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【short】古本屋に行ったらマニアな映画をお勧めされた話

 部屋の整理と、蔵書管理を兼ねて、近所の古本屋へ赴いた連休。
 午後の日差しは、もう寒いはずの北海道の秋を暖かく包んだ。というより、「暑い」だわ、これ。

 この古本屋には以前も来たことがある。古本屋にありがちで、棚にはすでに機能を果たしていないほどの蔵書(とディスク類)。

 誰が読むんだ、「農民連盟史」。
 ソシュールの講義ノートは面白そうだけど、気軽に読むには重すぎる。
 あ、古き良き?時代のビニ本、、、など

 こういう店内渉猟は大好き。

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 で、目当ての本を抱えてレジに精算しに行くと、店主夫妻と馴染みらしい客が話している、というか夫妻が講釈している中身が気になった。

「ベルモンドがいなかったらカリオストロの城も、ルパンもいなかったわけ」
「インディ・ジョーンズもですよ」

 「映画の話ですか?」

 我ながら、こんなふうに他人の会話に割っていけるのは、何かの能力だと密かに思う。

「ベルモンドって知ってる?ジャン=ポール・ベルモンド」
「アラン・ドロンのライバルというか、あっちが悲壮感とすると、こっちはカッコ良さ」
「この間リバイバル上映していて、わざわざ二週間連続で見に行ったよ」

 ポスターを見ると、確かにルパンとかスペースコブラみたいな、「ザ・ワイルド」なオヤジが写っている。
 「カッコいいとは、こういうことさ」って言ってるみたい。

 店主夫妻と常連の熱意にほだされて、とっても気になったまま帰宅した。
 アマプラでもあるみたい。ちょいと見てみようか。

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