紙さま!
きのう古本屋で買った文庫本から「ニャア」と鳴き声がした。
たしかに、紙と紙の間にはあらゆるわくわくが挟まっている気がする。ノートだとか本だとかコピー用紙のかたまり、それぞれの隙間に。
ページを捲るたび、時には星々が煌めき、カラフルな未知がその片鱗を魅せ、触れたことのないおまじないや祈りの言葉がそこに息づいているような。
え?でも、こんなところから猫??
今度は文庫の隙間から白いふわふわとしたしっぽがのぞいている。ゆったりと、左右に振れるしっぽ。
やがてするりと、黄色い目の白猫が飛び出してきた。
はじめまして、ようこそいらっしゃい。紙さまがもたらした、白くてふわふわなわくわくの塊よ!
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