ふるさと納税の寄付上限を超えても全額自己負担になるわけではない
ふるさと納税の上限を正確に計算するには、現実的には年末ぎりぎりにならないと不可能です。何故かというと課税所得金額がほぼ確定するのは年末だからです。
もし、残業なし、ベースアップなし、或いは年金のみでも医療費などの控除額が変わってくることがあるからです。
なので、普通を余裕をもった寄付上限を想定して「ふるさと納税」を使うことになります。
ふるさと納税を申し込むための、あるサイトなどを見ると
「控除の限度額を超えた場合、超過分が還付・控除されることはありませんのでご注意ください。例えば控除の限度額が3万円の方が5万円のふるさと納税を行った場合、2万円(自己負担2,000円部分を含む)が自己負担金となるイメージです。」
これだけ読むと全額、自己負担が増えてしまうように読めます。これが本当なら大変です。
しかし、ふるさと納税以外にも「寄付金控除」と呼ばれる所得控除が認められています。なのでふるさと納税の上限を超えるとこちらの控除が発動されます。
超えた場合でも「ふるさと納税」の申請手続きは変わりませんが、超えた分は自動的に寄付金控除に振り分けられます。
ただし、ワンストップ特例制度を利用していると所得税控除が使えないので超えそうだと不安に思うときは確定申告を利用したふるさと納税申告をしてください。
では、実際に自己負担を計算してみましょう。式自体は簡単で上限額を超えた金額を「X」とすると確定申告の場合の自己負担金額「Y」は
Y=X・(1ー所得税率・1.021ー住民税)
=X・(1ー所得税率・1.021ー0.1)
但し、「1.021」は復興特別所得税のための係数
ワンストップの場合は所得税控除が無くなってしまうので、例えばX=1000円とすると以下のようになります。
Xが1万円になれば単純に10倍増えるだけです。しかし、ふるさと納税の場合は返礼品と言う形で金額補償される部分があります。返礼品の上限を最大の3割とすれば
Y=X・(1ー所得税率・1.021ー住民税ー0.3)
つまり、ふるさと納税の上限をオーバーしても上限によって金額は変わりますが、100%自己負担が増えるわけではありません。
次に返礼品がある前提で損をしない限界の損益分岐点を考えてみましょう。要は返礼品の合計金額「Z」が自己負担金額「Y」と同額になる金額です。返礼品率を「R」、上限金額を「B」とすると上限を超えた金額が「X」なので
Y=X・(1ー所得税率・1.021ー住民税ーR)
Z=(B+X)・R
損益分岐点はY=Zの時なので、
X・(1ー所得税率・1.021ー住民税ーR)=(B+X)・R
⇒ X=B・R/(1ー所得税率・1.021ー住民税ー2R)
住民税を「0.1」とすれば
X=B・R/(0.9ー所得税率・1.021ー2R)
R=0.2,0.3でグラフ化してみると
3割の返礼品としても街の安売り価格から見ると高くなる場合があるので、実質2割程度とみてみましょう。損益分岐点的にみると、ふるさと納税の上限金額を20~30%程度超えても絶対損はしないことがわかります。つまり日常的に消費する品物は返礼品で貰って損はないと言うことです。
つまり、年収がそれ程変動しない場合は前年の源泉徴収を基に大体の上限金額でふるさと納税を楽しめると言うことがわかります。
損益分岐点に使った式が正確なのかどうかわかりませんが、この式を使うと所得税率が高い場合に成り立たない場合が出てきますが、悪しからず~