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鏡に映る青二才

傘が苦手だ。
多少の雨なら濡れるほうがマシだなと思うぐらい。
雨ごときに片手を取られるのが辛い。あとすぐどこかに傘を忘れる。一度電車に乗ったり飯でも食べればサヨナラも告げずに消える。身勝手にも程がある。だから、傘が苦手だ。
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という私が傘を買ったぐらい今日はすごい雨だった。傘便利ー濡れなーい。


そういえば、リモートワークの間に髪の毛を染めてみた。多分生まれて初めて髪の毛をブリーチした。美容院で「青緑にしてください」と言ったら青緑になって驚いた。
たとえ38歳だろうが、美容師さんに青緑とオーダーしたら青緑になるのである。言葉には責任が伴うのだ。
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リモート時は家族以外と誰とも合わずに生活していたので、完全に辟易していた。何か面白いことがないと己の心の大事な部分が枯れてしまう。セコンドになった幕内一歩みたいになってしまう。
そんな危機感から思い切って髪の毛を青緑に染めてもらった。誰に見られるでもないが故の自由。つまり中高校生が夏休みの間だけ髪の毛を染める理由と全く同じ。
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リモートワークの間は鏡をみるたびに青緑の頭の奴がいて痛快だった。
「とうちゃん、かみのけ青くなったね」と息子が不思議そうに言うのも愉快だ。
嫁も珍しく髪色を褒めてくれた。
髪色が変わると、世界のありようも変わることを実感した。
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しかし私は知らなかった。髪を染めたのも15年以上ぶりだし、ブリーチもたぶん初めてだったので、髪染めの常識というのが全く分からなかった。
数日したら髪色からまず青が抜けていき、その後緑も抜けていき、普通に金髪になってしまった。なすすべもなく、不健康そうなゴロツキになった。
カラーってあんまり定着しないんですね。下北沢か吉祥寺でよく降りるネオンな髪の方々はとてつもない努力で維持をされてるのだな。
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面白髪色週間は思った以上にあっけなく終わってしまった。同時にリモートワークも終わった。
残ったのはキンキンの髪色で出社するオッサンである。いったい、どうしたんですか?とマジな顔で聞かれても、こちらも困っているんですとしか言えなかった。

来世、救われます。