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樋口円香論研究発表~G.R.A.D編~
※noteの特性上、G.R.A.D.やそれまでに実装されたコミュのネタバレを大量に含んでいます。お気をつけください
※この記事は必ずしもこの解釈が正解だ!とするものではなく、自分なりの解釈を書いたものです。あらかじめご了承下さい。
どうも皆様、このnoteシリーズでは初めましてですね。
私樋口円香論教授のトニーと申します。
今回から私の研究発表をnoteにて公開していきたいと考えています。
よろしくお願いいたします。
樋口円香論とは?
まず、本題に入る前に、そもそも樋口円香論とはなんぞ?というお話をさせていただきます。
アイコンとか他の記事見ればわかる通り、私の担当アイドルは樋口円香さんでございまして、それはもうとんでもない狂い方をしています。
教授が生まれるまでの私のS.T.E.P編がこちら
そんな私が樋口コミュ読んでいて常日頃から思っていることがあります。
それが
「樋口円香コミュ分かり辛すぎじゃないか…?」
と言う事です。
なぜ円香コミュがここまで難解になるのか?
それは彼女のコミュ特性にあります。
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この上記画像のように
円香が本心をほとんど口にしないこと(1枚目)、詩的な表現のせいで、何を伝えたいのかわかり辛い(2枚目)と言う理由でコミュの読み解きが難しくなっているのではないか?というのが私の考えです。
しかし、これらを紐解いていくことで、彼女の思考や人間性を知っていく。このプロセスが読み物として噛み応え抜群でとても好きでして!
この楽しさを是非皆様とも共有したい!樋口円香という人間の魅力を少しでも多くのP様に知っていただきたい!
そんな思いで、「円香のコミュをどういう風に見たらいいのか」を円香のコミュを初めて読んだ人に私なりの解釈で説明する樋口円香論という概念を作り出したわけです。
要するに「円香コミュ見たけど結局あれどういう意味だったんだ…?」とか
「ここの解釈ムズイな…」という人に向けての記事ってことです。
よろしくお願いします。
何で最初の記事がG.R.A.D編?
前置き長くない????
この記事を読んで一番最初に、皆様思ったことでしょう。
なんでGRAD編から始めんの??????
と。 俺もそう思う
実際私もWING編からやるつもりでいました。途中まで記事も書いてましたし。
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ですが書いている途中に、
あまりにも内容薄すぎじゃないのこれ????????
となりまして。
なぜかというとWING編コミュって
以降の樋口円香コミュの伏線をこれでもかと散りばめられているんですよね。
ここまで全部見てきた私としては
このセリフこのコミュ読んでねぇと喋れねぇじゃん!!!!!!
というのが多発しましてほとんど喋ることが無くなってしまったわけです。
そのため、WING編はまた後程語れることが増えてきてから投稿予定です。
今しばらくお待ちを…
本題
お待たせしました。本題です。
まずはG.R.A.Dを読む上で、着目していきたいポイントを2つまとめさせていただきます。
着目ポイント
ポイント1
一つ目は、円香とギン子ちゃんの絡みから見えるパーソナリティーについてです。
※ギン子ちゃんとは?
ギンコ・ビローバ内のコミュ「偽」にて登場する女性モブに私が勝手に名付けた。
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「偽」
コミュ内では樋口がギン子ちゃんを励ましてあげており、ギン子ちゃんを立ち直らせることに成功しています。
この後、なんとG.R.A.D.内に再登場し、しかもかなりがっつり樋口と絡むことになります。
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ここでの樋口とギン子ちゃんの絡み方がかなり円香論では重要だと考えております。
というのも、先ほどお話した通り、樋口円香コミュが難解な理由が円香が本心をほとんど口にしないこと、詩的な表現のせいで、何を伝えたいのかわかり辛いという理由でした。
これは彼女がシャニPも含め、仕事で関係のある人間とのコミュニュケーションが多いことが原因なのです。
円香は公私しっかり分けるタイプなので、彼女の本心の描写が少なくなるのは必然と言えるでしょう。
(ノクチルメンツはこの対象外だが、距離が近すぎて真面目な会話になり辛いため本心が描写されることは少ない)
その点、ギン子ちゃんはかなり特殊な立ち位置のキャラクターです。
円香とは時々チェインを送りあっている程度には仲がいいことが明かされていますが、この
「仕事仲間でたまたま仲良くなった人」ぐらいの絶妙な距離感のキャラが他にいないんです。
この距離感であるが故に、他コミュではあまり見ることができない円香を見ることができ、円香のキャラ性を理解するためにとても重要なのです。
ポイント2
もう一つ重要視していただきたいのが、シャニPと円香の互いの認識の差についてです。
円香とシャニPの絡みはこのG.R.A.D.に至るまででも多く描かれているのですが、G.R.A.D.以前とそれ以降では少し違う点があるんです。
それが、シャニPの独白が明確に増えるという点です。
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だから?と思われるかと思いますが、これが増えることで明確に描写されていたのが、樋口円香から見たシャニPとシャニP自身のセルフイメージ。
シャニPから見た樋口円香と円香自身のセルフイメージの二つの対比です。
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これが描写されることにより、度々お互いの認識のズレが見えてきます。
これが樋口円香を紐解く大きなヒントとなり、その先駆けがG.R.A.D.にて
描写されているため後ほど紹介させていただきます。
円香とギン子ちゃん
というわけでポイント1の円香とギン子ちゃんの絡みから見えるパーソナリティーについてからお話しします。
G.R.A.D.でのこの2人の絡みで重要なのは、やはり円香がギン子ちゃんを庇ったあの事件がキーになるでしょうね。
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円香は共演番組内で、自らを自虐的に売り出すギン子ちゃんを庇うような発言をしてしまいます。なんとかその場は丸く収まったものの、この一件で円香とギン子ちゃんの間に軋轢が生まれてしまう結果となってしまいました。
今回の事件で円香論的に着目すべき点は、
円香はなぜギン子ちゃんを庇ったのかでしょう。
これについては彼女は後のコミュにてこう語っています。
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このシーン、円香にしてはかなりレアなシャニPに対して本心で話すシーンでして、円香論的にはかなり重要な参考資料です。
そして、この発言から円香の考えを紐解くことで、直接的な言及はないものの、この円香の価値観が今回の事件を引き起こしてしまった要因なのだと言う事がわかってきます。
まず注目してほしいのが
「恵まれている」という表現です。
これ文脈を読めばすぐ
「今までそれほどまでに苦労せずに来られて私は恵まれている」
という意味であることを容易に想像できることと思います。
これ、言い換えれば
「普通の人はもっと苦労している」
と円香が考えていることになります。
面白いのが円香はこれを嫌味でなく自虐的に言っているということです。
円香は恵まれている自分に対して軽い
逆にそうでないであろうギン子ちゃんに重いという表現を使っており、軽い自分は駄目だというニュアンスが言葉まわしから見て取れます。
このことをまとめると
円香は
「自身はおそらく恵まれているからこれまでの人生をさほど苦も無く過ごせてきているだけで、本当は周りの人みたいに苦労するべきところで苦労していないだけの卑怯者」という考え方をしているのではないか?と仮説が立てられます。
この仮説が正しいとすれば、彼女がギン子ちゃんを庇った理由も見えてきませんか?
そう、彼女にとってギン子ちゃんは
「するべき苦労をしてきている自分より強い人」
なわけです。
そんなギン子ちゃんが
自分を無能と称し、自爆特攻まがいの売り出し方をしているところを見て、笑えと?
意味が分かりませんよね。だって目の前にいるのは自分よりずっと苦労してきたであろう人なんですから。
「あなたはあなたのままで間違えていない」とも言いたくなるでしょう。
纏めると、
円香は自身を恵まれていたからたまたま努力をしなくて済んだだけで、周りの人がしているような努力をスルーしてきた卑怯者だと考えており、そんな自分がちやほやされて、ギン子ちゃんが評価されない状況をあまりよく思っていなかった。そんな中で彼女が自ら笑われるような自虐的な売り出し方をすることに耐えられなかったため彼女を庇うような発言をしてしまった。
と言う事です。
こう考えると、軽いという発言の意味も分かってきます。
苦労を今までしてこなかった彼女には、苦労してまで叶えたかった夢がないと言う事になるのではないでしょうか?
(夢がないとは言ってないのが彼女のめんどくさいところですね…)
苦労してでも叶えたかった夢がない。というのは、言い換えればそれほど強い想いがないということ。強い想いの無い自分の言葉は実感に基づかない軽い言葉となってしまうわけですね。
この仮説。実に面白いのがぽっと出の概念というわけでもなくWINGの段階で伏線が張られていたんですよね。
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それがこのシーン、これまでもずっと全力を出してきたという彼に対して本当に的外れだという彼女なんですが、
先の考察を踏まえるとマジで的外れだったんだな…と察することができます。雰囲気でしゃべるのはやめてもらえますか?ミスター好青年。
円香とP
さて、それではポイント2のシャニPと円香の互いの認識の差についてお話ししましょう。
今回重要視していきたいのは
シャニPから見た樋口円香についてですね。
このGRAD円香はシャニPが樋口円香を知る話にもなっているのでかなり彼の中の円香像に本編通しての変化が見られます。
これがどのように変化したか、というのが今回円香論では重要です。一緒に紐解いていきましょう。
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シャニPからみた樋口円香が明確に明示されているのはやはりこのシーンでしょう。
彼にとって円香は「様々な才能に恵まれ、聡く物事を見れる子」
であると言う事になりますが、ここで重要なのは
シャニPが円香と自分を比較して円香の方がしっかりしている子であると認識していると言う事なんですよね。
しっかりしている。とは、具体的に言うとしっかりと仕事をこなすことができる。求められていることに応えることができる。という事なのかなと考えています。
だからこそよりしっかりした仕事のできる大人になることで円香から安心して頼ってもらえるようにならなければと感じているわけです。
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これに関してはギンコ・ビローバでも言及がよりました。
「スーツを着ている間だけでもできた人間でありたい」という考えはこういう所から来ていたんだろうなと思います。
ただ、彼の円香へのイメージが変化する出来事が起こるわけです。
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それが、GRADでのギン子ちゃん庇い事件ですね。
この事件後のシャニPは明確な明示はないものの円香へのイメージがかなり変わっていることが描写から伺い知れます。
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かれはこの事件後、円香に何と声をかけるべきかめちゃくちゃに悩んでいます。
それもそのはず。この時のシャニPはプロデューサーとしての自分と自分自身の意見で板挟みになっていたんです。
というのも、上記画像の悩み方からするに何を伝えるべきかわからないというよりも言わなければならないことも言いたいこともあるのだけれどどう伝えるべきかわからないというニュアンスを感じます。
実際彼は彼女に対してはかける言葉をものすごく選ぶ傾向にあります。
ファン感謝祭の「然るに受信」なんかがいい例ですね。
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このように彼女はプロデューサーから送られるものや言葉を必要最低限しか受け取りません。
業務以上のものを受け取ってしまうと何か別の形で返さなければいけなくなるからなるべく受け取りたくないという考えのようで彼女の人間性が垣間見えるシーンですね。
ここで重要なのがシャニPの受け取る理由があったら受け取るのか?という一言。
これ以降はかなり難癖つけてまで彼女に受け取ってもらう理由探しをしている描写があり、アイドルとして頑張る彼女をねぎらいたい思いを感じます。
しかしながら今回のパターンではどうでしょうか?
彼としては、メンタル的に追い込まれた彼女を何とかして励ましてあげたい状況だと思うのです。
ですが、それはアイドルのプロデューサーとしては正しい行為なのか
今回の事件において、仕事の面で見るなら円香は台本無視の勝手な行動してしまっているのです。
プロデューサーとしてはそれを窘めるべきであり、その行動を庇うことはプロデューサーとしてできるはずはない行動なのです。
すなわち彼女を庇いたいと思う彼の想いというのは、あくまでも彼個人の意見でしかなく、気持ちの押し付けになってしまうのです。
彼女はそんな気持ちの押し付けを受け取らない。プロデューサーとしての自分が彼女にかけてあげられる言葉とは何か?
何といえば正しく伝えられるだろうか―――?
そんなことを彼は考えていたのではないかと推測します。
しかし、彼はとある二つの回想の後にある気付きを得ます。
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このシーン、だけど…というのがポイントです
先ほどまで考えていた気持ちの押し付けになってしまうという恐れ
そのためのプロデューサーとしてかけるべき言葉
それらをだけど…と、まるで意味がなかったかのように新たな考えを巡らせていることが分かります。
これが彼女に対しての認識の変化、その兆しなのではないかと考えます。
次は、どんな認識の変化があったか考えていきます。
この2つの回想の後にそうか…と来ている当たり、この2つの回想が心境の変化のキーとなりそうです。
そのことを考えてこの2つの回想を見ると
とある共通点が浮かび上がってくるんです。
それは両者ともに仕事としては間違った行動をとってしまっていると言う事なんです。
上の営業の回想は「無機質な廊下」より円香に持ちかけられたTV出演の依頼を断った際に言われた言葉ですね。
この時シャニPはTV出演を突っぱねましたが、アイドルのプロデューサーとしては売れ込めるチャンスを不意にしてしまったととることもできます。
単純にアイドルを売りこむという点ではこの行動は失敗だったとみることができるのではないでしょうか?
円香の発言は先ほど説明した通りです。ギン子ちゃんを庇った彼女の行動は仕事としてみるなら台本無視の勝手な行動であり、失敗であるということなのです。
これらの行動を振り返り、彼は自らの行動と円香の行動を重ねてみたのではないでしょうか
前述した通り、彼は円香が、自分よりもしっかりと仕事ができる人間だと認識しています。だからこそ今回失敗したという円香に対してすごく驚いていたわけですしね。
だからこそ彼女の仕事より彼女の自身の感情を優先した今回の行動というのが彼のTV出演を蹴った自分と重なり、
「樋口円香は自分が思っているより感情で動く子なのかもしれない」
という発想を得たのではないかと考えます。
(ちなみにここでの気づきが後のある描写につながるのですが…今回とは別の話なので割愛)
纏めると
彼女のことを仕事ができて、他人の求めることをしっかりとこなせる子だと思っていたシャニPだったが、彼女の今回の行動を振り返えり自身が思っているより感情的に動く子で自分と似た考えの子なのではないかということを考え着いた。と言う事になります。
これがもし本当なら、彼女は自らと似た行動をしたにも関わらず、失敗してしまったと深く悔やんでいることになります。
しかし、シャニP自身はそうは思っていない。売れることだけが正解ではない。彼女自身の感情的な行動を否定したくない。
その言葉を送るためには、プロデューサーとして、仕事人として送れる言葉などもはやありません。
彼自身の言葉が届くと信じるしかありませんでした。
もし彼女が自分と似た人間だというのなら、
自身の考えもわかってもらえるのではないか。
そんな自らの中に生じた可能性に彼はかけてみることにしたのです。
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その証明として、彼はバキバキに予防線を貼って会話を始めます。
待ったくの的外れかもしれない。だけれども届くと信じて。
終わりに
いかがでしたでしょうか
私の言ったポイントが抑えられればかなりG.R.A.D.円香のコミュがぐっと理解しやすくなるのではないでしょうか。
私の解釈が絶対の正解というわけではないのですが、私の講義を受けてよりよい円香コミュライフを送る一助になればと思います。
円香論はこれからも続けていく予定ですので、是非今後の投稿をお待ちいただければと思います。