見出し画像

釣行記-145【再会】

最近「釣り行きましょう」と言われても「えー(めんどうだなぁ)」と思うことが増えてきています。とっても性格が悪いと思うのですが、興味が湧かない人や、興味が湧かない釣りに誘われても面倒だな。。。と、感じています。

そんなことを考えていたら入電。

「釣り行きませんか?4日か11日」

と。。。

「えー。何釣りたいの?」
「カワハギ、タコ・イカ、青物あたり」
「えー(カワハギ以外興味ねーな。。。この人ティップランできないだろうしなぁ、じゃあどうしようかな、タイラバは教えてあげたな、たしか)じゃあアマダイはどう?」
「いいですね」
「じゃあそれで」

というわけでアマダイです。「タイラバでも釣れる(かもしれないけど多分ムリだ)よ」と伝えたので、ルアーでやってみます。当人もそのつもりだったろうし。

そんなアマダイのタイラバ、丹後とか錦江湾ではフツーに釣れるらしいのですが、相模湾では困難な印象。たまに釣れる、らしい。

また、そもそものタイラバなんですが、マダイしか釣れない海域で家から近いところ、東京湾だと撃ちまくられていてなかなかしんどいのです。Mr.タイラバこと中井一誠さんデコらせる魔の海、つまり魔海です。

思い切って海域を変えれば変化もあるのかもしれません。相模湾でタイラバはちゃんとやり切ったことすらないですので、いいんじゃないですか。

ところがそうでもないのかもしれない歴史もあります。去年、そう考えて、タイラバっぽい釣りもできる布良の松栄丸さんに行ってみましたところ、東京湾とあまり変わらずでした。

いやいや、今年は何かが変わるはず。布良が悪かったきっと。そうした願いを込めて葉山のたいぞうまるさんからgoです。

準備編

そうは言ってもアマダイってあれっすよ、餌じゃないですか、基本。ルアーでも釣れるらしいですが餌ですよね。そんでもルアーでやりますけど。昨年の松栄丸同様、餌船(松栄丸はてんや)に潜り込む作戦です。

予約する際、「ルアーやっていい?」と聞いたら「いいんじゃなーい、船長に聞いてみてー」てなことなので、船長に聞いたら「まぁいいんじゃなーい」とのこと。

餌重りは60-80号(225-300g)とのことなので、ジグなりタイラバなら150-200gくらいですかな。まつらないの優先、エサの邪魔をしない釣り方で、まぁそんなの知りませんけれど、やってみようかと。

ですので、いつも通り#0と#4で#0はタイラバ、#4はジグでやってみましょうかね。

実釣編

到着。釣り座が胴の間に指定されていたので準備をしていると、若者に話しかけられます。聞けば船長らしいです。

「あれ?お客さんルアー」
「そっすよ。予約の時もいいましたよ」
「あれー?そうなんですね。とりあえずみよし行ってもらっていいですか」

なんかアレですがまぁいいっす。そんでスタートです。

スタートの水深は40m。シロアマ狙いのようです。ところが我が竿先にあるジグはこんな感じ。

大至急チェンジです。

届いたばかりのこちら。早速使えるとは。

ジグで寄せてカブラで仕留めるパターンですが、これってジグはなんでもいいですよね。

なんでもいいみたいです。船中、1発目がエソ、というと不吉なのでなかったことにされて1発目はシロアマダイです。おめでとうございます。

。。。

以前、体重が100kgを肥えた後輩に「でぶはなんででぶなのかわかりますか?」と詰問されました。ぼくの答えを待たずに彼は「いつもなにかくってるからでぶはでぶなんですよ」と教えてくれました。

最近、釣りに行くたびに1,000円くらいお菓子を買っています。250円くらいのチョコレート的なのを二つ、菓子パンを三つ四つ、その他目についた何かをいくつかという浪費パターンです。もちろん、この日もそんな感じで、おやつを食べる合間に釣りをする。

これ、考えてみるとおまけ付きのお菓子に似てますね。キャラメルとかビックリマンチョコのパターンです。主従が極めて曖昧模糊としております。楽しくおやつを食べるために釣りしてるんでしょうかね。

こうした事例はくらしの至る所にありますね。ラーメンを美味しくするための薬味なはずのニンニクが、いつのまにか主になっている二郎とか、いつのまにか愛に変わっていた恋とかもそうじゃないでしょうか。

翻って、釣りで考えますと、釣るために道具があるはずなのに道具を使いたいがために釣りに行くってのも同様でしょうか。最初のエソもコジローを使いたいがために得られた結果な気がします。

こうなってくると、いよいよ己の愚行を整理しづらくなって来ます。

上記、二軸の主従を見るに、お菓子>釣り、釣り道具>釣りでしょ?この関係、「右翼は暴力団に弱い。暴力団は警察に弱い。警察は右翼に弱い。この三つをうまく使って物事を収めろ」武井会長の言葉が頭を過ります。釣り、釣り道具、お菓子。。。

まあね、こんなことばっかり考えてるからなのか、さっぱり釣れんのですよ。エソ以降、ここまでのバイトは一回のみ。それですら本当にバイトだったのか怪しいもんです。

40m前後のシロアマポイントから始まり、徐々に深くなり、終には100mまで水深は深くなりますが、釣れなさ具合も混迷を極め、打ち手の迷走加減も深くなっていきます。

開始後、流しごとにタイラバ⇄ジグでやっておりました。水深の変化によってジグを固定できず、100m付近で200gに固定されるあたりまで、付かず離れずの友達以上恋人未満みたいなグダグダ感が続いていたのです。
が、安定してきてようやく200gで固定。使ったのはなんだっけかな、太閤→フレック→スパイファイブ→太閤→スパイコブラみたいな感じだったのかな、全力で空振り続きですけどね。

が、しかし、そんな膠着状態をやっと打破する時がきました。

カイワリです。大根との関係は、調布と田園調布くらいの関係性のようです。知らんけど。
途中「フッ」と軽くなりバレたかと思いましたが一安心。

やっと釣れたわ。ブレード食っただけだと思うけども。

てことはですよ、多分ですが以下のような状況な予感。
・タイラバはダメ。潮弱過ぎ
・ジグの色はたぶんなんでもいい
・フォールでの反応は薄い
・あげの反応も薄い
つまり何もわからない、ということです。それにそもそもアマダイじゃねーしな!!

こうまで釣れないと考えてしまいます。「これは徒労ではないのか?」と。

まず、敵を知りましょう。知ってることは以下です。
・タイラバで釣れる
・ジグでも釣れる
・ルアーの方が大型が釣れる
・主食はゴカイなどの多毛類や甲殻類
ん?ゴカイと甲殻類?ジグはおおむね小魚イミテートやぞ。。釣れんのかい?

まぁ、わかったのは「釣れない」という状況だけ。こういう時はメトロノームがコチコチ針を振るように、スプリンクラーがカタカタ水を撒くように、一定のリズムでやり続けるのがベターかと思い、太閤200を2.5m上げて落とす作戦のみに絞ります。これって、投石漁法のような至極単純なメソッドなのですが、ユル潮のクセして派手過ぎるのは嫌われる場合にそこそこワークするのですよね。

と、少しやると、着底からの反転タイミングで「ごいんっ」とヒット。乗りました。予測的中です。

「いやー、ルアー厳しいっすよ(日本語訳1.うち、エサなんでやめといてもらえます?日本語訳2.釣れねーよばーか)」

3回くらい言われてた気がするのですが、2回続けてかけると船長も流石に看過できないようで見学しにきます。

が、あと40mくらいで「コツンっ」という衝撃とともにフックアウト。。。ヒカリを見てびっくりし暴れた影響なんでしょうか。2回くらい魚をかけるとマッハでナマクラになるうん○こみたいなフックを使っていたせいなのでしょうか。それともその両方でしょうか。

ていうかそんなの使うなよ、って話なんですけどね。。。しかし、途中で暴れてフックアウトって、それはきっとアマダ。。。いや、言うまい。

これは、出来ればなかったこと、にしてもらいたい気持ちと共にフックをこっそり変えて続けますと、そこそこもっそりした違和感というか、すれ違いざまに臀部を摩っていく昭和オジサン的雰囲気を感じたので、「ッシャァーッ、ゴラァ!!」と先程の怒りをぶつけてフッキングをキメたります。

が、これまた途中で死んだような挙動。なんなんだろう。。。

おや。。マハティールさんじゃないですか。ご無沙汰してまーす。って、ちっさすぎじゃろ、これは。

ちびっこですから、船長と相談し、逃してあげることにしましてエア抜きを施して貰います。そして放流。

が、しかし、やる気はありそうなのですが、どうもまだ抜け切っていない、出し切っていない、やり切っていない、残尿感的な何かをお感じになったのでしょうか、潜ろうとしては浮かんでこられます。再度引き上げ、完膚なきまで空気をヌイてしまい、あらためて放流を試みると今度はやる気を失ったのかぷかぷかしております。

やぁ、困ったな。仕方ないので隣の方のバケツに仮住まいをしてもらい経過観察に入りました。

しばらくして聞いてみると
「生きてるし、触ると元気なんだけどね。。。」
とのこと。

これって不貞腐れてるやつ?多分マハティールさんからすると
「え?小さい?ふむ。わかってるかどうか知りませんが、小さいのは今だけですよ。すぐ大きくなります。エア抜きすら満足に出来ない庶民のくせにわたしを誰だと思ってるんですか?」
といった感じですかね?それとも所謂「賢者タイム」?

いいから早く帰れよ、とも思いますが、終わったらさっさと帰ろうとする既婚者の遊び人よりは可愛げがあると言うかなんというか。。。

とりあえずマハティールさんには、テキトーに時間潰して機嫌を直してもらうことを期待しつつ続けます。

もうね。。。

と、言ったところで納竿でした。お疲れ様でした。

聞いたところによるとマハティールさんは機嫌をなおしておかえりになられたようでした。

まとめ

・むずいね、アマダイ
・同じ船で今回と同じことを不動心とともにやり続ければそのうち釣れる気はする
・が、あれだ、ジグは時期による。というのが、スポーニング。アカは6-10月、シロとキは12-5月らしい。スポーニングの時期にネストを撃てば威嚇行動で釣れる可能性がある、と思う、気がする
・なので、ルアーでアマダイをやる場合、アカなら9.10月、12-2月がよさげ。9.10はジグで、12-2はタイラバというかテキサスで。シロとキは時期は悪くないんだろうけど、もう少し先の方がジグはやりやすい気がする。2月に再チャレンジですかね。。。
・つかったもの

・帰りがけ、連れが「ラーメンでも食べますか?」と。こっちはたらふくお菓子食べてるので、正直「いや、結構」と即答しそうですが、まぁそうもいかないですよね。そんなわけで寄り道です。

これかなぁ。

驚き1.激シブな店内。

驚き2.配膳は客だと思った壁際の男性が担当

驚き3.今年食べた料理のうちで一番塩辛かったです。これを書いている今もなお、釣りきれなかった釣行や、承伏せざるを得ない別れの際に感じる「渇き」が喉に居残っています。
・なんともしょうがない気もするんですがね。。。

帰れないんですよ。どうやっても。リリースジグなんかを使えばいいんでしょうかね。自分もやりがちなんですが、あらためて心が痛みますね
・釣り人は何も感じないんですかね?これ。上記で武井会長の言を引きましたが、一般人からするとやくざに「良い」も「悪い」も無いんですよね。同様に、やらない人からすれば、釣り人に「良い」も「悪い」もない。一括りにされちゃうんですよね
・所詮、釣りは釣りでしかなくて、釣り人も釣り人でしかなく、やらない人との間には越え難い壁があるわけです
・結果、「遊んで殺す残酷さ」とか悪い部分に焦点を当てられがちですな
・こうした、仕方ないとはいえ雑な対応、因果応報かもしれないわけですよ。他人のことなんでどうでもいい、とか、所詮魚だから、とか、虚無的というか刹那的というか、そういう考えもあると思います。でもそういう考えのもとにゴミを放置したりしてるから釣り禁の場所って増えてません?ぼくはおかっぱあんまりやらんので、別にいい、っちゃーいいんですけども
・ただ、ゴミはちょっと。。自宅でゴミ放置します?床にゴミ落ちてたらゴミ箱に捨てません?
・まぁ、そもそも因果なんぞぼく自身気にしておりませんけどね。今は今。先は先。記憶の連続性はあるものの、個別事象です
・とはいえ、やっぱかたちは違いこそすれ、全ての物事・命とは、きっとなんらかの形で再会すると思うんですよね。きっと会える
・なので自身が好きなもの、心から大切に思うことや大切な人に対してはあらためて居住まいをただそうと思いましたよ。いつかまた会えるもの
・あの時とはちがう魚だけど、マハタを釣ってみてそう思いました

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?