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小学校〜それは小さな社会〜を見て
アカデミー賞のショートドキュメンタリー部門でノミネートされたことで話題の「小学校〜それは小さな社会〜」を見てきました。
#もっと話題になってていいはず!アカデミー賞だよ!
今となってはノスタルジーさえ感じる2021年度コロナ禍真っ只中の小学校での1年間を追ったドキュメンタリー映画です。
監督の山崎エマさんとは、昨年度國學院大学の研究会でお会いしていた経緯もあり、とても注目していた映画でした。
今回はこの映画を見て考えた事をお話ししていきたいと思います。
ドキュメンタリー映画としての感想
学校のドキュメンタリー映画を作ることは想像しただけでも、ものすごく難しいことだと思います。
学校はとても閉鎖的で外部の人が来るとなるとできるだけ綺麗なところだけを見せようとするはずで、ましてカメラが入る時なんてより普段とは違うような姿になってしまうはず。
しかし、この映画を見ていて1番多く感じたことは「あ〜、こういうこと学校でよくあるよなぁ」です。
運動会の表現の練習をするのに、子どもたちの集合が4分遅れて先生が怒っていたり、テレビ朝会を聞いている時にタブレットで別の事をしている子どものタブレットを無言で回収したり。
1年生の男の子が黒板を消す仕事をしたくて「はいはいはい!」と勢いよく先生にアピールする姿。
そういった普段の姿が自然に映し出されているところに凄みを感じました。
カメラが常に入っていることが子どもたちにとって自然になるまで、制作スタッフと学校の先生や子どもたちが関係性をつくっていったんだと思います。
このような映画は一歩間違えると先生の指導がどうなんだ?と批判されてしまう可能性もあったと思います。
しかし、先生たちの裏側の苦悩や努力を映し出していることで、見た人たちが先生の気持ちにも寄り添うことができる作品になっていました。
また、子どもたちの感情が大きく動いている様々なシーンが映し出されていました。
運動会での表現で縄跳びがうまくいかずに苦悩している姿。
音楽発表会のオーディションに受かって大喜びしていたのに、練習ができていなくて失敗して泣いてしまう姿。
一人ひとりの子どもたちの毎日にはドラマになるような出来事が巻き起こっていることを思い出させてくれました。
子どもたちの姿。先生たちの姿。それぞれがバランスよくフォーカスされることによって、学校のリアルが映し出されていたと思います。
見た後に話し合いたくなる映画
日本全国の多くの学校で起きていることがリアルに映し出されていたと思います。
だからこそ、自分たちの学校をもう一度見直すきっかけにもなる映画だったと思います。
一つひとつのシーンにフォーカスして、何を感じたか話すだけでも、先生たちのお互いの教育観が見えてくる気がします。