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含み笑い集【撰】
笑いにもいろいろあります。
”ツボ”にはまった際の、断続的な、抱腹絶倒型のものはともかく、
それ以外にも・・・
子供や動物など無邪気な存在を目にした際のほほ笑み。
初々しい少年少女のはにかみ笑い。
見事な大自然を目の前にした際の、自ずからはちきれるような清々しい笑い。
広隆寺の半跏思惟像や観音像のような悟りと安心をもたらす笑み。
何ごとか発明発見をした際に漏らす哲人や科学者の高踏的な笑い。
これらは「美しいもんだなぁ」なんて思います。
でも、「笑い」って大概は意識してのものではないですよね。
”もらい笑い”なんていうケースが多いものです。
不意打ちっていいますか、抜き打ちっていいますか、「そりゃ、反則だ」ってのもあります。
また、なんとも不可解で当人の意思に反するものではあるけれど、まあ仕方がない、許容範囲かってのもあります。
周囲は憮然としているのに自分一人がクスクスとなるもの。
そのときは素通りしても、後でこみあげてくるもの。
ここは笑っちゃいかん、というものの余計にこらえておなかが痛くなってくるもの(←大概「ククク」と笑って、目に涙をためています)。
独りで何かをやっていて独りで失態を演じた時の一人笑い。
結婚式や葬儀などハレの場面での失態。
「ばっかばかしい」と言いつつ、腹の底で笑っているもの。
誉められた時の照れ(隠し)笑い。
「まいど―」と威勢の良いあいさつで、出前の品を会議中に持ってこられた際の苦笑い。
思いっきり悲しい時にふとよぎってくる泣き笑い。
などなどが、その範疇に入るかもしれません。
さらに、できれば避けたい、近づきたくないなんてものまで・・・。
不思議に、それらは意識してそうしているケースが多いものです。
人を馬鹿にしたせせら笑い。
人を見下したにやにや笑い。
むっつり笑い。
したり顔で得意満面のどや顔笑い。
酒席などで大きな声で周囲に響き渡るかのようにこだまする馬鹿笑い。
自分をあざける自嘲。
媚びへつらう、へつらいわらい、
嘘をごまかすときのごまかし笑い。
面接とか被写体ポーズとか、別に興味ない異性といやいや対面するような際の作り笑い。
あざといっていうか、相手の顔色見てるような作為があります。
これらの解決策はただ一つ。
笑わなければいいのです。
ともあれ、笑いの数が、文化を表すとしたら、我々日本人は一年中笑ってるんじゃないか? と思わしめるほど、そのバリエーションに富んでいますね?
実際、一年中笑っているような「笑い顔」の人っていますが、そんなお方を見るたびに、いつも陽気な感じでうらやましいなあっても思うんですが、しかし当人にしてはそんなこともないらしいです。
彼や彼女が不向きなのは、深刻な場面や修羅場です。
そうそう、軍隊なんかにもふさわしくなさそうですね。
「貴様! いつもへらへら笑っとって、上官を馬鹿にしとるのか!」
さて、長い人生、僕はすいぶんと笑ってきましたし、また笑われてきたものです。
そうして揉まれて(?)きて、僕的に一番可笑しいものは人間そのものだってことに気付きました。
その人間をできるだけ客観的に見つめること。
それはまるで自分が宇宙人ででもあるかのような遠い目線で他人を、また自分自身を眺めるときにはじめて浮き彫りになってきたりもします。
するってーと(最近噺家的な口調になっちまって(笑))そこには人間の営みというものの中にある悲哀めいた笑いの結晶が残ります。
ポツンとひとり、そこに投げ出されるような笑いっていいますか、
そんなものが自分には一番刺さります。
そんな笑いの一こまを、過去の「つぶやき」から厳選しました。
それは「傑作」ならぬ「怪作」かも知れませんが、そうしたものに笑いを見いだせる奇特な方、どーぞ今一度覗いてやってください。(もし、「何が可笑しいのやら?」って方は、大丈夫、歳を取って甲羅を経てみれば、その時にお分かりになります)
昔っから「笑う門には福来る」とか申します。
どーぞよいお年を
そして、よいお笑いを!!
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