根に持つことで花が咲く
いじられキャラがおいしい世界に飛び込んだが、義務教育時代のいじられキャラはほぼイジメみたいなもんやった。
中学の英語の授業の時に、後ろの席の子から消しカスとかゴミとかシャー芯とか投げられてて、当時勉強が大好きやったあーしは(誇張表現)、ストレスがすごかった。
JRの遅延くらいストレスやった。
しかしながらそんなことをされてしょんぼりする人柄ではない。いじめっ子よ、人を選べ。
そう思いながら授業中に立ち上がって、
「せんせー後ろの人から物投げられます」
って言った。
そしたら後ろのいじめっ子が
「消しカス払ったら飛んだだけです」
って言った。無茶な言い訳。おととい来やがれ。
そう思ってたのに英語の先生は、いじめっ子の主張を採用してそのまま授業を続けた。
その一件があってから、義務教育で英語の授業を受けた記憶がない。
そこからひねくれ出した。
野太い根を持つと、大いに栄養を吸収して、花が咲く。
でっかいでっかい一輪の花が咲いた。
大人が助けてくれると思ったら大間違い、自分で生きていかなあかんのやって腹括った。
味噌汁とかだし巻き卵とかめっちゃ練習したし、カッターで鉛筆削る練習もした。無駄に夜中に素振りとかしてた。
そのせいで全くと言っていいほど英語ができない。
高校の受験科目に英語があったから独自に勉強したけど、I my meみたいなやつさえも分からんかった。
その中で気味が悪い単語がある。
それが、ティッシュ。tissue。
チシュエやん。
学びの成果から自分なりのティッシュを発表すると、「tish」でいいはず。
あと、シャツ。shirt。
シートやん。どこにシャの要素あるん?
自分なりに書いたらshatwoかな、ツへのこだわりをもってこのスペルにしたけど、シャットウォーとも読めるから検討中。
そして月日が経ち、15歳。
心も体も成長した時に気づいた。
これ義務教育受けてても英語できひんかったんちゃん?
むしろ勉強に勉強を重ねた上でできひんかったら心が壊れてしまう。やってないからって言い訳ができることに感謝の心さえ抱いた。
15歳。
いじめっ子だった少年も女にモテる努力を始め、
いじめられっ子だったあーしはひねくれ散らした。
なぜかなぜだか15の冬に、いじめっ子少年に告白された。
おもっこフッたった。
これでチャラになったと思ったけど、全然重みが釣り合ってない。
得たものは美味しいだし巻きの作り方、
失ったものは英語力と素直な心。
24歳。
英語より日本語の方ができない。
ただのアホやった。
いじめっ子少年は東京でお店してるから、心穏やかにするために今度行こうと思う。
まっすぐにひねくれて、根を持ち、花を咲かせた。
水やりはもちろん欠かさない。