いまが絶望の一秒前でも、その先に光は必ず見える(乃木坂46)
サブスク配信の乃木坂29thシングルに含まれる曲のうち、「絶望の一秒前」と「好きになってみた」が今のワシのヘビーローテーションです。
「絶望の一秒前」
五期生ちゃんの曲「絶望の一秒前」は好きですね。これまで新しく加入するメンバーが歌う曲は前向きな希望を感じさせるような曲がほとんどだと思うけど、こいつはちょっとダーク目の曲調で、歌詞を読むと「好きになってみた」や「価値あるもの」と違い未来への希望がちっとも感じられない内容でした。
これまでの乃木坂であれば「絶望の向こう側に希望の光が見える。だから頑張ろう」的な歌詞が多かったのが、今回の「絶望の一秒前」ではその希望が見えない。誰も信じられなくて、今がどん底だと言っている。
でも曲はむやみやたらにカッコいい。
表題曲の「Actually…」の歌詞と同じく希望が感じられないのですね。でも最後の最後でちょっとだけ希望を振りまいてる。
「好きになってみた」
やっぱyouth case氏お得意の4つ打ちバスドラムを基本に、サビ部分でタメを作ったりするのが超かっこいい「好きになってみた」が、いまんとこイチバンのお気に入りです。
サビ部分、「This Moment」の入り方や「ねえ 神様教えて」の「おしえて」部分でそれまでの4つ打ちからちょっとタメを聞かせたメロディーに合わせてリズムに変化するところが素晴らしく良いですね。前作の「君に叱られた」に通じるバスドラムとベースがシンクロしたリズムのうねり具合と間に入るベースのチョッパーだかスラップだかの音がかっこいいので大好きです。
サビ最後の「反省中」に次の「La La La Feel the sparks flying」というフレーズがかぶって歌われるのもかっこよくて堪りません。
「君に叱られた」はラストサビの「わかった、わかった」の歌詞部分で、リズム隊が4つ打ちの2拍目を抜いたあとタメを聞かせた3拍目が超イイ。
変化しなければ生き残れない
今回の29thシングルを聴くと、やっぱり運営側はこれまでの乃木坂を変えようという意識が強かったことは確からしい気がします。
「価値あるもの」や「好きになってみた」という乃木坂王道ソングを配しているのでこれまでの乃木坂の全面方向転向をする気はまだ無いことは確かだけど、はっちゃけてる曲がなく多少暗いトーンのものが多い今回のシングル曲を聴いてみて、そして歌詞を読んでみてそんなことを考えました。
そんなシングルで「好きになってみた」を「Actually…」のメンバーが歌っているのは、「いやあ、皆さん、やっぱ乃木坂ってこういうのですよねぇ」っていう運営側のエクスキューズというか言い訳というか保険をかけてるっぽい感じがして、運営側の内部でもいろいろと葛藤があり、営業面を考慮しての落とし所をさぐった結果だったような雰囲気を感じました。
「やっぱ乃木坂ってこういうのですよねぇ」て書いたけど、「好きになってみた」も数年前の乃木坂の曲と比べると時代の変化やファンの嗜好に影響されてるってこともあるんだろうけど、初期と比べて明らかに曲やアレンジが変わってきていますね。俄で新参ファンのワシが最近の曲を先に聞いたあとに初期の曲を聞くと、「これはAKBでしょ」とか「典型的な(代り映えしない)イカニモなアイドルソングだよなぁ」という印象を強く受けるちょっと残念な感じの曲もあるんですよね。(もちろんいい曲もたくさんある)
これからの乃木坂
これからの乃木坂はどうなるのか。
今回のゴタゴタは曲がその直接的な原因ではないけれど、これでまた元の路線に戻すのか。それともこのまま新たな方向性を打ち出し続けるのか。
乃木坂の伝統をしっかり受け継いでる三期生。
その伝統を踏まえつつそこから新しい方向性を見つけつつある四期生。
それに対して五期生はどんな乃木坂像を見せようとしているのか。
五期生ちゃんたちはそれぞれ魅力的だと思うから、変な方向に行きっぱなしにならずに、これまでの乃木坂を継承しつつ新しい風味を加える方向に突き進んでほしいと思っとりますよ。
勝手な想像を書き連ねましたが、現場からは以上です。
トップ画像はインターネッツから拾ってきた、中西アルノちゃんが佇む「Actually…」TYPE-Aのジャケット写真です。