走行税
たまたま、Twitter見てたら「走行税」について話題になっていたので今日はこれについて思うところを軽めに書きます。
私も詳しくありませんが、「走行税」というのは自動車に対して新たに検討されている税金で、走行1kmあたり5円課税するというものらしいです。 背景には今後のEV(電気自動車)やカーシェアの普及により自動車関係の税収が落ちれば、橋梁や道路の補修といったインフラ整備もままならない、という政府の危機感があるそうです。
細かい区分は私にはわかりかねますが、元々自動車にかかる諸税、中でもガソリン税は、「道路特定財源」として一般財源とは分けて扱われていた過去があり、「受益者負担」の原則のもと自動車にまつわるインフラ整備に充てられていました。日本の道路整備は日本の自動車ユーザーが支えていた、というわけです。道路特定財源は平成20年をもって廃止され、現在ガソリン税は一般財源化されています。
ガソリンに掛けられている税率については、1974年から適用された「暫定」税率が未だに続いています。道路整備の財源確保のための「暫定」が、40年以上経った今も一般財源化されてなお続いているわけです。
道路特定財源の一般財源化についても、使途が道路以外に拡大されていた、流用されていたことが背景にあったと思います。本来であれば、余ってるなら自動車ユーザーの税負担を減らすべきであったのですが、それがなぜか「暫定」税率を維持したまま一般財源化され、今日に至っています。
今回話題に上がった「走行税」については、受益者負担の原則に立ち返り、道路整備のための目的税、「道路特定財源」として扱われるのであればむやみに反対するものでは無いのかもしれません。EVはガソリンを使用しないためガソリン税の徴収ができない一方で、重量がある分道路を痛めやすいと思いますので、目的税としてEVに走行税を課すのであれば一定の合理性があると私は思います。
ただし、それは課税根拠がもはや曖昧になっている自動車関係の諸税を抜本的に改革することと併せて考えなければならないと思います。少なくとも、一般財源化され根拠が無くなっている「暫定」税率については即座に本則税率に戻すべきであり、また、ガソリン車ユーザーがガソリン税と走行税を二重に課税されては不公平と思いますので、走行税導入にともなうガソリン税の取り扱いについては、十分に議論してほしいと思います。そうでなければ、「国民の自動車離れ」はますます加速すると思われます。