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京都〜日光570キロを9日間で走った話(その3)

「ではみなさん、用意はいいですか?
スタート!」

という主催者の方の合図を元に、約40人の参加者が京都御所から日光に向けて一斉に走り始めました。

ちなみにスタート前の説明会で主催者からは

  • スタートしてからは各自ゴールに向かうこと。

  • 主催者側はスタート時に立ち会う以外は、サポートは一切しないこと。

  • 全ての宿場町がチェックポイントになっているため、到着したらスマホから専用のフォームで報告すること。ゴールも同様。

といった説明がありました。完全に参加者の主体性に任せている大会ですが、参加費が6200円ということを考えると妥当でありましょう。

最近の大会のキロ当たりの参加費。東京レガシーマラソンは985円/kmに対して、本大会はわずか10.9円/kmとなっており、もはや同じ縮尺では表示できない。

なお、参考までに私の持ち物を下記に記します。

着替え(Tシャツ、インナー付きボトムス、五本指靴下、アームカバー、ゲイター)のセット。着ている分をあわせて2日分。
レインウェア上下
サンバイザー、サングラス
携帯用ヘッドライト
モバイルバッテリー、充電用アダプタ、ケーブル
地図

これらを15リットルのザックに詰め込み、着替えは随時洗濯して交代で着用する前提です。
ちなみに私は比較的標準的な装備だったのですが、中には荷物はほとんど持たず、ホテルも取らず野宿で全て遠そうとしている人(モバイルバッテリーだけは沢山持っている)、逆に荷物を持ちすぎて全く走れず、ずっとゴールまで歩きで(やはり野宿で)通そうとしている方、荷物は予め宿泊先の宿に送っておいて、宿で着替えて自宅に送り返すという作戦を立てている方など、様々でした。

スタート直後の写真、中にはゴールまで仮装で通した人も。


その日はかなり暑かったこと、また初日は抑えて走ることと決めていたこともあり、とにかくスローペースを心がけて進みました。琵琶湖の沿岸の街道をひたすら東へ。東へ。なぜか不用意に蓋が開けられている道路の側溝に落ちないように、慎重に進みました。
で、日がとっぷり暮れてあたりが暗くなり、これは気をつけないと転ぶな〜と思っていた矢先、私は空中を舞いました。

!?

次の瞬間、私は道端の側溝に見事に落下していました。そう、側溝の蓋がきちんと固定されておらず、そこに足を載せた瞬間に崩れ落ちるような仕掛けになっていたとはつゆ知らず。

膝や大腿部を打撲したものの、しばらくして痛みも消えたのでそのまま進みましたが、運が悪ければ初日でリタイアという羽目になる所でした。ほうほうの体で今日の目的地である彦根のホテルに到着。ホテルの目の前に燦然と輝く松屋と吉野家の看板を見てコンビニで買ってきた夕食を後悔しつつ、まずは今日来たウェアの洗濯、スマホとヘッドライトの充電、風呂、コンビニ弁当での夕食、とルーチンをこなして、ようやく初日の眠りに着きました。
しかしこんな出来事は、全体からみればほんの小手調べのようなものでした。

(その4へ続く)


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