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拝啓、1年前の”私”へ〜何者かにならなくても、受け入れてくれる居場所があるよ〜

 何者かにならなければと焦る君へ

 2020年5月、業務委託で受けていた仕事の契約が終了してから約3ヶ月が経った頃でした。

「自分でやりたい事が見つかったので、辞めます」と勇気を振り絞って上司に打ち明けた2019年年末。「自分のやりたい事が見つかった」と言ったものの、手をつけてみたらなかなか形にならず、焦っていたのが、2020年5月頃でしたね。

そんな時、憧れの著者、アレックス・バナヤンのメンタリングセッション、(しかも無料!)が開催されることをインスタで知ります。

最初に見つけた時は、「これは新手の詐欺!?」と半信半疑。当時はZOOMでのイベント・プログラムも始まったばかりで、何人まで同時にZOOMに参加できるのかも分からず。初日は、開始30分以上前からZOOMに入って、何とか参加したい一心でドギマギしながら、待っていました。

 そしたら、本当にアレックス本人が登場して、40日間連続のメンターセッションが始まりました。まだ19歳〜25歳位のアメリカの大学生、若手社会人が中心のコミュニティに、30過ぎの日本人がポツンと参加。一緒に参加していた別の日本人女性は、女性で上場企業の社外役員というバリキャリ。臆することもなく、アメリカの若者にどんどん話しかけていく様子に圧倒されながら、影をひそめるように、毎日何とかセッションに顔を出すことを目標に参加し続ける日々。

 「このメンターセッションに参加したら…何者かになれるキッカケが見つかるかもしれない」と藁にもすがる想いで、毎日必死でしたね(苦笑)

 若者の変化・成長の速度は目を見張るものがあり、アレックスがアドバイスした一言をキッカケに1週間でも別人のように変わっていく姿に、益々焦ります。

 セッションの日数を、1週間、2週間と重ねていくと、徐々に発言するメンバーも固まり始めます。アレックスに顔を覚えて貰ったメンバーは、ドンドン発言権が優先的に与えられるようになり、「人の役に立つ質問なんかできない…」と益々発言のハードルを自分の中で勝手に上げていました(汗)

 事前に前日に翌日のテーマが発表されるので、「今日こそは!」と質問したいテーマの日は、ZOOMの「手を挙げる」ボタンを押すタイミングを見計らいながら、手に汗握って、一人ハラハラ。運良く発言権が回ってきてしまうと、もう喉はカラカラに乾いて、心臓はバクバク。

「私、いつからこんなチキンハートキャラになってしまったの!?」とこんなに緊張している自分に自分で驚きます。

 メンターから時々課題が出されるのですが、その課題ごとに、参加する人のグループやバディーをメンターが指定してくれるのですが、

「私はアメリカと日本で時差もあるから、参加したいって言ったら迷惑かな…」なんて考えると、なかなか「参加したい!」とも言えず、メンターセッションに参加している他のメンバーとの距離の縮め方も分からないまま、40日間のメンターセッションは最終日になっていました。

 最終日は、「これまでのメンターセッションの中で一番印象に残ったセッションを一人ずつ、話したいメンバー全員が話す時間にしたい」とアレックスからの強い要望があり、

「せめて感想を伝える事でしか御礼のしようがないから。」と私も勇気を振り絞って発言しようと、心の準備をして臨みました。

 でも、いざ発言しようと思ったら、涙が溢れて来て、泣いてるんだか、言葉を発しているんだか、分からない状況に。焦っても益々涙は溢れるばかり。私にとって、一番心に残ったセッションは、アレックスのお母さんが、アレックスが出版するまでの道のりを、どのように感じていたかという話をしてくれた回でした。

 息子がメンターと海外旅行に行きたいと言った時に、「心配で心配で大反対した。でも、息子は反対しても言ってしまうだろう、とも分かっていた。」とお母さんは話されました。「では、反対しても旅立ってしまう息子に自分ができることは何か?」と自分自身に問うた時、「彼が自分の知らない場所でも安心して寝る宿があることを保証し、確認すること。私も息子と一緒に彼の飛び乗ろうとしている冒険にのるしか選択肢はないのね。」と悟ったそうです。母親として、自分の母親(アレックスの祖母に何と思われるか)も不安だったし、一方で、「息子のやりたいことを応援できない母親であるのも嫌だった。」

 「自分の親と息子に板挟みにされているようで、決断するのは辛かったわぁ。」と。

 私も、母と仲は良いのですが、過干渉気味の母親との向き合い方に悩んでいたし、若い頃にもっと失敗させてくれなかったこと、恨んでいました。母が先回りして失敗しないようにと選択肢を常に用意するのです。極め付けは、31歳にして転職した時のこと。「何で事前に相談しなかったのか。どうして安定した大企業を辞め、訳もわからないスタートアップに行ってしまったのか。」と事後報告した所、えらく怒られました。

 「もう30歳も過ぎてこちらも立派な大人なのだから、自分のこと位、自分で決めるわっ!それにお母さんの人生じゃないし!!」と流石にムカッとしましたね。それ以来、母にはあまり仕事の話はしないのですが…。

 でも、アレックスのお母さんの話を聞いた時に、初めて母の視点からどのように子供の決断が見えているのか、という視点が理解できた気がして、少しだけ母の事が赦せたんです。

 「みんなの前で、言葉にもならない言葉を話しながら涙を流している姿なんて見せられたもんじゃない。あぁ〜恥ずかしい姿をさらしてしまって大失態。。。」。

そう思っていたのに、ZOOMのチャット欄には、「知子、愛を送るわ。」、「知子、何て勇敢なの!」というメッセージがちらほら。

 「一体、何が起きているの!?」。何が何だか、訳がわからないまま、小っ恥ずかしい気持ちと戸惑いの混じった感じでセッション終了。何とその後、個別にFacebookで「感動したわ、ありがとう」、とか「勇気のある発言ね。私もあなたの姿に勇気づけられて、次回メンタリングセッションが続くなら、頑張って発言してみる。」と言ったメッセージまで送られて来るではありませんか!?

 この一件を経て、少しだけ、「私もこの場に居ても良いのかもしれない。」と思えるようにはなったものの、まだまだ人見知りの激しい私は、メンバー達との距離が詰められません。

変化の兆し

 メンタリングセッションは、40日では終わらず、その後もアレックスの知人をゲストに招いたセッションが暫く続きました。そして暫くして、1週間に1回、「今、困っている、悩んでいることについて、アレックスに相談する」という形でのメンターセッションに落ち着くことに。

 アレックスから課題を出されて、やりたいメンバーが自主的に集まって取り組んだり、近況報告をしたり、発言する中心的なメンバーは相変わらずさほど変化はありません。

 ある日、アレックスに出された課題に取り組んだものの、いまいち正しく彼の指示に従って進められているのか分からず、恐るおそる質問することに。アレックスに質問しても、言われたことがすぐには腹落ちせず、「参ったなぁ、、、」と思っていました。2020年10月頃の話です。

 そしたら、メンターセッションが終わった直後、メンバーの一人が、「私で良かったら、手伝うから、Zoomで話してみない?」とメッセージをくれました。暗中模索状態だった私は、「お願い!!」と素直に甘えることに。ヘルプの連絡をくれた女性は、アニカという大学院を卒業して就職したばかりのメンバーでした。アニカと30分ほどZoomで話したのですが、「私もあなたと話せて楽しかったから、良かったらまた来週、進捗を話せない?」と提案してくれました。アニカと個別に話すようになってから、私はようやく、メンターセッションにも、今まで程緊張せずに参加できるようになりました。

 これまで、メンターの話を聞くのに手一杯で、読みきれなかったチャットでも、少しずつコメントを書き込めるようになったりする余裕が生まれ始めました。

 そして、2021年を迎え、年明け3月頃、メンターから再度出された、「自分の不安とデートする」という課題に、メンターや他のメンバーと一緒に、5週間取り組んだことが、私の大きな転機になりました。

初めは、2020年10月に取り組んだ時と変わらず、「やり方が分からない…。他のメンバーのような大きなブレイクスルーがない」、「〇〇で不安となかなか会話が出来ません…!」とメンターに報告。2週目、3週目のデートから、徐々に発見があり、結果を報告したら、メンターがまるで自分のことのように一緒に喜んでくれました。そして、5週目のデートが終わった頃には、メンターが言っていた通り、「不安は、完全にはなくならないけれど、不安とかなり仲良くなりました。」

 「知子、凄いブレイクスルーだ!!僕も本当に誇らしいよ。」とメンターが喜んでくれて。

 そして、2021年5月からは、新しいメンバーを迎えての2年目のメンタリングセッションが始まりました。そして、8月下旬〜9月中旬にかけて、また、「自分の不安とデートする」ワークをメンターから紹介され、今度は3週間連続で、1週間に1度、不安とデートに行くことに。

 「不安とデートに行く」というワークは、自分の不安を言語化し、それにまつわる様々な質問を自分に投げかけ、その答えをノートに書いていくんです。1週間に1時間、まるで恋人とデートするかのように、自分の不安をデートに連れ出します(笑)

 今回も、2021年3月にやった時とは別の気付きが沢山あり、このワークの気付きのシェアになって手を挙げると、最近ではメンターに真っ先に指名されます。何と、今回は、希望するメンバーには、私が個別でこのワークの相談にのる、メンタリングすることに。2人程、実際にメンタリングを提供し、そのうちの1人は、翌週とっても嬉しそうに成果を教えてくれました✨

 「私なんかが参加して良いのだろうか…」と長らく思っていた、メンタリングセッションのコミュニティ。

今では、すっかり私が、英語という言語の壁も気にせず、自分をさらけ出せる居場所になりました。

 「もう君たちに伝えることは話終わっちゃったんだよ〜。」と先週のセッションでメンターから言われ、10月からは、メンターが参加するのは月に1度に変更。有志メンバーでその他の週は、自主運営する形に、メンターセッションのスタイルも変わります。そして、私も、自主運営メンバーの一人として、月に1回位は、週次のチェックインのホストを務めることになりそうです。

 まさか、自分がメンタリングセッションのホストを務める日が来るなんて、2020年の5月には想像も出来ませんでした。

1年半という長い時間をかけて、素敵なメンバーと繋がり、正に「リバウンドの少ない自己変革」の経験を手渡してくれたメンター、そして成長を共に喜び合える仲間には感謝の気持ちで一杯です。

「何者でもない私も、みっともない私も全部受け入れて、見守ってくれてありがとう。」

 そして、今、「人に与えて貰ってばかりで…不甲斐ない」とか、「まだ、何者にもなれていない、、、」と焦っている方が居たら是非伝えたいです。

「何者でも無くても、あなたを受け入れてくれる居場所がきっとあるから、大丈夫。」と。そして、場を最近主宰する機会が増えて思うのですが、「参加してくれる方がいるからこそ、場が開催でき、成り立つんです。」。何より、参加してくれる方が、プラス、マイナス問わず、”反応”してくれることが、主催者にとっては、何よりも有難いこと。

 だから、「良い発言をしなきゃ」とか、「〇〇さんに恩返ししなきゃ」、「いつもお世話になっている〇〇さんの役に立てない私が、この場に居て良いのかな!?」なんて思う必要はありません。

「今は、沢山人に頼って、エネルギーを蓄えたり、成長する時期なんだな」、「その分、成長したら、人に倍返しで返していこう!」位に思っていたら良いのだと思います。

今活躍している〇〇さんにもきっと、「頼ってばかり」、「助けられてばかり」と思っていた時期があるんです。


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伊藤知子|マルチポテンシャライト|事業プロデュース|
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