【視聴者向け】『ぶらぶらドンキー』RTA基礎知識
本記事では、『ぶらぶらドンキー』のRTAを視聴するにあたり、知っていると見所が分かる基礎知識をご紹介します。
ゲーム概要
『ぶらぶらドンキー』は2005年にGBA向けに発売されたアクションゲームです。プレイヤーは「トッテ」と呼ばれるギミックを掴んで進むことで、縦型のコースの上部にあるゴールを目指します。見た目はポップですが、実際のところはいわゆる「高難易度登山ゲーム」に近い、アクション上級者向けの難しい作品です。
本作最大の特徴は、その独特な操作方法にあります。左/右の手に対応するL/Rボタンでトッテに掴まり回転し、左右ボタンで水平方向の速度を制御します。片手でトッテを離す際に進む方向は、何フレームの間L/Rボタンを押すかに応じて毎回変わるうえ、左右ボタンでの空中制御にはかなりの癖があるため、はじめのうちは進みたい方向に進むことすら困難です。
基礎知識
前方への推進力は、掴んでいるトッテを離す瞬間に得られます。角度を変えず真っすぐ進みたい場合には、L/Rボタンをできるだけ短く(理想は1フレームだけ)入力することが理想です。
各コースは2~3個のセクションに分かれます。動く敵や足場などのギミックは、そのセクションに入った瞬間から動き続けるため、RTAではどの周期で要所を突破するかがタイムを大きく左右することがあります。
コース内に存在するバナナは、ライフ回復や「バナナモード(後述)」の発動に使える最重要アイテムです。ダメージを受けて失ったライフは1個につき10本のバナナで回復できますが、本作ではこれが唯一のライフ回復手段です(コースクリア等では回復しません)。また、3個のライフ全てを失うと、その場でゲームオーバーとなります。
「バナナモード」について
20本のバナナで「バナナモード」を発動すると、10秒間の無敵効果に加えて以下の能力上昇効果を得られます:
回転速度1.25倍
地上での移動速度2倍
ジャンプ力1.3倍
アタック時の飛距離1.6倍+木箱やバレル破壊時に貫通
石や爆弾を投げたときの威力が上昇(貫通、速度アップ)
RTAでは「バナナモード」の恩恵を最大限受けるため、発動のメリットが大きいポイント(4~5秒以上短縮)のために必要なバナナを十分残せるよう、取得バナナ数の管理も重要です。
その他のテクニック
元々壁に埋まっている一部のトッテは壁際にも判定が飛び出しているため、本来のギミックを無視してそのまま掴むことができます。
1マス分のトッテも、掴める範囲は上下左右に幅があります。進行方向側ギリギリを掴み余分に距離を稼ぐことで可能となるショートカットが存在します。
Any%概要
クリア後の要素が豊富な本作のRTAでは、クリア率や使用キャラに応じて細かくカテゴリが分かれています。本記事では最もスタンダードな、クリア率不問のAny%(ドンキーコング使用)の概要をまとめます。
(執筆時点での世界記録は、19分39秒です。)
Any%では、ゲーム内の全5ワールドを順番に攻略します。各ワールドは、4コース+ボスステージから構成されます。
ジャングルワールド
難しいショートカットを複数含む「なぞのいせき」が最初の大きなリセットポイントです。ボス「ゴルコロッサ」戦は、素早く右側に回り込むことで相手の攻撃フェーズを即終了させるのが最速です。
ワイルドワールド
「バナナモード」を使ったショートカットがこのワールド以降活躍するため、バナナの本数によってルートが細かく分岐しはじめます。ボス「フェネッキー」戦では、少なくとも1個の石をダブルヒットさせないと1サイクルで倒し切れず、20秒以上の大きなタイムロスが発生します。
シーワールド
敵やトッテの配置が厄介なコースが多く、細かいタイムロスが蓄積しやすいワールドです。ボス「シーボン」戦では、尻尾を直接掴んで上側の隅に誘導し、1回転毎に多数のダメージを与えます。
アイスワールド
高難度のセクションが連続する、RTA走者泣かせのワールドです。ボス「ビッグフリーザー」戦では特筆すべきテクニックを使うわけではありませんが、長期戦のためノーミスで突破するのは困難です。
キングクルーザーIII
多くのバナナが残っていれば「バナナモード」を連続使用して駆け抜けます。ボス「キングクルール」戦では、相手のアタックにこちらのアタックを合わせ、再チャージしている隙を狙い素早くアタックを叩きこみます。
おわりに
2024年8月14日(水)15:45頃から「RTA in Japan Summer 2024」にて本作のRTAを解説する予定です。当日は是非、走者のノイマンさんへの応援をよろしくお願いします!
(8月16日追記:本番のアーカイブを以下に追加しました。)