中間発表を終えて
市内で「授業力向上のための調査研究部会」という何とも大層な名前の研究部会に所属している。役所の教育研究所が主催している部会で昨年度からスタートしている2年間の研究だ。
先日、中間発表会を行った。この部会は今までの部会と違うところが色々とある。
・部員は立候補してきていること(何名か推薦もいるが)
・14名が4〜3人ずつの4グループに分かれて研究を進めたこと
・壇上で一方的に発表する時間は短くし、その後ブース形式で参加者と発表者、参加者同士のやり取りできる発表形式にしたこと。
・発表会に市内の先生たちを120名集めたこと。(前年度の発表会は30名程度)
そんな新しい試みに色々とチャレンジさせてもらった研究発表会の振り返りをして、来年度の本発表について考えておきたい。
ブース形式について
4つのグループがそれぞれブースをつくり、そこに参加者の人たちが自由に出入りできる形をとった。
発表者と1対1でじっくりと話している人もいれば、何人かで和気藹々と話している様子もあった。さらに発表について参加者同士で語っている姿もあった。市内の先生達で教育について語り合う空間をつくれたことが良かった。
一方で各ブースでプレゼンをしている場所もあり、そうすると途中から参加したり、途中で抜けたりすることが難しく流動性に欠けた部分もあった。参加者とのやり取りを重視するのであれば、発表者が一方的に話すことに時間を使わないことが必要だと感じた。
プレゼンをするのであれば、事前に動画を作っておき、ループ再生で流しておく。またはスライドを掲示して見れるようにしておく。子どもの様子の動画を流したり、成果物を自由に見られるようにしておくことも効果的だと思う。
参加者同士が交流しやすくするために名札をつけてもらう必要もあった。この発表会後のつながりを生み出すきっかけにもなるかもしれない。
また、最後が流れ解散になってしまったのは微妙だった。振り返りの時間をしっかりとっても良かったと思う。
プレゼンについて
4グループが自分たちの研究概要やブースでどんなことをするのかについて10分ずつ発表した。短くしたつもりではあったが、合計40分話を聞くだけの時間があり、これでも長かった。
また、研究の全体像が見えなかったので、研究の大テーマと各グループのテーマが組織図のようになっているスライドを1枚用意して、最初に説明する必要があった。
来年度は、全体像についてと各グループの仮説と実践の内容タイトルだけにして10分ぐらいのプレゼンだといい。各グループの詳細については、チラシみたいなのをそれぞれ作るか、ブースに今回のプレゼンのような内容の動画を流しておくかすればいいと思う。
また、個人的には今回初めてと言っていいくらいでプレゼンの練習をした。いつもはスライドを作って、言いたいことをはっきりさせる箇条書きを作って、ぶっつけ本番で臨むことが多かった。しかし、今回練習してわかったことがある。プレゼンは練習した方がいい。言いたいところが整理されていないこともわかるし、練習したおかげで頭の中がプレゼンモードになっていた。そのおかげでいい感じで緊張し、本番直前には言いたいことがとてもクリアになっていた。
一方で、「自分がこれだけやってきました。すごいでしょ。」みたいな見方をされた部分もあった。他のグループの先輩から「子どもファーストに見えなかった。勿体無い。」という指摘を受けたので、それも真摯に受け止めておきたい。
また、「うまいプレゼンと響くプレゼンが違う」ということも感じた。後輩のプレゼンを見てそれを感じた。
来年度以降の研究について
僕らの研究は今年度で終わる。しかし、この単発で終わっては勿体無いと感じている。来年度以降、同じような研究を立ち上げて違うメンバーでスタートするといいと思う。そして、そのメンバーに対して、現メンバーがメンターの形で関わっていけると良い繋がりが生まれていくのではないだろうか?その循環を繰り返していくことで市内の職場に学び合う雰囲気が醸成されていくのではないか。という思いつきをしたので記録しておく。
今回の中間発表で研究発表会のあり方について考えた。研究発表はもちろん研究した側がその内容を伝える目的で行ってもいいのだが、学び合う環境を提供するという目的で行ってもいいのかも知れない。
研究の内容はあくまでも話題提供。そこに来た人たちがその内容を聞いて何を感じたのか、何を考えたのか。さらにそこに来た人たちのつながりをつくることに寄与できるのでないかと考えた。特に、発表会に来る人たちのメインターゲットを自分たちの自治体の教員にするなら尚更だ。
来年度の本発表へ向けて
・もっと広い会場で行う
・最初の概要説明の改善、短縮
・人の流動性を高めるブース形式
・語り合える場の工夫
・グループ間の発表者同士の交流
・発表会の終わり方の工夫
ここら辺をしっかりと考えていきたいと思う。
発表会の次の日に担当の指導主事にたまたま会えた。その時に
「昨日の発表会楽しかったですね!」
と声をかけてもらえた。僕もそう思う。この感覚が味わえたことが嬉しかった。次はもっと楽しみたい。