があるならば、アレをした方が良いだろう。
具体的には、オフセのコンベで初心者が混ざる卓では、初心者は不安だろう。だから「これで良かったのか」「悪かったのか」知りたいと思うだろう。その初心者の為に、ゲーム後にゲームについて感想を述べあいながらコミュニケーションをするのが良いのだろうと思う。
初心者というのは、TRPG自身の初心者、システム(ゲーム)の初心者、初対面、この集まりの初心者など。幅は広い。
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●そもそも「アレ」は、何なのか。
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長時間人と接しているのだから、ゲーム外について関わり合いたいというのもあるかもしれない。
TRPGだけの観点で考えると、ネガティブな視点では「不安を解消したい」「ストレスを発散したい」だが、ポジティブな視点では「安堵したい」「悪いところはなかったか知りたい」「何が良いのか知りたい」等になると思う。
もっとポジティブな話として、アレは「卓の楽しかった感情(エピソード)の反復・共有したい・再確認したい」「楽しかったね。またこのメンツで遊びたいね」が目的だったのではないかと思う。
何かしらの方法で、将棋の感想戦や、映像作品のオーディオコメンタリーみたいな事が出来れば「卓の楽しかった感情(エピソード)の反復・共有したい・再確認したい」は、もっとうまく楽しかった事の共有が出来るとは思うが、ここら辺の手法はわからない。
一方で、アレが漠然とした存在・淡い存在として扱うからこそ、「反省会」に傾いたりするのかもしれない。
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■「褒める」
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TRPGで期待される「褒める」はどのようなモノなのだろうか?
スポーツなどのスポーツマンシップとしての「健闘を称え合う」と同じなのだろうか? ただスポーツの称え合うは、「まず勝者が敗者を称えた後に、敗者が勝者を人格ごと全てを称える」事をして、スポーツマンシップの精神を形にした様式美って感覚があり、TRPGで期待されている「褒める」とは少し異なるように感じる。
TRPGで期待される「褒める」は、結論としては、マナー(行儀作法)やモラル(道徳・倫理)と言うのとも少し異なり、スローガン(標語)なのかもしれない。
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●TRPGで褒める…
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卓後では、特に効果があるのは努力している箇所を褒めるのがいい。当たり障りない箇所よりもユニークな箇所を褒めると尚いい。更に卓全員がそれぞれ言えるようにマイナーな箇所・表現で褒めるのも良い。
TRPGの場合は「他人を褒める為に良かった探しをする」「自分にとって優れていると評価できる点」「純粋にセッションにとって少しでも良かった点」などを褒める事になる。
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「褒める為」に卓後にアレを設け「素直に凄いと思った時に称賛する」ではなく、アレの為に全員が全員の「褒める」場所を探して褒めねばならない。その為、オフセでもオンセでもリアルノートを用意して、卓中に褒めポイントを記載する努力をして、終わった後にリアルノートを見ながら褒める事になる(オフセだとメモっている事を見られないように気を遣いながらメモってたり…)。
それでも全員を褒めるのは苦労する。各ゲーマーに対して興味を持って接するダケでは限度がある。
結果として「このメンツの中では良かったところ」を探して、褒める事にもなる。その為、たいして凄いと思わなくても「良かった探し」をして、針小棒大に言う事にもなる。そういう苦労を知っているゲーマーなら、自分の為に頑張って探して貰ってる事に申し訳ない気持ちにもなるだろう。また、TRPGは人によってこだわりポイントが大きく異なる。その為、褒められたとしても「この人には偶々OKみたいだな。良かった(安堵)」と思う事も多い。
何の為に褒めるのかわからず全力でTRPGで常に全員を褒め続けるというのは難しいし苦しい。
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●「褒める」とは
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自分の感覚では「相手にどう思われるかは考えず、ただその人の行為で自分個人が良かったと思った事を伝える」「周りには言えず対象ダケにコッソリ美点を伝える」というのは「褒める」とはニュアンスとして異なると思っている。
その為、辞書だけだと違和感があった為、自分の感覚も加えている。
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・褒める(辞書)
すぐれているとして、その人や事を良く言う。
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・褒める(とぉ~く的)
対象の美点(努力・能力)を自分から見つけ出し、その部分を心から喜び、肯定的に評価する。
そして、相手を喜ばせる事を目的に、堂々と表彰し祝う。
あわよくば対象の自信を促し継続して貰おうとする行為。
・美点
すぐれたところ。よい点。
・評価
どれだけの価値・価格があるかを見定めること。
・表彰
善行や功績をたたえて、人々の前に明らかにすること。
TRPGの場合、卓の全員に伝える感じ。場合によってコンベンション会場全員に言う等。
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●何を褒めるのか
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褒めるという言葉だけで言うなら「素直に凄い!!優れている!!点を称賛する」「自分にとって優れていると評価できる点」「頑張って他人を褒める為に、褒められる箇所・良かった探しをする」「純粋にセッションにとって少しでも良かった点」という事になるだろう。
でもTRPGでの褒めるはソコではないと思った。場合によっては褒めるダケではないのかもしれない。
・労いの言葉
・感謝の言葉
・「謝罪」と「許し」
・クエストクリアに貢献した出来事
・直接的でなくともアシストしてくれた事
・TRPGらしい楽しさを表現出来た点
・単に自分個人的に好きだと思った点
・会話で楽しいと思った点
人によっては当たり前かもしれない点も含めて、卓という場で上記を公表し、上記を実践したゲーマーを称賛する。というよりも「自分には出来ない素晴らしい能力」を絶賛する事を求められているワケではない(言ってはいけないワケではないだろうけども……)。
何故、そんな事をするのかと言うと「TRPGの褒める」は「A氏がB氏を褒める」という図式だけではなく「A氏がB氏の美点をみんなに向かって語り、この卓のTRPGにとっての美点はなんだったのか」を公表して「TRPGの美点を再認識する事」なのではないかと思う。A氏はB氏に向けて話しているように見えて実は卓全員に向けて「自分(A氏)はB氏のした●×を美点だと感じた」と語っている事になる。
そうやって「他人の価値観でのTRPGの美点」を知る。ゲーマーが新たに美点を知り取り込むならより良くなる。新しい価値観をアップデート出来る。つまり、褒める行為そのものが大事なのではなく、TRPGの美点をアップデート出来る環境・褒め合う場に立ち会うってう事が大事なのかなと。
この観点だと「反省会」でダメ出しの連続でも同じ効果なんじゃないのか?という事になるが、「やらなかった事」を責めるのは、ミスりたくないという萎縮に繋がる。それなら「実践した美点を褒める」形を取り、ミスったらリカバーを考えて能動的にのびのびと行った方がいいだろうという話なのかもしれない。
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■まとめ・所感
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「アレの発生しない卓はクソ・ハズレ卓だし、アレの時は褒めねばならない」という強迫性に異論を唱える為に考察した。
本当は完全な反論や否定に持って行きたかったケドも……結論は「卓のメンツによってはアレはあった方がいい。アレの時は褒め合う場にした方がいい」のかもしれない。
似てるような似てないような話として…余韻。読んでくれたら嬉しい。
おわり