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どうなるタクシー業界
〜シンプルに考えよう〜:〜:〜:〜
テクノロジーや政治や専門知識を省いて、難しいことを誰にでも分かりやすく!
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これだけ需要供給のバランスが崩れたママの業界も珍しい。あらためて業界の課題をメモ。
ちょっと前の感染症の影響、昨今の燃料代高騰、恒常的なドライバー不足と、この業界が厳しいのは分かりますが、ここまで色々な受給バランスが崩れた業界って他にあるんでしょうか?
世の常で、需要が伸びれば供給が追いつく方向に少しはバランスが傾くものと思うけど、いまだにドライバーの確保が難しいらしい。受給バランスって中長期的には拮抗していく筈なのですが、何が起きているのでしょうか?
◆業界の課題
・人手不足
タクシー業界はかなりドライバー募集に投資しているようで、ちょっと検索すると、6ヶ月とか1年間の収入補償とか入社祝い金とか。多分ああでもしないとドライバーの確保ができない。現役ドライバーを集めて、ワークライフバランスが良いみたいなお話しを喧伝しているが、実際のところ労働環境は悪く、離職率は高い。
・燃料代の高騰と車両の高価格化
ウクライナ紛争から未曾有の円安まで、燃料費を圧迫する要因は多い。そして、長くタクシー用車両として使われていたクラウンからジャパンタクシーへと専用車両が変わったが、大幅に価格が上昇したらしい。
・インターナルルールと規制
人手不足とか、車両の供給不足とか、業界のルールや国の規制による障害も多いが、自業自得な側面は多い。いまや現役ドライバーの平均年齢が57歳超、そして定年が60〜65歳で、個人タクシーに至っては75歳まで更新が可能と、とにかく高齢化が進み続ける業界。
個人でタクシードライバーになるにも、10年間法人タクシーに所属経験がないと個人タクシーになれないなど、意味不明なルール。これではドライバーの供給が増える訳はない。
・白タク問題
インバウンドの盛り上がりとともに、外国人による白タク問題が注目されている。違法な白タクではあるが、様々な理由で観光客に指示されているというのが事実。
料金、利用の柔軟性、外国語対応など、顧客にとって最も重要なセールスポイントに乏しい。単に違法だからという理由で完全な排除は簡単ではなく、具体的にサービス面での対応が必要。
・独占による新規参入潰し
2024年4月から国内で解禁となったライドシェア。あらたなモビリティの選択肢として期待されたが、蓋を開ければタクシー業界によるお手盛り。業界の既得権益を守る組織による運営では新しいサービスは活性化しない。
ヨーロッパの事情には詳しくないが、米国やアジア諸国ではUberやLYFT、Grabのようなライドシェアサービスによって、足りないタクシー需要を補うサービスが業界の成長を支えている。
日本では、よくある議論でライドシェアはプロのドライバーより安全性の問題ありと言う話も、統計を見れば明らかで、プロの方が単位走行距離辺りの事故率が高い。自ら業界を潰しに掛かっていることに気づいていないのが日本のタクシー業界のようだ。
◆移動手段の確保が難しくなる
少子高齢化、円安など、国内経済には厳しい状況が続く。地方都市に限らず、収益の悪化やインフラ維持など継続の難しい公共交通機関は多い。
ライドシェアに限らず、電動キックボードなどのマイクロモビリティ分野を進化させていかないと、特に地方都市での移動手段の維持は難しくなる一方です。
自家用車という従来の移動方法も、高騰を続ける燃料費に加え、世界最高水準の税金により、個人での所有が簡単ではなくなってきている。世界の一人当たりGDPが2〜3倍に成長する過去20年間の間に15%も一人当たりGDPが減少しているにも関わらずである。国内のモビリティはどこに向かうのだろうか?