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釣行記-137【スローなエギにしてくれ】

どうもどうも。最近は二日おきに釣りしてます。そして今回はティップランです。

ティップラン、つまりイカ釣りですね。これは去年2回、今年1回やってます。ところが、ここまでは生憎オレのデリケートかつガラス細工のマリオネットのように壊れやすくも繊細な「ティップ」はまだ「ラン」してません。

出来れば、一刻も早くビンビンに、ドクンドクンと「ラン」したいものです。

そして今回の目的地はこちら。

えびそばが名物らしいです。「らしい」とか言いつつ行ったことあるんだけどね。そんでふつーでしたけどもね!!

今回、1030に出て余裕かと思ってましたが到着するとまぁまぁの待ちが。。。諸事情を勘案すると間に合わなくなるので観念して断念。残念。コンビニでドーナツ買うて船に向かいます。

こちら、車停めてすぐに船なのがよいですね。

イカとわたし

冒頭でお伝えしました通り、かつてティップランは3回やったことがあります。この釣り、釣りウマな友人たちのうちの一部のクレイジーな向きが熱狂的にハマってるので何かある釣りなんでしょうね。

しかしながら、これまで個人的には「えー、イカかぁ。。」と言った感じで、楽しい釣りもの、という認識ではありませんでした。理由として、釣ったことがない、それのみです。

そうしたわけで、ティップランに誘われても、別段やる気も起きず、ボートを借りてなんとなく釣りに行く際「イカもやろうぜ」と言われて、向かう道中でエギを買う、そして使わない、というのが何回かあり、去年こそ「ちゃんとやろうか」と少しやる気になりそこそこ道具を揃えた気がしました。

ところが、そうした気まぐれな、お天気次第で変わる心もちで揃えた道具、よくよく見るとティップラン用のエギではなかったりなレベル感です。つまり全て散財なわけです。

そして過去の実績は以下です。

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1回目-出船したものの、荒天のため一流しで終了。アタリ?らしきものはありました。
2回目-完封。チカメキントキが釣れました。ただし、ジギングです。
3回目-専用竿を用意するものの、専用竿でマダコ2杯。負け試合よりも酷い。
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こんな感じなんすわ。1、2回目は論外ですね。時間も短かかったし。が、一番ひどいのは前回かも。ジャークの仕方、テンションの張り方を学びはしたのですが、釣れたのはタコ。まさかのマダコ。ティップランは未ださっぱりわかりません。

今回について

今回、まぁいつも通りなんとなく、何ですが、行ってみると偶然、釣り仲間夫婦もおります。途中のセブン・イレブンで気付きました。そして連れの親友含め4人で並んで釣り開始です。平均年齢は45歳くらい。中年なのに仲良しっていいですよね。出航し程なく開始です。

そして二流しめかな、釣り仲間な奥様にヒット!アンドキャッチ。やるなぁ。すげえなぁ。わし釣ったことないんやで。どうやってんだろ??

というわけで、虫眼鏡で発火させるために、光を黒い紙に集中させるかのごとく、穴が開くんじゃないか?といったていでガン見します。

すると彼女、なんということでしょう、前回習ったような、「シパッ!シパッ!シパッ!!」あるいは「ピッピッピッ」といったようなシャープアンドクイックなワンピッチハイスピードジャークではなく、「グイーッン、グイーッ、グイーッンンン」っとスローめなジャークを展開されてます。それで釣れるんだ。。。なるほど。。。なら試してみましょうか。

なぜ試してみようかと考えたのはですね、まずぼくがクイックなジャークをイマイチ上手くできない、というのが大きな要因です。自分、不器用なんでね。口下手だしね。

まぁそれはいいとして、冷静に考えるわけです。なぜイカが釣れるのか?を。なんで?

そのための材料集め、証拠集めとして、クイックジャークを水面付近でやってみました。船べりから覗き込んでクイックに動かしてエギの動きを観察します。するとエギはそんなに動いてないんですよね。むしろ大きめにジャークした方が綺麗にダートしております。なら、こっちの方がよくね?

結局のところ、なんでイカが釣れるの?というとエギの動きが大事なんじゃないですかね?なぜ人はジャークするのか?それはエギのダート幅やリフト・フォールの高低を調整することの方が主であり、主のために従たるジャークがあるはずです。

つまり、縦方向の動きで釣れるのであればハイピッチ、横方向のダートで釣るのであればボヨンボヨンジャークが良さげな感じ。

早漏

ハイピッチはこんな感じでは?リアクションで食わせるイメージ。

一方、早漏が居れば遅漏も居る、はず。

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結局、群れがいれば、個体によってはアタックしてくるだろうから何でもいい気もします。知らんけどね。

で、今回、既に遅漏狩りが効果的そうなので、ダート幅は大きめで、縦方向の動きは少なめが良さそう。ボヨンボヨンジャークでゆっくり見せてゆっくり抱かせる感じでしょうか。これは日によって変わるでしょうから、大学生見たいな早漏をキャッチしたいのか、なかなかちょっかいかけてこない老成し3周くらいしちゃったおっさんを仕留めたいのかでやり方は変えてもいいんじゃないですかね。

そうしたわけで、クイックなジャークと同じ効果を出せるんであれば、ジャークのスタイルはどうでもよくはないか?と思料したわけであります。なので、ポヨォンポヨヨォーンポヨヨヨオォーン、とエギを動かしてみました。

現代最高の作家の一人として、ミランクンデラ氏の名前が上がるのは不自然ではないと思います。クンデラの代表作の一つに「不滅」があります。その中で、主人公はプールで泳ぐ老婆を見て、その仕草に永遠の少女性を見出すばかりか、あろうこことかその仕草に「アニエス」と名前を付けます。なぜ急にそんな話をするかというと、「このおっさん、ぼんやりしてたんだろうな」と感じたためで、そのおっさんと同じくらいにジャーク後にぼんやりしたんですね。アニエスぅ。

するとヒット。なぜぼんやりしたのかはわからないんですが何かがヒット。しかし、ヒットしたその何か、いやにキビキビ引くもので、「これはイカじゃなくて魚、それもサバとかそういった類のもの?」そう思いきやアオリイカ。無事キャッチです。

やったな、やった。やった。。。やっちまった。。。

やっと釣れたああああ!!!!!釣ったぞおおおおお!!!!!!

1年。これをお読みの皆様、1年かけて何かを成し遂げたことってありますか?1年なんの音沙汰もないのに何かをやり続けた経験ってございますでしょうか?僕はあります。それがティップ・ラン!

そして、1年という長き時間をかけて醸成された喜びが溢れ迸るのかどうか、もし釣れたとしたらどうなるのかを考えていました。喜びが富士山噴火の際のマグマのような圧倒的なパワーに押されて、止めどなく理性に抗いながら、いや、理性のタガが強ければ強い分だけそのタガを外すのにはパワーが必要なわけで、その喜びは鋼のように強靭な知性と、とうふのように脆いメンタルで複雑玄妙に構成される我が理性をぶちのめし、竜巻や台風のようなパワーで、己の常識や人生の歩みと共にはめられそして締め込まれたタガを外し、歓喜の絶叫と共に千葉県の海上に溢れ出るかとも思ったのですが、そこで出た一言は「あ、釣れた。」。

今回、なにぶんフォールでのヒットでしたし、シャープなジャークでもなかったし、微細なアタリをものにしたわけでもなく、いわゆる「ティップラン」として認識していた釣り方ではないため釈然としません。釣れた。釣ったじゃないよ、釣れただよ。そりゃあティップはもしかしたらランしてたかもしれませんよ。見てなかったけど。

でもね、我が心にみっちりと根を張り、愛情や好奇心あるいは高鳴る胸の鼓動といったような光を求めて伸び縮みするティップは微動だにせず、じっとしたままですよ。うんともすんともいいません。

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そんなもやもやした気持ちにイカも気づいて怒ってたのでしょうか。「せっかく釣れてやったのになんだ、その態度は(イカり)」と。

そしてイカはイカりの煙幕を張りつつ、びゅんびゅん墨を吐くので隣の友人に類が及びます。釣れてないのにスミぶっかけられるってなかなかキツい。

そんな中、再開すると再びフォールでヒット。どうなってるんだ?これは。。。これまで聞いてたメソッドと違うぞな。。。まぁ、これはドラグだけチリチリならしてのらなかったのですが、本当にどうなってるんだ。。。

ここまでで、少々、混乱してますが、とりあえず釣れてるメソッドが正解に近いだろうから同じ手法で継続します。ポヨォン・ポヨヨォーン・ポヨヨヨヨォォォーンなリズム感、スロージギング同様、ティップ付近でルアーを飛ばすようにして、なるべくエギが上下左右ともに機動的かつ縦横無尽に三次元的に動き回るイメージでジャークとリーリングを繰り返すスローエギングの爆誕です。

ジャーク名は動きが少ないため、ポリネシアンジャークと日本有数のベンチャー投資家により命名されました。そして、これがよかったのでしょうかね、アタリはこの後も何回かあり、エギを停めた瞬間に再びヒット。なるほどねー。また釣っちゃった。

ここまででわかったのは
・エギが止まる/動く、その瞬間にヒットが出やすい
・フォールでもヒットする

この二つ。

ただ、フォールでの狙いはあまりに無作為なきらいがあるので、フォール戦術はとりあえず回避、ダート幅の調整、ポリネシアン度合いに意識を集中します。

そしてこれ、自分的に革命的というか、意識の変化が身体の動きを調整するのに役立つ新たな発見でした。

前回はいかにワンピッチでのジャークを適切にこなすかに意識を集中させていたせいか、クレ556不足に悩むポンコツロボットみたいなギクシャクしたジャークしかできませんでした。あるいは餅つきの際に、笑えないくらいに次から次へと返し手の手を粉々にする下手くそな突き手、みたいな感じ。

ところが、エギを動かす方面に意識を向けるとあら不思議、ジャークのリズムもとりやすくなりました。ぼくみたいに不器用な人はエギをどう動かすか教えてもらった方がやりやすいのかもですね。ていうか、最初に聴いてた気もするんですけどね!!

人によっては「ジャークが上手くないと釣れない」みたいな人や、釣れたとしてもジャークの良し悪しを云々する人もいるかと思います。でもそれって陸上競技で言うと走るフォームみたいなもんじゃないです?綺麗なフォームでドンケツと、デタラメな走りだけどウサインボルトをぶっちぎれるのはどちらが良きことでしょう?釣るためにジャークがあるんじゃないですか?つまりプロセスですね、ジャークは。

往々にして、こうした手段は目的になっちゃうことがあります。しつこいですが、例えば、戦略は万全、ロジも確保、完璧なオペレーション、でも売上ゼロ、みたいな事業を、ていうかそれ事業?って感じですが、そうした学芸会みたいな飯事してる人たちって、己の戦略の美しさや合理性を長時間に渡って議論したりしますよね。でもね、そこにね、マーケットあるんですか?。

これと一緒で、ジャークの良し悪しとか、ルアーをどう動かすかよりも、どうやったら釣れるの?が大事なんじゃないでしょうかね、多分。まぁ、上手くエギを動かせて釣っている人は、自然とジャークも上手くなるのでしょうけどねー。

まぁ、他人様のことはさておき、そんなコペルニクス的意識改革を経て、ロッドの振り幅やハンドルのピッチの刻み方といったジャーク方面ではなく、ダート方面の演出をどうするかに意識を集中するのを継続します。

この後、以前教えられたとおりに、ジャーク後は、グリップを握り込まず手のひらの中で浮かせるくらいに持ちつつテンションを張っていると、昼寝の際に感じる、頬をそっと、優しく撫でていく春風のそよぎくらいに微細かつもっそりした違和感、地下鉄の連結部分を通過する際に、向こうから来た人とのすれ違い様に臀部に感じた違和感のような何かを感じたため、あわせるとヒット!

感じました。たぶんあれです、Zガンダムの14話「アムロ再び」でシャアとアムロが交信したような、オカルティックな「何か」を感じたのです。これはわかったんじゃないですかね。ティップランを理解したんじゃないですか?

わかりやすく言うとイカみたいな感じです。

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「うぉぉぉ!!」(ジャークするぞぉ!!)

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「何をする気だ、アムロ??」(ダートするの?)

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「下がってろシャア!!」(フォールするよ)

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「うぉぉぉぉぉ!!!」(ステイ)

で、この結末はこんな感じです。

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特攻したアムロをシャアは無事にキャッチ。よかったね。

そして本論のティップランでも、アウドムラという名のエギを特攻させて、イカをキャッチです。

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結果、3杯。9人乗船で、皆さん苦戦する中よう釣れたな、と。まぐれ万歳。

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ほか、良かった要因としては、25gのエギに25gの仮面シンカーな構成のフォールスピードが良かったのかな、と。なんにしろ釣れたのでよかったです。

まとめ

・専用竿じゃなくてもよいような。。。
・来週くらいに再戦して同じように釣れたら掴める感じがします。どうしようかな。。。



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