京都〜日光570キロを9日間で走った話(その9)
え!? わざわざここまで来てもらえるんですか?
昨日、和田峠を越えて笠取峠の前の道を走っていた時、不意に埼玉の友人から電話が掛かってきました。聞くと、明日群馬の安中市まで応援ランをしてくれる、とのこと。
なんと!
今回の道中、「私はなんで新幹線で京都まで行ったのにわざわざ走って戻っているんだ」などと疑問を抱く一瞬も無くはありませんでしたが、こうした心強い応援が来てくれるとなるとあのつらい中山道の山道を越えてきた甲斐があったというものでしょう。
この日、軽井沢の宿を朝6時に出発。人気のない早朝の碓氷峠のトレイルを慎重に降りていきます。京都御所から自らの足でたどり着いて踏む関東の大地は、いかに感動的なものでしょう。長い山道を一時間かけて下りるとそこは名実ともに東の国。車道のアスファルトに足を踏み入れます。
「暑い!」
暑いです。
あの岐阜での豪雨の寒さがまるで遠い昔のように思い出されます。まだ5月も始まってばかりだというのにこんなに暑くて良いのか。日本は2050年にカーボンニュートラルを実現するなどと政治家たちは吹聴しているが、そんな生易しい目標でこの地球を救えるとでも思っているのか!
などとやり場の無い怒りを上州の大地に発散しながら、安中市でわざわざ埼玉から来てくれた友人と合流し、今日の目的地の境宿へと向かいました。
高崎へ向かう途中、4車線でひっきりなしに車が行き交う信号も横断歩道も無い道を渡らされたり(どうやら主催者側のコース設定ミスだったと後で判明)大都市高崎で何か久々の豪華な昼飯を食おう!と思ったのに休日で軒並み店が開いておらず結局ローソンでコンビニ弁当を地べたに座って食べたりなどの苦難もありましたが、無事友人の並走もあって順調に進んで行きます。
そして倉賀野の先、中山道と日光例幣使街道の分岐地点で友人とは別れ、一人で今日の目的地へと向かいます。今日は東武線境宿駅がゴールで、そこから電車で伊勢崎のビジネスホテルに向かう計画。人気のない夜の道を淡々と進み、ようやく境宿に近づきました。
さて、どこかいつものようにコンビニに寄って今日の夕食を調達してからホテルに向かおうと思って歩いていた私の前方に、何やら懐かしいネオンが見えます。
あれは、まさか。。。
ガストだ!!
岐阜県各務原市で王将に入店して以来、ようやく一日の目的地に燦然と現れたファミリーレストラン。「ファミレスか、、、何もかも皆懐かしい」遠くイスカンダルへの旅を終え地球に帰還した沖田艦長のように、私は感動のあまりその場に立ち尽くしたことは言うまでもありません。柔らかいソファーで座ってゆっくり取る夕食、人間の食事とは本来こうでなくてはならないはずだ!と、ガスト特製唐揚げ定食を食しながら私は人類の生き様について思いを馳せておりました。それにしてもなんと美味い、なんと美味い唐揚げ定食なのでしょう。体にエネルギーが満ち溢れていくのがわかります。ああ、生きてて良かった!
本日の結論 ファミレスは人類の至宝
(その10へ続く)