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「RTA in Japan Winter 2024」で『マリオvs.ドンキーコング』を走りました

RTA走者のとんこつです。本記事は、2024年12月25日~12月31日に東京都文京区で開催されたチャリティRTAイベント「RTA in Japan Winter 2024(以下、RiJW2024)」に「マリオvs.ドンキーコング(以下、マリドン)」走者として参加したレポートです。イベントやRTAの概要については、以下の記事をご覧ください。


当選に至るまで

2024年9月、ゲーム応募期間開始。RiJS2024落選時と同じゲーム/カテゴリではありましたが、どちらもルートの最適化が進み、自己ベストを大きく更新しての応募でした。

応募RTAは今回も1位でした

今回当選した『マリドン』Any% Classicに関しては、応募期間最終日に9時間ほど走り、5ヶ月振りに世界記録を奪還するという奇跡的な滑り込みに成功。駆け込みでの記録狙いは精神衛生に悪いのでやめましょう(毎回やってますが……)。

当落発表は11月3日。走者としては5度目の当選ながら、RiJS2022『マリオ&ルイージRPG』以来2年半ぶりの参加ということで、初当選時のようなワクワク感でいっぱいになりました。

準備期間のこと

当選から1週間後、イベントスケジュールが発表されました。『マリドン』の出番はRiJW2024開幕から3番目。2025年始に海外イベントへの参加が決まっていたので、その準備をRiJW2024期間中にも裏で進められる点で、初日の出番は個人的に好都合でした。

解説者については今回誰かに依頼せず、RiJでは初めて自分で解説しながら走ることを選択しました。過去の走者参加時は毎回必ず解説者を呼んでいましたが、これはトークに脳のリソースを割くことによるタイムロスの可能性を徹底的に排除するためでした。

今回走った『マリドン』はステージとステージの間に25秒以上のインターバルがあります。この時間を活用することで、プレイにそこまで差し支えることなく十分な解説を自分で提供できると考え、自身初のチャレンジに踏み出しました。

『マリドン』は原作のGBA版を子供の頃にやり込んだ作品で、2024年2月にリメイクが発売されてから600時間ほどプレイした、今年1番自信のあるRTAでした。そんな思い入れのある作品の解説を、自分の言葉でお届けしたいと思ったことも、自分で解説することを選んだ理由のひとつです。

また、寄付額に応じてRTAの内容を変化させる「寄付額投票」ではワールド5「スプーキーハウス」を1人でふたりプレイすることに。ゲーム応募時に落選したカテゴリの内容ではありますが、ワールド1つ分だけをふたりプレイするというのはショーケースとして丁度良いのではないかと思い、走者用のフォームから申請。本番6日前に採用の連絡をいただきました。

ちなみに、数あるワールドの中からワールド5を選択したのは

  • ふたりプレイならではのショートカットが一通り詰め込まれている

  • 逆に、ひとりプレイにおいてワールド5ならではのテクニックはほとんど無い

  • 区間タイムがひとりプレイと大差ない(+15秒程度)

  • RTAの折り返し付近に位置するのでメリハリをつけられる

などの理由がありました。

ふたりプレイモードに関しては、イベント会場内で開催されるRTA体験企画「RTA道場」にも出展させていただくことになりました。リメイクで新たに追加されたふたりプレイモードですが、オンラインプレイには対応していないため、実際に遊ぶことができたのは海外イベント(SGDQ2024)参加時の一度きり。せっかくの機会なのでたくさんの方と協力プレイして本作の魅力が直接伝わればと思い、この企画で応募しました。

準備期間中は、RTAルートそのものにも大きな動きがありました。12月に入り、新しいテクニックをふんだんに取り入れた世界記録が、原作の世界記録保持者によって樹立されたため、12月中旬はルートの再構築に取り組みました。発売から時間が経つまで見つからない技というのは、基本的に難しいテクニックばかりです。本番直前にようやくそれらを自分のものにすることができ、世界初の1時間8分台という記録を出せました。

その後はようやく解説準備に着手。主に公式用語チェックのため、RiJS2024『ぶらぶらドンキー』解説のときと同じく国立国会図書館の児童書研究資料室で原作の攻略本を読みました(リメイクの攻略本は未発売)。また『マリドン』関連作品のうち未プレイだった『ドンキーコング』(GB版)や『マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進!』をクリアし、それらの内容も解説メモ作りに役立てました。

本番前日には、『マリドン』RTAの見どころを10分にまとめた動画を公開しました。時間はかかりましたが、本番後に「この動画のおかげで本番をより楽しめた」とのお声をいただけたので、今後も無理のない範囲で同様の動画制作を継続できれば思います。

イベント期間のこと

RiJW2024開幕当日。この日は午前中に美容院で髪を切り、いざ会場へ向かおうとしたところ……SwitchのJoy-Conグリップ部分(真ん中のところ)を自宅に忘れたことに気付きました。

夕方の出番までに自宅に取りに戻る時間はあるが、そうすると現地での最終調整時間が無くなってしまう……という焦りのなか、藁にもすがる気持ちで『マリドン』走者のAtsushiさんにDMを送りました。元々現地での応援を約束いただいていたこともあり咄嗟に連絡したのですが、お昼過ぎにJoy-Conグリップを貸してくださることになり、一安心。

戦犯:肝心のゲーム機関連について何も書いてないメモ(前日就寝前に作成)

また、この日は共同主催を務めている「Fukuoka RTA Forum」のチラシ(段ボール入り)を手で持ち運んで会場入りしたのですが、チラシの重さが原因でギリギリプレイに支障が出ない程度の筋肉痛になりました(小分けにして運べばよかった……)。

会場に荷物を置いたあとはゲン担ぎに近くのお店でカツ丼を食べ、関係者控室でふたりプレイ区間を中心に直前練習。15時に始まった最初のゲーム『スターフォックスアドベンチャー』が終わると、走者席に移動してのセットアップが始まりました。

ヘッドセットを装着して音量調整が終わると、RTA in Japanへの寄付額集計システムにトラブルが起こっているとの連絡を受けました。開始直前まで運営内での協議が行われた結果、寄付額投票の集計が手動で行われることに。走る前の段階で目標額は達成されていたため、ワールド5でふたりプレイを披露することが確定しました。

迎えた本番では温かい拍手や会場の笑い声、運営からお借りしたタブレットで横目に見ていた応援チャットに後押しされ、序盤を好ペースで進みました。ワールド3では直前に披露された『マリオスポーツミックス』に絡めて、小学校の頃ドッジボールのコート取りRTAのために教頭先生の校内巡回サイクルを研究した話を急遽取り入れたところ、好評だったようで良かったです。

『マリドン』は前述の通りステージ間の演出が長い作品なので、解説中にゲーム関連の小ネタやエピソードをいつも以上に盛り込むことを意識しました。ワールド6では視聴者の方のエピソードを勝手にお話しさせていただきましたが、リアルタイムで視聴いただいていたようで、心温まる後日談まで提供してくださいました。

一方、今回は開幕直後&前回から配信構成が大きく変わったらしい影響で、本番中に複数の音声トラブルが起こっていました。ワールド4では、バックヤードの音声がヘッドセットから入ってくるトラブルが発生。いつ指摘すべきか迷っていたところ、4-5では隣の走者席で始まった次のゲームのセットアップ音声が丸ごと耳に入ってきてしまい、自分が何を喋っているか分からなくなってしまったため、業務連絡という形で解説中にスタッフさん向けの対応以来を挟むことにしました。直後に迎えた4-6の大技をしっかり決められたのは良かったです。

ワールド8ではBGMに言及したタイミングで、音声担当の方が配信に乗せるゲーム音を大きくしてくださったのですが、同時にヘッドセットのBGMも爆音になってしまうアクシデントが発生。終盤の疲れもあり、こちらはその後のプレイングに影響が出てしまったことが悔やまれますが、1:11:15というタイムで無事に感想。前後の挨拶を含めても1時間13分台と、きっちり予定タイムに収めることができたのは満足です。

本番を振り返ってみて今回特に良かったのは、走りながらのトークを自分なりにこなせたことと、予期せぬトラブルに対処しながら完走できたことの2点です。前者は会場とチャットの多くの応援が自信に繋がり、良い結果になりました。後者については、前回の走者参加時は全くのゼロだったオフラインRTAイベント運営の経験をこの2年半で数多く積めたことが大きく生きました。走者としての参加が叶わなかったここ5回のRiJ開催では、ボランティアスタッフとして毎回異なる役職で関わらせていただきました。それらの経験のおかげで、トラブルの裏で何が起こっているのかある程度推測できたことで平常心を保つことができました。

出番後は現地やオンラインでたくさんの労いの言葉をかけていただき、改めて『マリドン』RTAをこのイベントで披露できてよかったと実感しました。会場で渡していただいた多くの差し入れにも大変感謝します。打ち上げで食べたもつ鍋とビールは最高でした。

翌日にはワールド5のふたりプレイ中の現地写真を公開していただきました。撮影スタッフの方は事前に控室で挨拶に来られたのですが、その時から『マリドン』RTAのベストショットのタイミングをそれとなく調べてくださっていたのだと思います。お名前を聞けていないのが心残りですが、いつか直接感謝の言葉を伝えたいです。

12月28日(4日目)にはラウンジで友人と『ドンキー2』の2人プレイを完走した後、後楽園まで徒歩で移動して視聴者の皆さんとの忘年会。この日は多くの方との交流を楽しみました。

12月29日(5日目)は「RTA道場」でたくさんの方と『マリドン』ふたりプレイで遊びました。予想を大きく上回る大盛況で、予定時間(2時間)内に遊んでいただけなかった方向けにラウンジ内で延長戦を実施。最終的に15人の方と遊ぶことができ、とても幸せな時間を過ごしました。

時間内に遊んでくださった方には、当日ノートPCで録画したプレイ映像を個別にお送りしました

その後はAtsushiさんと「2人でふたりプレイ」の記録狙いを敢行。RiJ会場内で世界記録を更新するという、もうひとつの貴重な思い出を作ることができました。

12月30日(6日目)は、RiJS2024でもお世話になった会場内企画「ゲーミングメンタルサポート」を利用し(詳細は前回の参加レポート参照)、配信中のチャットモデレーションについて考え方を深めました。この日1番のお目当ては、はいどしーくさんによる『ワリオランドアドバンス』。自己ベスト+30秒という圧巻の走りを最前列で目撃することができ、感動しました。

その後はラウンジで最後の交流タイムを終え、会場を後にしました。今回は以前よりも多くの方とお話しすることができ(当社比)、自分の性格も以前より少しは社交的になってきたような気がします。今後もイベント参加を重ねて、RTA走者としても人間としても成長を続けることができればと思っています。

イベントを終えて

今回のイベント参加にあたりお世話になったRTA in Japan関係者の方々、現地や配信、寄付額投票等々を通じて応援してくださった皆様、本当にありがとうございました。RTA in Japanというイベントが末永く続くことをお祈りするとともに、私自身も何かしらの形でまた関わることができればこれに勝る喜びはありません。

今後の活動についてですが、2025年以降も変わらず、色んなゲームのRTAや色んなRTAイベントを自分のペースで楽しみ続けたいと思います。まずは1月10日(日本時間)にAGDQ2025で『マリオ&ルイージRPG2』を走る予定ですので、ぜひ日本からご視聴いただけると嬉しいです。

今後ともとんこつのRTA活動をよろしくお願いします!

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