光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部 第47回定期演奏会
日時:2024年3月24日(日) 名古屋国際会議場センチュリーホール
会場:17:15
開演:18:00
終演:20:25
・演奏:光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部
・指揮:日野謙太郎* 髙木啓輝**
・客演指揮:仲田守
【プレコンサート】
・星の船(西邑由記子)*
【第1部】
・雲を越えて、空の彼方へ!(R.ソーシード)*
・吹奏楽のための第一組曲(G.ホルスト)**
第1楽章「シャコンヌ」
第2楽章「間奏曲」
第3楽章「行進曲」
・付喪神(J.マッキー)*
・シンフォニア【抜粋】(周天)*
~客演指揮 仲田守~
・むやみに熱く!(R.W.スミス)日本初演
・レッド・ケープ・タンゴ(M.ドアティ)
—休憩15分—
【第2部】
・光ブラスオリジナル メドレー(???/???)**
・パート・オブ・ユア・ワールド(A.メンケン/西野淳)** 委嘱編曲
・ロック・トラップ(W.J.シンスタイン)**
・ガブリエルのオーボエ(E.モリコーネ)**
・ブラックライト音楽劇「サーカスの一日」**
第1楽章「ファンファーレ」
第2楽章「全員の入場」
第3楽章「アクロバットと空中曲芸師」
第4楽章「道化師」
第5楽章「人間大砲」
第6楽章「動物たち」
第7楽章「フィナーレ」
音楽:J.カーナウ
脚本:光ヶ丘女子高等学校
・合唱曲「あとひとつ」(ファンキーモンキーベイビーズ/郷間幹男)**
・サウンド・オブ・ミュージックより(R.ロジャーズ/長生淳)*
第1部
第3部
~アンコール~
・???(???)
一日に2公演をハシゴするのは半年ぶりですが、移動時間を考えていなかった為、16時に開演した名古屋フィルの公演を途中で切り上げてセンチュリーホールに足を運びました。開演前は、プロオケの公演を途中で切り上げるのは勿体なかったかなぁ・・と考えていましたが、本公演を拝聴し終えたときその気持ちは払拭されました。
第1部はMCなしという、クラシカルなステージを創り上げて下さいました。プレコンサートで、西邑さんの「星の船」を演奏して下さいました。選曲がいいですね。
幕開けはソーシードの作品。石川県吹奏楽連盟の委嘱作品でJWEC2013で石川県中学校選抜吹奏楽団×田中一宏による演奏で録音もされました。
その時の演奏はこちら
年明けに悲しい災害がありましたが、その気持ちを背負った伸びやかで瑞々しい演奏でした。被災者の方にも思いが届いていると嬉しく思います。
続いて、ホルストの第一組曲。多少傷はあったものの、往年の名作に相応しい佇まいをした演奏だったかなと感じております。ただ、この作品を拝聴すればするほど、作品を仕上げるのが困難であると考えている。
続いて、マッキーの最新作。2月10日にシエナ・ウインド・オーケストラの委嘱作品で世界初演(指揮:出口大地)。その時の公演はこちら
世界初演して1ヶ月ほどで御楽団が再演という運びとなり、あくなき探究心には毎回頭が下がります。作品名はマッキーの奥様であるアビー氏からのアイデアだそうです。2楽章形式で8分強の作品。管打楽器のトーン・クラスターの響きが何とも心地よい。トロンボーンが執拗に演奏するグリッサンドは幽霊を彷彿とさせる遊び心満点な1楽章。マッキーの作品を聴き込んできたわけではないが、(今のところ)氏の作品では本作が一番好きかな。もう一度拝聴してみたい。
周天のシンフォニアは抜粋ではありましたが、素晴らしい演奏でした。全曲日本初演も御楽団がされており、CD化されています。販売はこちら
続いて、客演指揮である仲田守さんの演奏。卓越したバトンテクニックで音楽を導かれていきました。日本初演である、R.W.スミスの作品は2022年に完成されたスミスの最晩年の作品であると考えられる。私の中でスミスと言えば、特殊な打楽器を使う印象があったが、本作はシンプルに出来ているなと感じた次第。ジャズ要素全開です。
第一部最後はドアティの作品。元々は、メトロポリス・シンフォニーの第5楽章の作品で、吹奏楽に異稿された作品。打楽器の配置が面白く、雛壇最上段中央にティンパニを配置し下手側に3名、上手側に2名、バンドを囲むように打楽器が配置されます。仲田守さんのTwitterで画像をご覧いただけます。楽器配置から分かるように、立体的な音楽でした。途中、ホルン奏者2名の内、1名がステージ袖で演奏し呼応するようにもう1名のホルン奏者が奏でる箇所は生演奏でしか味わえないサウンドです。足を運んで本当に良かった。
第二部はメドレーで幕開け。YOASOBIのアイドルが演奏されているのは分かりましたが、後は分からず・・出直してまいります。
続いて委嘱編曲となる、西野淳さんが編曲されたメンケンの作品を。西野さんと御楽団の親交は深く、顧問の日野謙太郎さんは西野さんに指揮法を師事されており、過去の公演でも西野さんにミュージカルなどの編曲を依頼されております。委嘱編曲ということでしたので、もっと宣伝して下さっても良かったのではないかと思います。素敵な演奏でした。西野さんは吹奏楽オリジナル作品も書かれており、「シンフォニック・バンドの為の「ストレンジ・ドリーム」」という7分ほどの作品があります。楽譜は絶版ではありますが、御楽団なら再演できると思いますので再演して頂きたいですね。
シンスタインの作品はボディーパーカッションの作品。お客様と一緒に演奏できるように工夫されておりました。
ブラックライト劇を鑑賞するのは人生初。音楽はカーナウの作品。恥ずかしながら存じ上げておりませんでした。音楽と脚本が合致した仕上がりとなっており、素晴らしかったです。
最後に長生淳さんが編曲されたサウンド・オブ・ミュージックを抜粋で演奏。第3部は電子オルガンを入れて、楽譜を忠実に演奏するという姿勢は良いなと思います。
帰宅の都合上、アンコールは拝聴できませんでした・・。
日本初演から委嘱編曲、世界初演から1ヶ月で再演とボリューム満点な公演でした。コンクールという枠から外れた公演を創って頂けたことは、吹奏楽を”鑑賞”するお客様も喜んで頂けたのではないかと思います。御楽団のあくなき探究心は、これからも継続して頂けたらと切に願っております。
~蛇足:光ヶ丘女子に再演&初演して頂きたい作品~
・親和性によるグラディエイション第1番(大胡恵)【未出版】
・シンフォニック・バンドの為の「ストレンジ・ドリーム」(西野淳)
・カンビュセスセレクト・・・・・♪(白藤淳一)【ティーダ出版】
・南への旅Op.82(近藤浩平)【未出版・初演団体を募集中】
・子供のための小組曲(藤田玄播)【ウインドギャラリー】
・吹奏楽のための「トルソⅠ」(名取吾郎)【ウインドギャラリー】
・半覚醒まつり・免疫系小銀河(阿部亮太郎)【未出版】
・鳥たちの時代(吉松隆/遠藤正樹)【未出版・遠藤さんのHPで取り扱い】
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