現代音楽集団「mumyo」-euphoria 多幸感から生み出された新しい音楽体験-
日時:2024年9月7日(土) 長久手市文化の家 森のホール
会場:14:30
開演:15:00
終演:17:10
ヴァイオリン:成田達輝
【曲目】
・LOL STREAM(梅本佑利)
・Divinely fuckin Gucci bag(梅本佑利)
・Hyperpopvlar(山根明季子)
・夢の泉(山根明季子)
・Lurrv U(A.パクストン)
・from Heaven_NFT(梅本佑利)
・楽園(山根明季子)
・オキシトシン(B.アイリッシュ)※音源のみ
・煙を燻る者(ソラージュ/成田達輝)
・BREAK-UP MANTRAS(ベン・ノブト/梅本佑利)
・Rest in my friends, McDonald(梅本佑利)
現代音楽集団「mumyo」は、作曲家の梅本佑利さん、山根明季子さん、ヴァイオリン奏者の成田達輝さんの3人によって2022年に結成されました。mumyoの命名は故・坂本龍一さんによる命名です。
まずは、11作品演奏された成田達輝さんに感謝を。ノンストップで1時間30分で全作品を演奏されるのは尋常ではありません。7月21日にセントラル愛知交響楽団のWコンチェルトの公演も鑑賞させて頂きましたが、古典音楽から現代曲まで幅広く演奏される成田さんはまさしく鬼神と感じた次第。
演奏中は、客席の照明は全て落とし、成田さんのみ照明が当てられていました。会場と同時に入館しましたが、11作品のプログラムノートを頭に叩き込む能力がない(そもそも夜勤明けで頭がフラフラの状態←こんな状態で行くなよ)ので、今回は個々の作品云々を考えずに、その場に流れる音楽を鑑賞するという方向で楽しませて頂きました。
鑑賞中に考えていたことは、「現代音楽」とは何なのか?ということが支配していました。
昨年11月に、NHK-FMの番組「今日は一日NHK Classic 三昧」で作曲家の吉松隆先生がゲストに招かれ『日本の現代音楽が盛り上がっていた時代である60年代~70年代から50年ほど経過するが、進化しているか?と聞かれるとあまり変わっていないような気がする』と話されていたことを記憶しています。
また、2022年に放送されたNHKの番組である「新・日本のピアノ」でも、故・西村朗さんが『現代音楽の流れは70年代で止まるんですよ。当時20代前半でしたが、現代音楽の今あるべき考えや状況の中の波に巻き込まれた』とお話されていました。
12音技法、クラスター、特殊奏法、偶然性の音楽、図形楽譜、ポーランド学派、スペクトル学派・・様々な書法が生まれ、今現在でも現代音楽として認知されているのではないかと考えています。
しかし、これらの書法で書かれた作品がはたして「現代音楽」なのか?
未聴感や誰もやったことがないことを創作するのが「現代音楽」ではないのか・・と頭の中に渦巻いていました。
本公演は現代音楽の最先端の一角を担う作品と演奏だったと感じております。本当に刺激的でした。
演奏終了後、小室敬幸さんとmumyoの方でトークがありました。
梅本佑利さんの作品は何作品かネットで拝聴させて頂いていますが、どのような考えと思いがあって作品を創られているのか知れたのは貴重でした。
(ヴァイオリンの作品は書きすぎて、飽きたと仰っていましたが・・(笑))
Rest in my friends, McDonaldについて、お話された時、あぁ~やっぱりそうですよね、と一人でニヤニヤしてしていました(←変態)
私にとって、現代音楽は「新しい世界(音楽)に出会える作品」と思っています。今年は本公演までに40公演足を運んできましたが、最も衝撃を受けた公演でした。これが多幸感なのかな?