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現実ってなんなんですか?
すみません、幼稚なことを言い出しまして。
僕は、みなさんよりも理解力が乏しいので、いまだにこんなことを考えています。
恥ずかしい限りですが、どうぞお付き合いください。
幼いころから言われてきました。
「もっと現実を直視しなさい」
「足元を見なさい」
仕事でも言われますね。
「うん、君、その案は構想としてはいいのだが今一つ現実的ではないね」
「そう、実際的ではない」
理解が及ばないものに対しては「現実離れしている」といいますね。
読書や漫画やゲームにのめり込んでいたり、
趣味に没頭して学業を疎かにする。
または、登山や旅行にばかり気を取られたりすると、
「現実逃避」と一蹴されます。
試験で赤点を取ったり、
仕事の業績が不振だったりすると、
その結果を眼前に突き付けられて
「これが現実だ」
とはねのけられます。
願ってもない僥倖や、
予想を超えた幸せに包まれた時でさえ、
「これは果たして現実なんだろうか? 夢じゃないんだろうか?」
などと、わざわざそこに平凡でつまらない世界の象徴を「現実」として持ち出します。
どーやら「現実」と言うやつは辛口です。
菊正です。
そいつは、何かがうまくいかないときによく登場する憎まれキャラです。
そして、どーいうわけか、いつのまにか大人たちは、嫌なこと、シビアなこと、予想外なこと、不運なこと・・・つまり、自らでは扱いきれない感情をその「現実」という名のゴミ箱にぶち込んで来たように思われます。
それでいて、そんな現実に立ち向かう姿をヒロイックに礼賛したりします。
そんな”現実”で生きざるを得ない日には、次第に、この世の中を生き抜くには、相当気を使って、慎重に、ケアフルに、八方に気を配り、ミスらないように、自分を厳しく律し、石橋を叩いて渡るようにしなくてはならないんだ、とかいう硬ーい硬ーい意識が形成されます。
同時に、夢や想像力はあえてつまはじきにされます。
幼少期に「現実」なんてありませんでした。
これは、言葉の比喩ではなく、
本当になかったのです。
なぜなら、日がな一日飛び回ったり遊んだりしていたからです。
あなたは、「現実」って何だかお分かりですか?
みんな一様に言葉でそう認識しているだけで、それの指す本当の意味が分かっているのでしょうか?
僕にはわかりません。
でも、もしホントにそれが分からない問題だとすれば一大事です。
言うまでもなく、僕らは「現に」「現実」に生きているのですから。
それともそれは錯覚であって、実は「現実」とは違う何ものかに乗っかって生きているのでしょうか?
分からないながらに書きますと、
少なくとも「現実」とは、後になってこの世を仮にそうだとあらわした言葉のような気がします。
それは「現れて」「実る」と書きますね。
では何が一体「現れ」たんでしょうか?
現れるということは、それ以前には存在しなかったことを意味します。
しかも、現れただけではなく実ったわけです。
あたかも、何もない土壌に小さな草木の芽がぽっと芽吹いたようなものです。
それがどんどん育ち、幹になり枝葉になり、しまいには大樹になるかもしれません。
そこに実がなる。
つまり、「現実」というものは、何らかの「結果」であることが分かります。(面白いもので、「結果」という言葉にすら、「果実を結ぶ」という答えが出ていますね。「結実」とも言います)
よく「現実主義」だとか「夢想家」だとか言いますね。
あなたはどちらですか?
「現実は儚い」とよく言います。
現実は確定的で、堅牢で、不可抗力的に見えますが、どっこいもろい。
それは早晩跡形もなく消え去っていきます。
僕は思うのですが、それは反対なんではないでしょうか?
というのも、現実こそ実は幻であって、
夢幻こそ実は現実(とみんながイメージしている「確実に在る」もの)ではないでしょうか?
この世は物質でできているような気がします。
でも、物質だからこそ、「確定的で、堅牢で、不可抗力的に見えますが、どっこいもろい」のではないでしょうか?
そして、それは(この世に)現れて、実ったものです。
では、一体だれがそうしたのですか?
一方、不確定的で、あいまいで、ふわふわしていて、実態があるやらないやらすら分からない「夢」「想像力」の世界は不変ではないですか?
そちら側にいるあなたこそが、この世(物質界)のあなたを作り、命を与えている本体ではないでしょうか?
「夢想」こそが現実を作るのではないですか?
また、作ってきませんでしたか?
その意味で、「現実こそすべてだ」と思ってらっしゃる方々こそが、実は夢想家なのかもしれませんね。
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