[スッキリPTA]論点・視点のすりかえに注意
2020年4月27日(火)の日本テレビ系列「スッキリ」でPTAの話題が取り上げられました。
25日のスッキリ公式Twitterで「PTA役員決め」についてのコメントを「#スッキリPTA」のハッシュタグとともに募集して2日ほどでの放送で、なかなかのスピード感で見逃した方もいらっしゃったかと思います。
大塚玲子さんも登場して、PTAの問題がこういう全国区のテレビ番組で取り上げられたことはよかったと思います。
ただ「役員決め」に焦点を絞っていたため、問題の本質があいまいになっていたかなとも思いますが、これをとっかかりとしてドンドンとりあげてほしいものですね。
でもなんかモヤモヤ
でも放送中・放送後のTwitterでの「#スッキリPTA」のコメントを見ていると、どうもスッキリしない。
「くじ引きで知らないうちに役員あてられた。」
「みんなの前で免除の儀式をさせられた」
などのコメントとともに
「役員やって楽しかったんだから、PTAの悪口ばかり言っている人も役員やればわかる」
「PTAの文句が大きくとりあげられているけれど、いいところももっとあるでしょう」
「文句ばっかり言って、自分はやらずにただのりしているのが信じられない」
など。(大意をとって表現は変えています)
どちらの言っていることも感情的に分かるんだよね。。。
ちょっとグチっぽくなるかもしれないですが、自分の頭の中を整理する意味でまとめてみたいと思います。(長くなったらすみません。)
論点を整理しましょう
まず、大前提として自分の子どもが通っている学校が悪くなってほしいと思っている保護者なんていないはず。(いないと信じたい)
それをどういう形で実現するか。
もちろん昔に作られた「PTA」という集まりを通じて、子どもの通う学校環境を良くしていくというのが、一番わかりやすい。
もちろんT会員(先生方)にとっても子どもの環境が良くなるということは、子どもの指導をしやすくなるということだから、先生方の職場環境が良くなることにもつながっている(はず)。
だからこそ、「P(保護者)とT(先生方)がA(一緒に活動)する」んだと思っています。
論点・視点のすりかえに注意
さて、こういう話をしているときに気を付けないといけないのが、わざとかわざとじゃないかは分からないけれど、よく「論点・視点のすりかえ」が行われること。
(行政の回答なんかは、わざと「論点・視点のすりかえ」をやってごまかすのが常套手段ですが…)
たとえば、
「入会の意思を確認されることなく自動的に入会させられた」
という訴えに対し、
「参加したら、楽しいこともいっぱいあるから、参加すればいいじゃない?」
っていうのはずれてますよね?
またもっとよく使われる回答パターンとして、
「子どものためだから、参加すればいいじゃない?」
→さらに発展して
「子どものことを大事に思ってないの?」
このへんはすべて「論点・視点のすりかえ」です。
問題の論点は「入会が強制的(自動的)」であることであって、
そもそも「PTAの活動が楽しくない」「子どものためにならない」「子どもを大事に思っていない」という話をしていません。
何かPTAに異議を唱える人がいた時に、すぐにこの手の反論をする人は「すりかえ仮面」です。(スベった。。。。)
役員決めでも「すりかえ仮面」
役員決めの問題でも同じくすりかえが行われます。
「くじ引きで役員を決めて、役員・委員があたった」
「入学と同時に役が決められていた」
「免除の儀式をさせられた」
「卒業までにポイント・ノルマを果たさなければならない」
という訴えに対し、
「そうやって決めなければ、役員が決まらない」
「役員・委員を決めなかったら、やることができない」
など。
これは一瞬、納得させられそうになるかもしれません。
ただ、よく考えれば「役員・委員を決められないこと」と「役員・委員がいなくてPTAの仕事が回らない」ことは別の次元の話です。
「役員・委員がいなくて仕事が回らない」ことに対して、「役員・委員をとにかく無理やり決める」ことで、問題と向き合うことを避けています。
「役員・委員がいなくて仕事が回らない」なら、「役員・委員がいなくても回る仕事だけをする」という解決策もあります。
そんなこと言うと、「子どものための仕事をなんで削るの?」と言われそうですが、うちの学校の前の教頭先生に
「学校運営上、PTAが必ず請け負わなければいけない仕事ってなんですか?」
と聞いたところ、
「PTAさんにしてもらわなければ困ることは何もありません」
と断言されました。
もし、仕事を削るのがイヤだけど、役員・委員を集めたいなら、もっと委員などに参加しやすい形に変えるのも方法です。
1年を通じての役職ではなく、何かの仕事ごとに募集して、集まらなければその年はやめておくなど、いくらでも方法はあります。
だって「必ずPTAがやらなければ、学校運営に支障のでる仕事はない」のですから。
これは、次回の記事に詳しく書きますが、どうしても、ノルマ制・ポイント制を用いて、全員に等しく役職を回したいのであれば、
規約等にきちんとその内容を書いて、入会時に承諾したうえで入会してもらえば問題ありません。
逆にそうしないから、文句が出るのです。
論点・視点のすりかえに対抗するには
このような「論点・視点のすりかえ」に対抗するには、明確な基準や指針をもとに話をしなければなりません。
一番間違いない基準となるのが、「法令(法律や条例など)」です。
長くなってきたので、「法令」の話は次回に回します。
おつきあいいただきまして、ありがとうございました。
4月30日に「法令」の話を追加しました
よろしければこちらをごらんください。