LTspiceでデジタル・アナログ混在回路設計を体験(デジタルPLL編)
SPICE系のアナログ回路シミュレータでデジタル回路も実用的に動作させることが可能です。デジタル系ができればデジタル・アナログ混在回路のシミュレーションもできます。
LTspiceでデジタル系を扱う方法は2通りあります。一つは74HCシリーズなどの汎用ロジックICのライブラリを使う方法と、もう一つはLTspiceに内蔵されている専用ロジックの基本素子を使う方法です。
ここでは簡単に使える内蔵されているロジック素子を使ってデジタルPLL回路をデジタル・アナログ混在のCMOS回路として設計してみます。
アナログ回路はMOSトランジスタレベルで設計もできますが、今回はアナログ回路が主目的ではないので簡単に確認するためにアナログデバイス社製のCMOS製ICを使いたいと思います。
ここからは、LTspiceの基本的な使い方は理解していることを前提で説明を行います。最後にLTspiceの回路図(デジタルPLLとコスタスループ)を2個、ファイルとして添付してあります。
■LTspiceのデジタル回路素子について
サポートされているデジタル素子は実際の回路ではなく専用のモデルとして供給されています。基本的な使い方は一般のゲート回路と同じですが、シミュレーションは過渡解析(トランジェント)で行うので初期設定が必要になる場合があります。
内蔵デジタル素子の種類
回路図にデジタルシンボルを挿入してみましょう。デジタル素子のシンボルは部品のアイコンから[Digital]を選択すると
16種類の基本的なデジタル素子があります。例えばANDは5入力構成で出力は正負論理の2出力で負論理を使えばNAND素子になります。
専用Counterの使い方
LTspice XVII版のBehavior Modelで供給されているカウンター素子ですが、バーションによってはシンボル及び動作が異なります。
パラメータはSpiceLineに「Cycles=5」のように数値を設定します。当たり前ですが、Cyclesが偶数の場合のみデューティ比が50%のきれいな波形になります。
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