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会議より寄り合い

「働き方改革」という言葉がバズってから、コスパやタイパを最重要とする風潮がある。僕自身も無駄なことは無くした方がいいと思っているし、時短できることはした方が良いと思う。
 しかし、この間「冒険研究所書店」の荻田さんに「会議と寄り合いの違い」の話を聞いたことが、今までの考えを見つめ直す機会になった。

 会議は何かを決める話し合い。
 寄り合いはお互いを知り合う話し合い。


 ある村の寄り合いに参加した方の話。その村では、毎年祭りがあり、その役割分担のための寄り合いがあったそうだ。その寄り合いに参加させてもらった人が見た光景は
「お前の田んぼの調子はどうだ?」
「ばあちゃんの腰が悪くて大変なんだよな。」
「息子が嫁を最近もらったんだよ。」
などの雑談を2時間している姿だったそうだ。
そして、2時間経つと
「では、今日はお終いです。明日、また集まってください。」
と言われる。
次の日もその次の日も同じことが繰り返されたそうだ。

すると、その次の日の集まりの初めに
「今回の役割分担はこれです」
という提案がされ、それがすんなり通って祭りの役割分担は決まったそうだ。
役割分担の話など、1度もしていないのに、みんなが納得する分担になった。
これが寄り合いだ。

雑談の中で一人一人個人的な話をする。そしてお互いがそれを聞き合う。その中で相手の今を知ることで役割を決めることができたんだ。お互いのことを知っていれば、納得できることも増えると言うわけだ。
会議だと、どうしても個人的な話はできない。立場で、ものを話したり、役職でものを話したりすることしかできない。

 一見時間がかかり、生産性が低いかもしれない。しかし、こちらの決め方の方がその後の行動のパフォーマンスは高くなるのではないだろうか?
 きっと、飲み会がそのような場だったんだろう。しかし、コロナ禍以降、飲み会も減ったし、子育て世代はなかなか飲み会にも行けない。
 だとすれば「寄り合い」の時間を仕事の時間内にしっかりと設定することが必要なのではないだろうか。お互いのことを知り合うと言う事は思ってる以上に大事なことなのかもしれない。
 それはきっとクラスの中でも一緒だろう。相手の事情を知ることで受け入れられることも多くあるのではないだろうか。

 しっかりと時間をかけて、知り合うことで理解しあい、助け合えるコミュニティーに働く場所もクラスもなっていったらいいなと思える機会となった。

 

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