釣行記064【聖なるお尻】
どうもこんにちわ。釣行記の064回目でございます。今回は野尻湖です。
バサー、という狂信徒にとっての聖地、異論もあるでしょうが、メジャーフィールドとして、キリスト教の山に例えながら挙げると以下のような感じですかね。
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琵琶湖(滋賀):日本の総本山。バチカン
池原ダム(奈良):アレクサンドリア
河口湖(山梨):エルサレム
霞ヶ浦(茨城):コンスタンティノープル
八郎潟(秋田):アンティオキア
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多分、多分ね。あくまでも多分。
一方、異教徒というか分派、ローマンカトリックな琵琶湖を総本山とする宗派とは少々異なる趣きを持つ派閥もあります。スモールマウスバスの一派です。となると、上記の池原ダムは少々整合性がおかしくなりますが、まぁ気になさらず。
そしてスモールの聖地が、福島県の桧原湖と長野県の野尻湖です。この二つ、20年くらい前までは唯一というか唯二のスモールマウスバスが居る湖でした。今では多摩川でもどこにでもいますけれど。。。さしずめ、野尻湖はオリジンである、ということでアトス山みたいな感じでしょうかね。そうしたわけで向かいます、野尻湖にね。
DAY1:移動編
佐久ICで降りて、後輩宅のベースキャンプに向かいますが。。。
お腹減ったので
貴族のようなカレーを食べます。フライがカリッカリでまじうめえ。
値段は貴族。
到着し、積まれた薪をなんとかして
組んで焚き火をして、「火力強いよ」と後輩の長女に窘められつつ
ほしのや軽井沢の銭湯に入り
寝ます。なぜかエアベッド持参。「ベッドが必要なら組み立てればありますよ(日本語訳:いつかやらないといけないのだけど、せっかくなので代わりにやってくださいヨ、ぱいせ〜ん)」と言われましたが、面倒なので直置き。眠りが浅くなる頃には空気が抜けていました。
DAY2:実釣・前場
きました、野尻湖、ナウマン象。詳しくは以下をどうぞ。
今回、お世話になるガイドさんはこちら。
お世話になります。到着&合流&荷物運搬をします。たばこ吸いながらやってましたら
「たばこなんですが、その電子タバコ、それ吸ってると釣れないですよ。いままで来られたお客さんで統計とってみたのですが、電子タバコの方はほんとに釣れないです」
とピシャリ。何が悪いのかわかりませんけれど、手を洗って、その後はしばらく禁煙です。
で、手を洗って禁煙したのがよかったのでしょうかね、
思っていたよりは大変でしたがキャッチ。お疲れ様でした。半笑いですね。この後、携帯を見たら、前日にポジってた銘柄が起動。7500円くらいでバラして喜んでましたら、その後7800円まで急騰してました。お疲れ様です。
話は前後するのですが、すごく綺麗なところです、野尻湖。標高は657m、大きさは河口湖と同じくらいらしいです。
最低気温は12℃という怪情報もありましたが、快晴、気温も上昇。最高の天気です。
湖畔のマイ桟橋付きの別荘。最高じゃないですか、こんなの。
出船し、まずはレクチャーを受けます。冒頭のたばこの話もそうなのですが、この釣り、結構というか相当変わってます。まず、タックルが変。
今回のガイドさんの場合、ウルトラライトのソリッドティップロッド(当然オリジナル)にアルテグラの1000、ラインはナイロン2lb、これにオリジナルのジグヘッド、場合よってはラバージグをセットし、ワームで釣ります。しかも、5-8mくらいのボトムで、と。
ロッドですが、ギリギリまで減量したボクサーのように、出走直前のサラブレッドのように一切の無駄がない感じです。何かのきっかけですぐ折れてしまうけれど、その分、どんな些細な異常も検知するタイプ。ダメな要素を全て排除した結果、異教中の異教になってしまったような、そんな釣法かと思います。
キャストし、糸ふけが出るか出ないかくらいのテンションでボトムを取り、その後は多分時速10mくらいのスピードで、動いているのかいないのか、それは誰にもわからない、見てて横断歩道を渡りきれるか心配になる年寄りの歩行速度、くらいの速さでルアーを動かすという、なんていうか、修行?訓練?
そう、修行だよね、これは、釣りというよりも自分以外の生き物や自然と調和しつつ、命のやり取りをする。そういう釣り。なので、予習するのであれば、漫画で予習するのであれば、釣りキチ三平とかボーイズビーみたいな釣り漫画よりはバガボンドとかはじめの一歩とかが向いてると思います。
そしてルアーを回収したら糸よれをとって再度キャスト、と。糸よれの発生は予測できるものの、ラインがあれなのでそこまで丁寧にやらないと、いつトラブルが発生するかわからない釣り、です。
この釣りのタックルやケアに関して、これまでやったことのある釣りの中ではGTに一番近い気はします。あっちは頑丈さが極まった形で、こちらは繊細さが極まった形。尖り切ってる点では似てます。そして感じるのは、ここまで教えてもらい、か・な・りサイコだな、ということです。こんだけこだわってやって釣れる魚が肉眼では見えない種、とかだと少々納得感ありますが、まぁまぁデカいスモールというのがなんとも釈然としない気持ちもします。
話を戻します。最初のポイント、ボトムのウィードがもさもさしていて、シンカーとワームが近いとすぐに藻のエジキになってしまいます。釣れたので移動します。
次のポイント、しばらくやりましたがノーバイト。ガイドさんによると、もしかしたらジグのラバー部分がわるいのかも、と。ノーマルのジグヘッドに変え、少しポイントを変えて再開します。ルアーは変わらず。
ガイドさんオリジナル。イモを太くして足をつけた感じ。びっくりするくらいよく泳ぎます。
そしてキャッチ。oasisのTシャツがよかったんでしょうね、きっと。改めて釣り方を記述してみます。
1)キャストし、ルアーが着水したら、まずティップを水面につけ、ラインを水になじませます。次にロッドを持っていない方の手でラインを出し、ラインに余計なテンションが乗らないように極力、垂直にフォールさせます。ラインが動かなくなったら、多分そこがボトム。底はボトム。これはいいライム。ついリリック奏でてまうわ。
2)そしてアクション開始です。ほっとけが一番いい気もしますが、自害直前の三島由紀夫のように直立不動のままロッドを持ってバイトを待つ、というのはなんともしんどいので、ぼくは10-15秒くらいで一回転するようなリトリープでやってました。つまり時速でいうと180-270メートルくらいです。遅っ!!なめくじとか、そのくらいの速さを想像してみてください。実際にやられる方は「いま自分はなめくじになっている」とイメージするとやりやすいと思います。オレはなめくじだぁぁぁっ、とね。キモっ。
3)そうして動かしていると、運が良ければもぞもぞした違和感が発生します。そしていつバイトが発生したのかわからないまま、気がつけばロッドに重みが乗り始めます。この時点でゴツゴツしたあたりは少なく、じわっと引かれる感じです。そうしたらラインを送り出ながらゆらゆら泳がせて、走り始めたらようやくフッキングです。このタイミングが悪いとすっぽ抜けます。なので僕は強めのスウィープがいいと感じました。少食のデブ、みたいに矛盾を孕んでおりますけれど。
4)フッキング後のやりとりは基本、ドラグでやります。ロッドティップは魚の方に向け丁寧にやりとりします。ハードなファイトをすると抜けます。大抵、飲ませて、喉の皮にフッキングしているためです。通常のバスフィッシングのように口とか閂にフッキングさせるタイプではないためです。魚影が見えたら、そこから数回は最後の抵抗を見せ突っ込みますので、いなして試合終了、言い換えれば優勝、です。おめでとうございます。
そして思いました。3)はマゴチやヒラメのエサ釣りです。4)はタイラバです。両方ともまぁまぁ得意な釣りなのでぼくはなじむのが早かった、気がします。
同行者の後輩もキャッチし、ここで前場引けです。
DAY2:実釣・後場
休憩し、カレーを食べます。ガイドさんが「ここ、カレーうまいですよ、インドカレーがいいです」と勧めてくださったので素直にインドエビカレーにしました。あれ?エビって・・・?
まぁいいです。食べて、喫煙し、手を洗い、船に戻ります。下船前に「カラスが荒らしにくるので荷物の管理はしっかりしてくださいね」と3回くらい口を酸っぱくして言われました。戻ってみるとカフェラテが襲われてました。まじか。。。片付けて、船縁をふと見ると「禁煙」の文字。まさか。。。
気を取り直して後場スタートです。二回目のエビカレーを食べてる間、ずっと考えてました。通常、釣りをしにくると、なんらかの目的を持ちます。まずは一匹、とか、このくらいのサイズを、とか。今回、それらの目的が全く明確になっておりません。釣ったから、というのもあるのかもですが、50cm以上を狙うとか、あと何匹釣る、とかそういう意欲が全く湧いてきません。なので、後場の目標は、今回用に仕立てた道具を使い切る、に設定することにしました。
まずは桟橋を撃ってみます。特に異常はありませんでした。前場最終ポイントに再度インします。
釣れます。入魂完了。
タックルはこんな感じ。
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ロッド:メガバス トライザF0-68XSTZ
リール:シマノ ヴァンキッシュC2000
ライン:シーガー PEX4-0.3号、フロロリーダー4lb
リグ:1/16バレットシンカーキャロ
ワーム:ゲーリー 2inchグラブウォーターメロン
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初キャロだったのでよくわからないままやってまして、途中、寝落ちしそうになったらバイト発生。このバイトは明確でした。あとはバラさないようにやりとりして優勝です。
キャロのリーダーですが、1.2mほどとりました。このくらいの長さになると、キャストにコツがいりますね。ぼくはいつもサビキで練習してるので大丈夫でしたけれど、みなさんどうされてるのでしょうかね。
この釣り、重複しますがドラグがキーファクターです。なので、このロッドがよかったかどうかは今後の課題というか、調査対象となりました。今回の魚、40cmないくらいのサイズでしたので、ロッドのパワーとしては全く問題がないように感じました。ぜんぜんしならなかったし。ツナ、GTなんかはヘビーじゃないと話にならない気がしますが、淡水の魚であれば、特に釣り慣れた魚種であれば、このタックルだけで釣ることは可能に感じました。まぁあたりまえか。。。ていうかアジングロッドがいいのかな。。。
この後、前場でやったウィードもさもさゾーンに戻り、ベイトタックルでフリリグをやったりしてタイムアップ、納竿と相成りました。お疲れ様でした。
まとめ
・野尻湖は距離的に日帰りでも大丈夫です、じぶんは
・スモールはベイト依存なようです。ストラクチャーの考え方として、ラージは身を隠して獲物を待つ場所、スモールはベイトを追い込んで仕留める場所、らしいです。つまり、エビ横で座って待っているのがラージ、コリドー街で路上で声をかけて店に引き込むのがスモールです
・スモールを釣る際、ベイトを探すのがまず必要になるかと。探し方はワカサギの有名なポイントに行けばカタそうに思えます
・釣り方は時期によって変わるみたいです。夏は虫で、みたいな。が、何れにしても大変スローな釣りかと思います。関東近郊でプラグで釣っている人は神なのではないでしょうか
・スモール、真っ黒だったり、トラみたいな縞があったり、金色無地だったり、個体差が大きいと感じていて、その原因を知りたいと思っていました。が、しかし、カメレオンみたいに気分で色と模様を変えるそうです。かっこよすぎ。生まれ変わったら野尻湖か桧原湖のスモールになりたい
・あと、長野、ガソリン高いです。レギュラー138円、ハイオク149円。価格カルテルがあるかのようにどこもこの値段でした。車で行く方、できる限り満タンでどうぞ