通貨ペアの相関を時間変数として評価してみる
外貨取引(FX)の口座を持っている会社のホームページに良く、通貨ペアの組合せの相関係数が載っています。相場や取引の傾向を予想するときに参考になると思います。
しかし、この相関係数は長期なのか短期なのかによっても傾向が違ってきますが、無料で自分好みにカスタマイズできる自由度のある相関ツールが余りありません。
載っていないならエクセルを使って作ってみましょう。相関係数は以前、記事にしたように簡単にCORREL関数を使って計算できます。
日足データを使って、計算する区間を25日分、50日分、75日分、100日分と変化させて相関係数がどう変化するか見てみましょう。
基準通貨はUSD/JPYとして、比較対象通貨はとしては
EUR/JPY
GBP/JPY
AUD/JPY
ZAR/JPY
CHF/JPY
実際の計算はエクセルのマクロで自動計算しています。
傾向としては長期になるほど相関関係は安定してきますが短期だとその時の諸事情、例えば為替介入、中央銀行の金利などに影響されるため相関係数が暴れる傾向がわかります。
ここでは日足データですがシートを分けてデータを時間足などに変更しながら相関計算をすればいろいろな状態の通過ペアの相関が表現できそうです。
スワップなど長期目的の取引では有効そうですが、現在の相場は1年も経てば変化してしまうので使い方が難しい気がします。円ベースを基準にすると通貨ペアの相関関係は余り意味がないのかもしれません。
次に円ベース(EUR、AUD)とドルベース(EUR、GBP、AUD)の相関係数を比較しながら見てみると
円ベースとはドルベースでは明らかに逆の強い相関があることがわかります。つまり円ベースとドルベースの通貨取引は補間関係にあることがこのグラフから理解できます。
これが意味することは円資産が増えるときはドル資産が減るということなのでなかなか悩ましい関係ですね。