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人生1好き(かもしれない)アニメ
熱量高めですが、
なんとなく以下の記事を見て、いてもたってもいられなくなって、衝動的に書きなぐってしまっております。
『イノセンス』『攻殻機動隊』4Kリマスター版が2月28日より劇場で同時公開。押井守監督が手がけるSF長編アニメーションの金字塔が鮮やかに蘇る | ゲーム・エンタメ最新情報のファミ通.com
おおっ!「攻殻機動隊」と「イノセンス」4K上映ですか!
いいですねえ、押井守の傑作二本!あのマトリックスにも影響を与えた、日本アニメの金字塔!うんうん!
はい、確かに面白いんですよ。まあ、イノセンスはちょっと人を選ぶところはありますが。。。確かに押井守の代表作。確かに、代表作ではある。
。。。でもねえ、違うんですよ。違うんだ。違わないけれど違うんだよ。
いや別にこの二作は見応えあって素晴らしいし是非観に行くべき。自分も観に行きたい。
しかし、だがしかし。
押井守の最高傑作、いや自分の中で恐らく人生1好きかもしれないアニメ。いや映画と言ってもいいかもしれない。映画は、まず間違いなくこれですドーン。
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うる星やつら2 ビューティフルドリーマー
これ。絶対にこれ。
もう好きで好きで好きすぎる。偏愛している映画。
この映画のせいで未だ押井守から逃れられない映画。
なぜかアマプラにあるので、だまされたと思って一回は観てほしい。一回は!後生ですから!
ただですねなんというか自分は、この映画の出会いとして本当に観たシチュエ―ションが良かったんだなと思います。
多分、「よし、過去の傑作を見るぞ!」と鼻息荒く観てしまうと、結構肩すかしかもしれない。特に、今の情報量とエモーションに溢れたアニメで目の肥えた人からしたら、「ああ、こういうの昔は新鮮だったのね。」かもしれない。なんですけどね。分かりますよ。分かるんですけど。
この映画は何が良いかって、「匂い」があるのです。「70年代」の「匂い」が。スメルズライクセブンティースピリットが。
この映画についてなんか昔いいこと言ってるなって人がいたらジブリのプロデューサーの鈴木敏夫さんでした。
「うる星やつら2 ビューティフルドリーマー」は、なつかしい映画だった。誰もが忘れようと努力していた70年代を「これでもか」「俺は忘れていない」と、蓋をしたはずの臭い箱の中から誰かが叫んでいるような映画だったからだ。
そう、そうなんですよ。
わたくしは70年代を生きていないから、その当時のことはわかりません。しかし何故か、なんでか、この言葉が物凄い分かる気がするのです。
この映画を見るべきシチュエ―ションは、主に以下の様な感じです。
・大学2~3年生の夏休み、特にやることも無くダラダラと起きてしまった午前2時、なんとなくブラウン管のTVで(無理だ)
・三連休誰とも会わなくて特にやることが無い夜中。
・なんか無為に過ごしてしまった時
に、観ると、脳に来ます。出来れば、脳に来てほしい。
なんというか、人生のエアポケットみたいなときに観ると、ぐっとくるんですよねえ。
高校~大学まで、一時期私は多分この映画に囚われていたと思います。
なんか、もはやストーリーとか内容じゃないんですよね。
イメージなんですよ。作品の絵とか音楽とかイメージが自分の脳の一部になってる気さえするんですよ。もはやお話なんてどうだっていいんです。
お話も十分面白いんですけどね。
以下、良い所を羅列します。
音楽が良すぎる。あまりにも良すぎる。
星勝さんていうんですけど、この人の音楽が、あまりにも自分のツボ過ぎました。
これ。これこれこれ。超絶名曲なんだ。もう聴いてるだけで泣きそうになってまう。あかん。
これ流れるシーンが本当綺麗なんですよね。。。なんちゅうか、ふっと別の世界に踏み入れる感じで。。
路地裏とか、人気のない神社とか、線路とか、なんかそういう景色がふわーっと思い浮かぶっていうか。
あとこれも名曲。。。
サントラをレコードで買ってしまう位好きで、本当に大学時代取りつかれたように聞いていました。
観たシチュエーションが良すぎた
多分、モラトリアムと感受性がマックスの頃に観るべき映画なんですよこれ。
当時高校三年生の自分は恥ずかしながら超絶なボンクラで、なんか受験勉強のやる気が物凄い勢いで無くなって、CSでアニメばっかり観ていたのでしたが、そのころやけに再放送を繰り返していたのがうる星やつらでした。
で、初期の押井守回がやけに面白く、妙にハマってしまったのですね。そんな中で見たこの作品に一撃ノックアウトされたわけです。
そこから20年あまり。作品として
「おうおうようできとるなあ」
「なるほど、感心感心」
というアニメはあまたあれど。
そりゃありますよ。「あれいいよね!」とか言いますよ。言いますし実際いいと思ってます。しかし。だがしかし。
ここまで何というか、自分の心臓というか琴線というか心の大事な部分をグイングインに捕まれて振り回されてグチャグチャにされるアニメは、もう今後ないでしょうね。一言でいうとトラウマですね。
楽しい、安らぎ、不安、楽しい、安らぎ、不安、楽しい、安らぎ、不安、のエンドレスループ、の心地よさ
という映画ですかね。
とにかく観てて、楽しいし、底なしに楽しいし、でも不安だし、でもその不安さが心地いいし。
世界が ぐわん って歪む。めまいがするのです。
優れた映画って得てしてそういうものだと思います。
まあでもこれは本当に、当時のペヤング感受性マックス時代の思い出トラウマが、未だに残っているだけではあると思う。それはさすがにあると思います。
今見たら、ああ確かに良く出来てるけれども、アラもあるなあ。と普通に「なるほどね」的な気になってしまうかもしれぬ。変に分析的になってしまうかもしれぬ。
でもね、でもですね。なんだろうな。本当に得も言われぬ衝撃を受けてしまったんだなあ。
なんでここまで衝撃を受けてしまったのかなあ。
今となっては、もはやそれすらわからない。
後に残るは過去確かにあった自分の気持ち、その残滓、残りカスばかり。もはやあれは何だったのだろう。
しかし、ああ、当時の気持ちを思い出すなあ。真夏の夜にまた観たいなあ。