見出し画像

急落相場の戻り値をドル円相場で確認してみる

昔から経験則などから「半値戻し、半値押し」などの格言がありますが、どの程度、確実性があるのかを過去5年分のUSD/JPYの日足データから検証してみました。

今回は日足データを使うのですが、一般にデータとしては日付、始値、高値、安値、終値など順番のデータから構成されています。

相場の急落と言っても日足データを使うので一日単位での急落になってしまいますが「安値 - 始値」がデータ上、例えば「1円」以上、下がれば急落と定義して、その後の戻り値を「終値」や「高値」で確認してみます。

手順としては
①同日に於いて、始値と安値の差が大きい場合、「急落」とする
②その日の終値と安値の差を短期的な「戻り」値とする
③翌日の「高値」を長期的な「戻り」とする

ここでの急落は「1.5円以上」で戻り値は
「安値 - 始値」の何パーセント戻ったかで評価してみます。例としては2円下がってその日の終値が1円戻った場合は50%戻ったと表現できます。

戻り値の分類は良く使われる66%、50%、33%を使用してみます。同日と翌日で評価しています。

急落後の戻り値

5年分のデータとして約1300日(営業日)のうち、この急落条件に当てはまるに日数が36日ありました。

グラフでは左に行くほど戻り値が大きくなります。その日のうちでは33%未満が一番多く、余り戻り値が大きいとは言えませんが、1日後の高値を見ると確実に66%以上が一番大きくなっています。

勿論、同日でも高値を見れば戻り値がもう少し左に偏るかもしれませんが、高値が安値の前なのか、後ろなのかが日足データからはわからなので今回は終値を利用しました。

もう少し理解しやすいように、急落した場合の全体日数を100%として、何パーセントが高い戻り値になるかを見てみましょう(ただし、戻り値の%と日数の%を混同しないように)。

「%」表示に変更

縦軸が日数表示からパーセント表示に変わっただけなので形自体は特に変わりません。

次に分類を%以上に変更してみます。つまり、50%以上は66%以上と50~65%の和となる表現で分類してみると

分類の変更

これから表していることは、急落した底値後に33%未満でロングした場合、1日後は90%近くの確率で戻り値は33%を超えると言うことがわかりました。33%を超えるという意味は利益的にはプラスになると言うことです。

この方法だと底値を確認してから相場に参加できるので意外と安心感があります。リーマンショックのように社会が激変した場合は上手くいかないかもしれませんが、経済指数の発表だけで市場が大きく変動した場合は、時間が経てば元に戻りやすいと言うことを表してるのかもしれません。

急落条件を変えて変化を見てみましょう

急落条件 1円

急落条件が1円の場合、日数は89日

急落条件 2円

急落条件が2円の場合、日数は16日

急落条件を変えても傾向は同じだと言うことがわかります。次に急落条件は1.5円とし、1~4日後までの変化を見てみましょう。

1日後
2日後
3日後
4日後

傾向は変わりませんが、若干ですが33%未満の割合が日数が経つほど増えてきます。これは急落するとある程度のスピードで戻るけどその後はまた、アップダウンをしている可能性がありそうです。


最後まで読んでいただいて有難うございます。 コメントは今後の参考に、フォローやサポートは今後の励みになります。