映画『カサブランカ』と『ボーダー』 ~がんばれ!ヨッパライ! 暴力と出会う場所
映画『カサブランカ』(1942)の主人公は、国籍を聞かれ、「飲んだくれ」と答えます。
オリンピックに、「飲んだくれ」枠をつくりたいですね。
アスリートたちが躍動するとなりで、いろんな国の飲んだくれがふらふらと新体操したり、トランポリンでゲボ吐いてクダ巻いたり。
がんばれ!ヨッパライ!
『カサブランカ』の酒場のひとたちは、心をひとつに合唱します。
私は手もなく泣いちゃいました。涙は、視界をぼかします。
植民地にされているモロッコ国民の感情を考慮せずに、只管、戦勝連合国に正義があるような描写に苦笑した ~晴耕雨読さんのレビュー
こういうことに気づきたい。
先日は、映画『ボーダー』(1981)をみました。
ヒロインをメキシコ人と思いこんだけど、実は、グァテマラの先住民で、
内戦・地震を生きたみたい。
当時、同国は軍事独裁政権下、内戦が展開中の時代であった。政府観光局が先住民の意向などまったく無視して撮影を許可したと思う
~上野清士さんのブログ
こういうことを知っていたい。
話は少しずれますが、
「暴力の被害者が、同じように暴力をふるっている。」
「暴力をふるうものが、同じように暴力をふるわれている。」
よくあって、見逃しがちで、言いにくい。
特に、自分ごとにおいて。
そういうことをわかりたい。
そういえば『カサブランカ』、まるでバックパッカーの沈没宿みたい! って思ったのでした。
バンコクや、イスタンブールのように、異国情緒あって、いろんなとこからきた有象無象がうごめいてて、沈滞しつつ、夢や熱に浮かされてて。
『カサブランカ』と『ボーダー』は、様々な境界をゆきかう人間と暴力の出会う場所でもあったのでしょう。
ふらふらと踊り、ゲボ吐いてクダ巻いて、知って気づいて、わかってゆく。
だからこそまたふらふらと踊り。
がんばれ!ヨッパライ!