RTA in Japan Summer 2022でマリオ&ルイージRPGを走りました
2022年8月14日に『マリオ&ルイージRPG』走者として「RTA in Japan Summer 2022(以下、RiJS2022)」に参加したレポートです。イベントの概要などについては以下の記事をご覧ください。
また、今回RiJS2022にはGame*Sparkライターとしても参加し、取材を行いました。本記事では、Game*Sparkの現地参加レポートには書かなかったことを中心に、応募から本番を終えるまでの期間の活動を振り返ります。
当選に至るまで
2022年4月15日
RiJS2022に応募した作品の1つ『マリオ&ルイージRPG4 ドリームアドベンチャー(以下、マリルイ4)』のAny%で3:19:18という記録を達成しました。マリルイRPGシリーズのRTAには2021年9月から取り組んでいますが、同シリーズでは自身初の世界記録で嬉しかったです。
4月27日
RiJS2022の詳細が発表されました。募集期間開始日である5月7日は、ちょうど「RTAハッカソン」の最終日でもあったので、同イベントで習得する予定だった『マリオ&ルイージRPG(以下、マリルイ1)』を2本目のゲームとして応募することを決めました。
5月6日
「名古屋RTAオフ 2022」でマリルイ4を初披露しました。『ドンキーコング2001』もこのイベントで解説するためにラーニングして記録狙いをしたので、この時期は忙しかったです。何とか5月3日~7日の「RTAハッカソン」と両立することができ、7日にマリルイ1のGlitchlessを4:36:52というタイムで完走しました。ラーニングにあたっては国内トップ走者のミクロンさんにチャットなどでたくさん助けていただきました。
5月14日
Webメディア「Game*Spark」にインタビューを受けました。この機会が6月の同サイトでのライターデビュー、8月のRiJS2022取材に繋がりました。8月までに5本の記事を書きましたが、執筆活動は性に合っているので、配信活動と上手く両立しながら続けていきたいです。Webライターとしての基礎は「RTAGamers」での活動を通してShino.さんに教わりました。RTAに関する内容で、書いて広めたいことをお持ちの方は、同サイトの書き手募集をチェックしてみて下さい。
5月22日
応募〆切最終日、マリルイ1のAny%で1:33:14(世界9位)というOKタイムが出ました。18日にGlitchlessで3:44:05(世界5位)を出した次の日にAny%のラーニングを開始し、21日に初通しを終えるという突貫工事でしたが、ギリギリ応募に間に合いました。レトロフリークのQSQL機能を利用して練習する予定だったのですが、レトロフリークではAny%で使うグリッチが上手く再現されず、実機オンリーでの練習を強いられたのも誤算でした。
ミクロンさんはマリルイ1で早々に応募していたので、募集期間中にEST(予定時間)を下回ることができたらレースさせて下さい、という無茶なお願いを事前に受け入れていただいていました。結果的に何とかなりましたが、今回の応募計画の甘さには反省しています。
その後は25日にAny%で1:29:14、29日にGlitchlessで3:43:16と更新し、一旦マリルイ1から離れました。6月前半は「SNES Super Stars Marathon 2022」で『スーパードンキーコング(以下、ドンキー1)』のAny%を走ったほか、「Meme RTA Marathon 2」を主催しました。
6月13日
10日間ほどの議論や投票の末、マリルイ1のRTAで連射コントローラーの使用が許可されることになりました(ブラザーアタック「チョッパーブロス」における使用だけは禁止)。プレイヤーの健康面を考えてのコミュニティの決断でした。5月末は連打で右腕を痛めていたのと、個人的に連打は早いほうではないので、この決定は有難かったです。また、Any%では1バンズボンを購入するルート、Glitchlessではヒゲを伸ばすルートが開拓されたのもこの時期です。長時間記録狙い配信をしても腕が疲れないという連射機の恩恵や新ルートの力を受けて、17日にはAny%の記録を1:22:21(世界6位)、24日にはGlitchlessの記録を3:32:26(世界5位)まで更新し、RiJS2022の当落発表を待つことになりました。
当選〜本番まで
6月26日
マリルイ1のAny%レースで当選しました。ミクロンさんの自己ベスト(1:17:37)とは差があったので、正直なところ自分だけ落選するパターンも覚悟していました。マリルイ1のAny%はラスボス戦だけで6分差が簡単にひっくり返ることや、そもそも事故なく完走することが難しいことなどを総合的に考慮して拾っていただけたのかな、と想像しています。
また、ミクロンさんはマリルイ1のGlitchlessで、とんこつはマリルイ4のAny%でそれぞれ当時の世界記録を保持していたのですが、そのどちらでもないマリルイ1 Any%での当選ということで、やはり3時間越えのカテゴリーは厳しい、という感想を持ちました。
当選後はすぐにAny%のタイムを詰めたかったのですが、別イベントとの兼ね合いで1か月間ほどは他のゲームを走っていました。7月2日の「Summer Games Done Quick 2022」と、その翌日の「Twitch体育祭 RTA部」では、ドンキー1のReverse Boss Orderを走りました。9日には「RTAin俺んち SideTokyo vol 0.1」にて、核さんのお宅にお邪魔してまんまるさんと『マリオパーティ5』のレースを楽しみました。
7月10日には、「DKC3 No Bleak Skip Tournament 2022」の準備のため、20か月振りに『スーパードンキーコング3』の練習を始めました。4月に閉幕した「DKC2 Any% Tournament 2022」から3か月という短いスパンでの開催です。RiJ期間と丸被りだったので、マリルイ1に専念することも考えましたが、大好きなドンキーのトーナメントのエントリーを見送ることはどうしても出来ませんでした。今後は高頻度でトーナメントが開かれるようですが、マリルイRTAと両立してなるべく参加していきたいです。今回のトーナメントでは、本稿執筆時点で何とかベスト4まで生き残っており、最後の試合を間近に控えています。
7月14日には欧州版のGBAカートリッジ(元々所持していた北米版より速い)と練習用の北米版Wii Uをゲットしました。実際に走るときは実機を使いますが、Wii Uには丸ごと保存機能があるのでマリルイ1 Any%の練習効率が格段に上がります。VC版の入手にあたり、北米版のニンテンドーカード($10)の購入代行をMurmilioに頼んだところ、なんと代金を奢ってくれました。MurmilioはAny%の世界記録保持者で、その翌々日に1:12:35という素晴らしい新記録を樹立していました。
7月31日
「Tonkathon 2」を主催し、マリルイ1のAny%を走りました。「Tonkathon」はソロ運営のカジュアルなRTAマラソンイベントで、大きなイベントに通った作品の練習や落ちた作品の供養の場として自ら運用しています。今後も夏と冬に継続して開催予定なので、走者の方はお気軽にご応募下さい。
解説はRiJ本番と同じasutoroさんに依頼しました。asutoroさんはマリルイ走者ではありませんが、プレイ時間がカンストするほどやり込まれたゲームということで、RiJ当選直後に解説として立候補いただきました。解説準備としては、北米版のカートリッジを貸し出して、RTAのルートを実際になぞっていただくことをお願いしました。TonkathonとRiJに向けてそれぞれリハーサルを2回ずつ行うなど、かなり入念に準備していただいたので、asutoroさんにお願いして良かったと思います。
8月7日
1:15:54(世界3位)というタイムを達成。本番までに1:15台が欲しかったので嬉しかったです。Tonkathon後にルート改良に取り組み、5日に1:18:47、6日には1:17:36と記録を縮めてからの3日連続の更新でした。その後は1:14台を目指して粘りましたが、残念ながら記録は出ませんでした。
本番期間のこと
8月14日
朝8時頃に会場入りして、練習スペースで軽くウォームアップを行いました。オフラインのRiJで走るのは3度目なので、比較的リラックスして本番に入れたと思います。「Barrel Storage」のための1F入力をメトロノームに頼っているので、ヘッドセットの上からでも聞こえるかどうか少し心配していましたが、意外と普通に聞こえました。
いざ本番が始まると、序盤は隣のミクロンさんの画面が気になってしまい細かいミスをしてしまうなどやや不甲斐ないスタート。中盤からは立ち直り、難所をスムーズに突破して抜きつ抜かれつのレース展開を演出できて良かったです。ラスボス戦は……不運な部分もありましたが、1:1xペースであったことやゲラゲモーナの最終ターンの攻撃を意識するあまり、集中力を欠いてノックバックブロスをミスしてしまったことが敗戦の原因であり、最大の心残りです。それでも2戦目のラストでギリギリ勝ちを拾えたことは本当に良かったです。マリルイ1 Any%のマラソンイベント本番タイムとしては、史上1番目と2番目の速さだったということで、ハイレベルなレースをお見せできたのではないかと思います。
撤収時にはコンポジット端子の赤がブチっとちぎれてしまうアクシデントがありました。本番前でなくて助かりました。出番を終えてTwitterで評判を調べてみると、「ルイージRPG」がトレンドして盛り上がっていたようでした。また、今回は迅速な進行のためにプレイ前後の挨拶を合計1分強にとどめました。それが直接影響したのかどうかは分かりませんが、翌日にバックアップのゲームが1本スケジュールに入って披露されていたのは嬉しかったです。
まいばさんの『スーパーマリオブラザーズ3』をソファー席から堪能した後は、会場にいたTwitchパートナーの皆さんと写真を撮り、視聴者や配信者の方々と軽く雑談して会場を後にしました。撮影者のふじくらさんにも感謝です。
帰りの電車の中では「Long Speedrun Summit 2022」の当落が発表され、マリルイ4のAny%を走ることに。さらに翌朝には10月の「RPG Limit Break」でも同カテゴリーを走ることが決定し、早くも次のイベントに向けて気持ちを新たにしました。
本番を終えて
無敵時間さんに会場でいただいたTシャツに加えて、SGDQ走者Tシャツも自宅に届き、最高の夏の思い出になりました。
ミクロンさんやasutoroさんをはじめ、会場や配信チャットなどで応援してくださった視聴者の皆さん、ゲームプレイを通して社会貢献する場を用意してくださっているRiJ運営やスタッフの皆さんに感謝します。一参加者として、今後のイベントも成功することを心より祈っています。
今後についてですが、早くも「RTA in Japan Winter 2022」の募集が始まっており、マリルイ4で再応募済みです。次にマリルイ1に戻ってくるのがいつになるかは未定ですが、最終的にはAny%で1:15、Glitchlessで3:30、All Bossesで2:30をそれぞれ切りたいです。引き続きマリルイやドンキーシリーズを中心にRTA活動を頑張りますので、応援のほどよろしくお願いいたします。