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シン・進化論

〜簡単に考えよう〜:〜:〜:〜:〜:〜
テクノロジーや政治や専門知識を省いて、難しいことを誰にでも分かりやすく!
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 以前ちょっとだけ書いたシン・進化論の話。ダーウィンの説く生物学的な進化論ではなくて、人類学的な観点からの進化を定義したいと考えています。


◆進化とは時間をかけて獲得する遺伝子の形質

 ダーウィンの進化論を簡単にいうと、生物が持つバリエーション(=多様性)が偶然に環境適応し、それによって生き残った種が繁栄。その繁栄した遺伝子(獲得形質)の固定化こそが進化というものになります。

 対してシン・進化論ではテクノロジーによって実現された圧縮された時間軸でおきる変化を人類学的観点で定義する必要があります。

◆従来の進化論では説明できない変化

 従来の進化論の解釈である生物学的な時間軸では、産業革命以降の変化、特に半導体産業勃興以降の時間軸を説明することは難しく、これを説明するのであれば、比較的早いスパンで変化を繰り返す社会学的な見地でのアプローチが望ましいと思います。

◆進化に値する変化 〜シン・進化論〜

 18世紀の産業革命以降で、進化論の解釈に大きな影響を与えた3つの事象として半導体産業の勃興インターネットの普及、そして生成AIあげられ、どれもが人類の生活に大きな影響を与えました。
 これらの技術によって、数百万年単位の変化が数年で実現可能になり、進化という文脈において重要な獲得形質にも近い変化が、テクノロジーが実現した時間圧縮によって可能なものにしています。

 時間軸の圧縮が生物の進化のサイクルに大きな影響を与え、従来であれば一時的な適応と考えられる事象が進化に値する変化をもたらしている。これをシン・進化論と考えています。

シン・進化論では、ヒトの形質として獲得されていない特質や能力が社会全体に与えうる影響を考慮し、未来の行動を決めていくスピードが求められます。

◆進化の解釈-生物学的観点と社会学的観点

 エレクトロニクスの世界では、技術の進化が壁に阻まれた時に、物理的な解決法から化学的な解決法に変わる瞬間がありました。
 かつてハードディスクの大容量化を進める中で、記録ディスクの表面積拡大の物理アプローチから深さ方向への記憶領域の拡大という化学的アプローチに変化した事例や、2次電池(充電式電池)の物理サイズ拡大から新たな素材開発など、変えることのできない物理原則を解釈を変えること(=化学的目線)で解決してきたのです。

 エレクトロニクスでは物理から化学へシフトした目線が、進化論では生物学から社会学にシフトしたのです。
 進化論の解釈の変化は、エレクトロニクスのように何かを生み出す訳ではないのですが、思考のテーマとしては奥深いです。

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