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「RTA in Japan Summer 2024」で『ぶらぶらドンキー』を解説しました

とんこつと申します。本記事は、2024年9日~10日に会場管理ボランティアスタッフとして、8月14日に『ぶらぶらドンキー解説者として「RTA in Japan Summer 2024(以下、RiJS2024)」に参加したレポートです。

イベントや本RTAの概要については以下の記事をご参照ください。


解説決定に至るまで

6月23日、RiJS2024当落発表の日。ゲームリスト内に『ぶらぶらドンキー』の名前を発見しました。その日はちょうど福岡のイベントで続編にあたる『ドンキーコング ジャングルクライマー』のRTA解説を担当した繋がりもあり、こっそりと楽しみに思っていました。

翌日、走者のノイマンさんがX上で「走りながら喋るとパンクするだろうけどぶらぶらドンキーRTAの解説ができる人って存在しないのでは……?」と投稿されているのを見かけました。ノイマンさんは以前、別のRTAイベントでご自身で解説しながら走っているところを拝見していたので、今回もご自身で解説されるのかな、と勝手に考えていました。しかし、そのような事情なら、自分が今から走者になって解説できるようになればお役に立てるかもしれないと思い、ノイマンさんにDMを送りました。

実は『ぶらぶらドンキー』のRTAにはいずれ挑戦したいと考えており、最適な環境であるWii UのVC版(現在入手不可)を、2023年のeショップ終了前に購入済みでした。ノイマンさんからはすぐにお返事をいただき、解説を担当させていただくことがその日のうちに決まり、6月25日に初回の打合せを行うことになりました。

準備期間のこと

初回の打合せでは大まかな方針を擦り合わせ、以下のような方向性で行くことが決まりました。

  • ノイマンさんは走っている間は無言になり、100%プレイに集中すること

  • ゲームそのものやキャラクターの魅力を中心に紹介しつつ、細かいRTAテクニックにも言及すること

また、基本的な仕様やRTAルート、各種テクニックは自分で走者として学べば良いので、こちらからノイマンさんに提供をお願いした情報は、リカバリー等でルートが分岐するポイントとその判断基準のみでした。

6月末から7月上旬にかけては「Summer Games Done Quick 2024」参加のためのアメリカ遠征に出ていたので、実際にRiJS2024の準備を開始できたのは本番1か月前、7月中旬のことでした。そこからは急ピッチでラーニングから初通しを済ませ、リーダーボード上位の記録やチュートリアル動画、ノイマンさんの配信を何周も見ては自己ベスト更新を繰り返す日々でした。

ようやく納得できる記録を出せたのは、本番前日でした。ノイマンさんの実力には遠く及ばないものの、数字の上では同じ20分台という領域に。毎回のジャンプの角度や手持ちのバナナの本数に応じてリアルタイムにルート変更が発生するため解説者にも多くの知識が必要となるRTAですが、ノイマンさんに近い目線でプレイングの意図を説明できる自信が身に付きました。

解説そのものの準備としては、なるべく公式用語を使用するため、いつも公式の攻略本を入手することを心掛けています。今回は「ぶらぶらドンキー 任天堂公式ガイドブック」の中古価格が1万円前後と高騰していたため、代わりに国立国会図書館の児童書研究資料室で攻略本を閲覧しました。館内での撮影は禁止ですが、資料は有料で100ページまで複写できるので、RTA解説の準備にもおすすめです。

せっかくなので「ドンキーコングカードゲーム 必勝大作戦」「ドンキーコング : ウホウホ大自然ギャグ(漫画)」などの貴重な本もこの機会に読んで来ました。

ノイマンさんとのリハーサルは8月上旬に2回行いました。他人の解説に合わせて走るのは今回は初めてとのことで、初回は落ち着かなかったようですが、2回目のリハーサルでは何と自己ベスト更新!本番でもこの解説があれば安心です、と言っていただき嬉しくなりました。

以上の準備に費やした時間は、合計100時間ほどでした。イベント期間中にまで記録狙いを止められなくなるほど病み付きになってしまい、トーク内容そのものの準備時間とのバランスが悪くなってしまったことは反省です。とはいえ、『ぶらぶらドンキー』のRTAがそれだけ魅力的なものである、という実感を持って語れるようになったので、自分でRTAを走った時間も無意味ではなかったと考えています。

また、スケジュール発表後に応募した現地ボランティアには会場管理担当で当選。気づけば走者解説としての参加(4度ずつ)よりもスタッフ参加(5度目)の方が多くなりました。スタッフとしての役割は受付→セットアップ→配信管理→音声管理→会場管理と毎回異なる業務を経験させていただいており、ありがたい限りです。

本番期間のこと

『ぶらぶらドンキー』解説者として

RiJS2024、1週間の開催期間のうち、『ぶらぶらドンキー』の出番は6日目の夕方でした。2日目、走者のノイマンさんにトラブルが発生。ノイマンさんの自宅回線の不調のため、オンライン参加から現地参加に切り替えるかもしれないとの連絡を受けました。筆者は元々現地から解説する予定だったので大きな影響を受けませんが、最大の懸念はそのプレイ環境(Wii U ゲームパッド)でした。

イベント会場では本体との通信が不安定になりやすいWii Uゲームパッド。RiJW2022では会場内の通信機器をオフにするよう呼びかけがありましたが、今回も『タッチ!カービィ スーパーレインボー』の3人レースで同様の対応が行われていました。そんな不安をよそに、ノイマンさんの現地参加への変更が本番2日前に決定しました。

ノイマンさんと初めてお会いできたのは、本番当日のお昼でした。合流後はWii Uを会場内のラウンジに2台並べて、夢の『ぶらぶらドンキー』並走が実現。タイムは22:31(筆者)- 21:39(ノイマンさん)でした。実力通り負けてしまいましたが、良い思い出になりました。

その後は練習スペースで最後のリハーサルを終え、出演者席に移動。音量調整時の会話では、ノイマンさんからお昼に「朝バナナ」を飲んでバナナモードに入っています、というお話を聞いたので、これはと思いその場で解説に取り入れることを決めました。

迎えた本番では序盤からノイマンさんの得意な高難度技が次々に炸裂。21分台ならOKと事前に聞いていましたが、きっちりと目標タイムに収めるナイスランでした。中盤以降珍しいミスが続いているな、と思う場面がありましたが、後で聞いたところによると入力の硬直を感じる時間帯があったようです。本番開始直前まで走者席でのプレイには全く支障が無かったために、ゲームパッドの通信に関して無対策で臨んでしまったことが悔やまれます。

本番中は会場やチャットでの応援がとても暖かく感じられました。出演者よりも早く最前列の席で待機して下さっていた方々や、当日に『ぶらぶらドンキー』のイラストを寄せていただいた方々の応援も、本番での活力になりました。多くのサポートに改めて感謝します。

出番後はノイマンさんと会場付近での打ち上げへ移動。お酒好き同士意気投合し、イベントの振り返りや今後の活動予定などについて語り合いました。

会場管理ボランティアスタッフとして

会場管理スタッフの担当時間は、初日の18~21時と2日目の12~16時でした。会場管理はRiJW2023から新設された役割で、note place会場での作業は今回が初めての運用でした。会場管理スタッフの作業は、主に以下の3つでした。

  • 走者への貸出品の管理(PCやRetroTINK等)

  • トイレの手洗い場の清掃

  • ビル1階入り口での入場アテンド(一部時間帯)

RiJW2023からの大きな変更としては、今回レッドブルの設置が無くなったことで、作業の大きなウェイトを占めていたらしいレッドブル管理の作業が無くなったことです。会場管理のシフトは、深夜帯を除いて基本2人体制で組まれていたのですが、この分だと1人でも回せたかもしれませんね、とボランティアリーダーのアジーンさんと初日時点では談笑していました。実際には2日目以降、2人体制ならではの作業が発生したのですが……。

貸出品の管理については「分かる人は練習席でのセットアップまで対応してもらえると助かります」とのことだったので、出番前の走者の方々のサポートを行いました。この作業は担当時間外でも気づいたら適宜対応してよいことになっていたので、期間中は何か困っていそうな走者の方を見かけたら可能な範囲でお声掛けするようにしました。初日は「ポケットモンスター赤緑」走者のずのうさんの練習開始に立ち会うことができ、2画面同時操作の貴重なプレイ環境を撮影させていただきました。

2日目は土曜日だったのですが、ここでトラブルが発生。ビルのセキュリティの関係で、会場1階の入り口のドアが終日自動で空かなくなることが判明しました(イベント会場はビルの7階)。夜間に自動ドアが開かなくなることは想定されていました(15分に1Fしか開かないドアとして1年前も話題になりました)が、日中も空かなくなるのは想定外とのこと。

運営の方と対応を協議した結果、1階の入り口手前に会場管理スタッフが常駐し、来場者が来る度にドアを開けに行き、名札かQRコードを確認するという対応を取ることに。1階は冷房が効いておらず暑かったので、氷で冷やした飲み物を隣に置いておき、適宜水分補給しながら30分毎に7階での作業と交互に担当しました。

未熟な部分はまだまだ多いのですが、ボランティアスタッフとしての参加を重ねる度に周りが見えるようになり、他のスタッフとの連携や臨時対応もスムーズに取れるようになってきたことを実感しています。イベントの円滑な運営に少しでも貢献できたのであれば何よりです。

観客として

今回は合計5日会場に足を運んだこともあり、多くのタイトルを現地で観ることができました。特に「SkateBIRD」「ミスタードリラーエース ふしぎなパクテリア」「筋肉番付GB~挑戦者はキミだ!」の3つは走者席の後ろで応援させていただきました。

色んな催しが行われていたラウンジでは、4日目にゲーミングメンタルサポートを受けました。RTAに対する取り組み方から配信者としてのネガティブコメントに対する対処法までの4つのメニューの中からテーマを選び、メンタル構築のアドバイスを受けることができます。今回は「記録ペースにおけるメンタルの保ち方」について相談し、呼吸法や考え方のヒントをいただきました。早速次の日に実践したところ『ぶらぶらドンキー』の目標タイムを達成でき、効果を実感しました。

いるかんさん主催のゲームコーナーでは、様々なハードのゲームで遊べます。今回は持参した『ドンキー2』をスキマ時間に大画面でプレイさせていただきました。TCGやボードゲームで盛り上がっていた方々が多かったのも印象的でした。

ラウンジの一角にある国境なき医師団ブースでは、VR体験に参加させていただきました。寄付金が実際に使われている現地での活動がリアルに伝わってくる良い経験でした。スタッフの方とは、RTA in Japanと寄付先を同じくするチャリティイベント「SGDQ2024」現地でのお話もさせていただきました。ただ好きなゲームのRTAに没頭することが社会貢献に繋がるのは、本当に素晴らしいことだと改めて実感します。

その他にも会場では色んな方から応援のメッセージや差し入れ等をいただき、大変励みになりました。現地でお話ししてくださった皆さん、ありがとうございました。お昼ご飯は会場近くの飲食店で済ませる日が多かったのですが、今回初めてお会いした方ともご一緒できて良かったです。

本番を終えて

走者のノイマンさんをはじめ、RiJS2024関係者の皆様、現地や配信で応援してくださった視聴者の皆様に心より感謝します。『ぶらぶらドンキー』という隠れた名作の魅力と、ノイマンさんのプレイングの凄さが多くの方に広まることを願います。

これからの活動ですが、『ぶらぶらドンキー』100%のRTAに挑戦するほか、9月の「さいたまよいとこスピードランオフ」に向けて『マリオvs.ドンキーコング』のRTAも再開する予定です(現地解説者募集中です)。今後も長くRTAを楽しみ続けるつもりですので、引き続きよろしくお願いいたします。

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