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八月に私は死ぬのか朝夕のわかちもわかぬ蝉の声降る ~河野裕子『蝉声』より

おっそろしい歌ですね

絶え間ないの絶唱
私はなぜか八月に死ぬ
翌日もが鳴く

今まで聴いた全てのを聴きとってるかのようでもある
死んできたと、死ぬ私と、死ぬ

私たちもいつかこのの声を聴くでしょう
いえ。耳を傾ければ、今も聴こえます

私たちも、の声
いつか、だれかが、聴きとるでしょう
八月に死ぬからには


『蝉声』より、ほか

髪も眉もまつげも抜けますよ それぢやあ私は何になるのか
この猫と過しし歳月われらには色々ありきおまへだけ能天気
何でかう蝉はしづかに遠く鳴くものかされど夕蝉ふいに近づく
そのことは昨日のやうにも思はれず目黒のすしのひときれふたきれ


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