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外部機関との連携

 教師という職業は外部機関との連携が苦手な職業だと思う。これは、個々の能力の問題ではなく、教室という閉ざされた空間で、子ども30人に対して大人1人で長時間働くことが大きく影響しているのではないだろうか。また、他の企業や団体とのやり取りが極端に少ないことも、その要因の一つだと思う。

 昨日、外部機関の方々と、自分のクラスの保護者支援について話し合う機会があった。その際、外部機関の方々は当然ながら、私のクラスの保護者の実態を知らない。そのため、僕がその実態をわかりやすく説明しなければならない。まずそれができなければ、話し合いのスタートラインにも立てないと感じた。

 さらに、外部の方が何ができるのか、そして学校ではどこまで対応できるのか、お互いの仕事の領域をきちんと把握する必要がある。事実とお互いの立場を明確にすることが、外部の方とのやり取りでは非常に重要だと感じた。

 他の学年の先生方とも話したが、多くの先生が「意味のある時間だったのかどうか…」と疑問を持っているようだった。それはおそらく、外部の方々がどんな役割を果たすのかを理解せずに話し合いに臨んでしまったように感じた。たとえば、外部のSSW(スクールソーシャルワーカー)や教育相談員がどんな役割を持っているのか、その違いを把握することが大切だと思う。

 ちなみに、SSWは主に福祉的な面を担当し、家庭支援が専門である。一方で、教育相談員は子どもに寄り添い、子どもの実態を把握して次につなげる役割を果たしている。こうした違いを自治体レベルで明確に示すことで、学校現場でも外部機関を頼る際に、適切な判断がしやすくなるだろう。

 学校は子どもや保護者の状況を最も把握している場所である以上、その情報をしっかりと外部機関に伝え、家庭支援や子ども支援に役立てることが重要だと感じる。「これは学校の仕事ではない」と言ってしまっては、現実的な支援ができない場面も多いのではないだろうか。

 今の社会では、家庭や地域、さらには親族にさえ頼れない場合もある。そうした状況で、学校がセーフティーネットとなる場所である可能性は高い。このような考え方を持つことが大切だと思う。

 もちろん、学校の役割が多岐にわたりすぎると負担が大きくなることは理解している。しかし、今の時代、家庭や子どもを支えるための最前線は学校であると改めて感じる機会だった。

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