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千葉のキッザニア「カンドゥー」に行ってきた

 子供が仕事を体験できる施設といえば、キッザニアがまず思い浮かぶ。インターネットで前置詞に「大人の」をつけてネタにされているぐらいなんだし、世間的にはもう市民権を得てると言って良いだろう。

 しかし、子供向けの職業体験施設はキッザニアだけではない。千葉にも『カンドゥー』という子供向けのお仕事ランドがある。

無数の椅子・机・労働

 正直、行く前はキッザニアの二番煎じ、パクリなのかな?とは思った。しかし、実際行ってみたらかなり面白かったし、キッザニアとは勝手が全然違った。
 せっかくなので、テーマパークオタクが2人のキッズと一緒に遊びに行ったときのこと書いてみる。

(行く参考にご覧になる方は目次の『~これから行く人へ~』をご覧ください)


日にち:3連休の初日の一部(豪雨だったので、とても空いてた。普段はもっと混む)
子供:遊べるギリギリ下限の3歳(お仕事は初めて)と3歳ぐらい年上(何回か来たことある)の二人。とっても仲良し!
 :キッザニアにはオープンしたてぐらいから通ってるけど、カンドゥーは初めて。子持ちの友人に声をかけてもらい一緒に行けて嬉しいけだもの


開園するまで


 朝。キッザニアじゃないしとまだ舐めてるので、9時からの開店に車で8時半ごろに到着。まぁ並んでる人はいるけどキッザニアほど苛烈ではなさそう。まあ、ほら…キッザニアじゃないから…


 開店5分前とか数分前からどんどんじわじわ自動ドアが少しずつ開いていき、9時ちょうど開店。

こういうのは並んだ順がそのまま列になるのかと、ちんたら歩こうとしたら、後ろから全力パパさんファミリーどもに抜かされた。


 爆走ベビーカーはもちろんのこと、子を肩車して走るパパさん、家族から分断され孤独になったおばあちゃん、どこに走ったら良いかわからなくて適当に走ったら全然違うところに親がいて怒られてる子供など、3分以内に起こりうるカオスの中でも最上級が開園前から早速見れてとても嬉しい。

 チケット購入時に『何時何分からの枠』いうのが決められているのだけど、その同じ枠の中では早いもの勝ちなので、やりやらせたい(やりたい)仕事にありつける可能性を上げるために、みんな必死だ。

 私は知らなかったけど、電車組が使えるのがエレベーターしかなく、さらに駐車場の入り口の方が並び列に段違いに近いらしいから、車の方が有利らしい。まさか、そんなところから始まってるなんてね。



 開園までのすこしの間に、カンドゥーのすごしかたが見れるようになっている。内容は初歩的なハウツーだ(キッザニアにも似たやつはある)

 それによると仕事は発券機で予約するスタイルらしいので、入ったら一目散に行くのが正解なんだろう。

 お仕事には定員と人気によって予約の取りづらさがあるのは目に見えているので、絶対にやりたい(やらせたい)仕事を友人(母)とその子に聞いてみる。

 今まで何回か行ったことがあるらしく、キッザニア東京でいうお菓子工場ハンコ屋枠(気合いがないとありつけない職)が「モデル」か「アイスクリーム屋」らしい。

…モデル?


飯とかじゃない、モデル。

アイスクリーム屋は単にキャパが狭いかららしいけど、モデルさんは親も特にやらせたい仕事らしく、親子揃って『まずは刺し違えても』とのことだった。ふーん…

 他に気合いなくても取れるやりたい仕事をいくつかあげてもらい、入り口の列へ。


 すごい、嘘の概念の飛行船がある。なんでセコムなんだ。
キッザニアは子供が主権を握ってるという設定の国であるのは学習済みだが、カンドゥーの設定ってまだわかってないんだよな。
マスコットキャラがおっさんみたいなドラゴンだし。


 しかも、入り口に入るまでの間にこんな仕事ありますよ〜という動画の内容が


 『サンタ案件』という見たことない単語を上げている大人だった。本当にここって実在する企業のお仕事を体験するパークなんですよね。全部がFAKEだったりしませんか?

…まぁ、現実なんて本当はごっこ遊びの延長か…

入園してから


キッザニアがANAだからこっちはJAL

ぶっ刺さってる飛行機の脇を通り、

こういうの本当は無視したくない


開業当初は世界観の説明をしていたであろう場所を急いで素通りし、整理券の列に並ぶ。


ソシャゲでもこういう一枚にまとめてくれるやつあるよね


 列に並ぶと、Tipsお姉さんがずっとチュートリアル説明をしてくれている。キッザニアだといきなりオープンワールドだから、ルールを知っていなくてもどうにかなるの、かなり親切だ。というか早い時間から無くなるとかそういう”攻略”に近い情報もおしえてくれるの『かなり』だぞ。

3、大事やね

 なんなら焦っている大人に対して『道徳』を問いかける内容すら書いてある。


 予約機は沢山あって取れる時間になったら解放される。予約は早い時間から順番に取っていくスタイルではなく、やりたい時間を決めて選ぶ方式。だから最初に最後の時間帯の仕事を取ることだってできる。

これは適当なタイミングでとった別の仕事の紙

 予約が取れると予約票が出てきて、これをお仕事に入る時に渡す(無くなったら詰みかも)。次の予約を取るための列に並ぶことができる時間を管理するために、この紙は基本大人が握ってる。



 その間子どもは、お仕事が始まる前から遊べる棒で画面をしばくゲームなどで遊ぶことができる。これは大人も遊んでいいし、中で子が遊んでいるのを動画や写真を撮っても良い。

まだ子供には大人が大勢でピリついた空間は早いからね…

 
 仕事をとった後、画面をしばき、そろそろ並んだほうがよさそうということで、最初に予約しなかったけどやりたい仕事に並ぶ

 カンドゥーで仕事に並ぶというのは、クリスマスに予約しないでケンタッキーやケーキ屋に並ぶような確実性のない選択肢である。

 というのも、その回に空席が無いと追い返されるっぽいのだ。
 他のところで「別に次の回を並んでも良いけど予約の人でいっぱいになったら、また入れないですよ」みたいなことを言われていたのを聞いた。

 逆に言うと、みんなどうしてもやりたい一軍仕事を時間が後でも選ぶから、最初のは人気じゃないのは並べるイメージ。だから、一番の枠を朝イチに予約すると並ぶ選択肢を取るのは難しいカモ。


ハイレタハイレタハイレタハイレタ…

 最初の仕事が始まる。業務は全てオープンなところで行われるらしい。入り口かとおもったらそこが仕事場だった。しかも途中保護者参加パートがあるらしく、それまでに戻って来る必要があるらしい。

ちょっと散歩するか…


博打だ。

競馬とかパチンコじゃなくてボートレースなのが良いね。ギリスポーツの範疇に入れて健全にしようとしているのかな。


 
 ん、博打の隣にサイゲがある。
グラブルの格ゲーをe-sportsとしてガキ同士で競わせるらしい。
こんなことキッザニアじゃ許されないよ。

グラブルの格ゲーでお金を稼ぐのは流石に嘘だから。


食品売り場から来た?


 仕事ができる年齢未満の子供用のスペースに大量のWAONがいる。

 別の名前の犬がしまわれるべきスペースにも占拠されているので、おそらく増殖しすぎて飼育崩壊が起きたのだろう。


えっ…なにここ……可愛すぎる………


モデルさんの衣装だ…………

絵本の中のお姫様みたいなドレスから、暁美ほむらみたいな萌え衣装、


ウエディングドレス、カッコいい上着、パニエ、きらきらの靴。

こういった衣装は私の趣味ではないし、ハンガーにかけてあるところしか見れないけれど、サイズ感含めて可愛すぎて泣けてくる。

確かに、これは一軍だ。



 戻ってきたら入り口で見た「サンタ案件」などが書かれた札が手元に置かれていた。

 友人曰く、子供が薦めてきたオモチャの説明を保護者が聞いて、判定する際に一番良い評価で「サンタに申し送りする」という意味らしい。

採用と別なんだ。


👩‍⚕️🧑‍⚕️👨🏼‍⚕️

…無事に子がサンタ案件を獲得した後は救急の仕事へ向かう。


み〜んなちょっとずつヘルメットが大きいね♡

この街では、救急のお仕事は国ではなくSECOMが取り仕切っており、パトロールと救急を同じ場所で交互にやっている。


 人がぶっ倒れているという通報が入ると、出動する子供は救急車ではなく、徒歩で救護に向かう。もちろん保護者も後を追いかける。


到着すると、息をしていない男性がいるので、素因数分解された救護する業務をしている子供らを見守る。

…お腹すいたな。


ピザでも作るか…


 全く面白くないピザができた。スタッフさんは伸ばしてデコるまで30分ぐらいかかると言われたけど、ピザRTA走者なので、3分で作れてしまった。
 コツは延べ棒を最後の地馴らし以外では使わず、全部手で温めながらある程度のサイズまでいっちゃうコト。スタッフが伸ばすのに使ってねと言っていたのにも関わらず、無視するのってRTA走者しかやんないから、普通は使った方がいい。ガキは変にやったらすぐ穴空かす未来が見えるからね。


…ピザを作って遊んでいたら、主人公たちは気づいたら たこ焼き屋になっていた。声かけるタイミングを失ってしまったな。

なんで消防士2個あるんだよ

 そう思っていたら、隣にある消防士の向かいにある謎消防士の仕事が募集をかけていたので、大人でもやれないか交渉したら、


友人撮影、途中野次児やじちごが増えた

できた。内容としては火災が起きそうなところをファンタジー器具を使って火事が起きそうなところを探したり、煙があるところをコソコソ進んで、コソコソしたりする。入り口に注意書きがあったが、怖いゾーンの業務の手前に怖くない救済業務か選べる選択肢があるから一応大丈夫にはなっていた。(同じ回で一緒になった青年は怖くない方を選んでいた)


 それと、大人でもお仕事に入るとなんと、お名前シールとカッチン(キッザニアでいうキッゾ、この世界での貨幣)をもらえる。キッザニアでは一切触れさせてくれないのに…
 しかも、カッチンは大人が仕事に入る以外にも、大人しかできないランダムイベントとかでも貰えるらしい。貰ってどうすんだという話ではあるけど、普通に嬉しい。


 そうこうしているうちに最後のお仕事になった。最後は満を持して一軍のモデルさんだ。





すごい。全然他人の子供だけど、かわいい。
親はともかく、ファンサを要求したり、キャーキャー言った。

 確かに、世界一可愛い我が子がこんなに可愛い姿になっていたら、気が触れるし、刺し違えてもやらせたい親の気持ち分かるな…


こいつらはどういう気持ちでこんなポーズしてるの?

 帰りにお土産屋で子供らはカッチンでちょっとした雑貨を買い、退園。



~これから行く人へ~


 ここから先は私のnoteを娯楽目的ではなく、子供のために読んでいる人向けの内容です。カンドゥーには一回しか行ったことない奴が言ってる程度の深さであるのと、レポゾーンと内容被ってるところがあるのはご容赦を。

①カンドゥーの良いところ


 カンドゥーの良いところは『親子3世代で楽しめる体験型テーマパーク』を名乗っているので、大人の介入が割とできるところです。


 お仕事を予約してあげたり、間近で写真撮ったり、仕事しているところを後ろから追いかけたり、なんなら一緒に仕事したり、キッザニアに慣れているとびっくりしちゃうぐらい子供との距離が近いです。
 『こどもが主役の街』であるキッザニアでは見学や荷物持ちこそできても、仕事中やお金が関係するところは子供と大人は基本的に隔離されています。

 それと、普通にお水がタダで飲めたり、一回お金出したら飲み放題のドリンクバーがあるのが、水筒を気にする手間が無くて大変便利です。キッザニアは水筒のみOKペットボトルNGのキショキショランドなんで本当に…


 あとは、カンドゥーは来場者全員が座れる量の机とイスをあらかじめ用意しており、そこを”陣地”としてずっと荷物を置きっぱなしにしても良いとルール上明言されています。 これは、上着とかベビーカーを置いたり、なんかあったら戻っておいでの迷子防止にもなるし、実際に体験するとかなりありがたかったです。



 さらに付け加えるとすると、システムがまだキッザニアと比べるとわかりやすく、いたるところにやり方が書いてあるから親切で、お仕事の時間も選べるので時間のコントロールがしやすそうでした。
 キッザニアではどんどん早い時間からつめてしか予約ができないので、最後を一番やりたい仕事にしたい!とか、この仕事はご飯が手に入るからその次はちょっと時間空けてこの仕事やる!とかそういった融通が利かせらるのはカンドゥーのいいところです。

②カンドゥーの好き嫌いが分かれそうなところ


 いい意味でコンパクト、悪い意味で狭いです。キッザニアも子供と親がごっちゃになるぐらい道が狭いですが、カンドゥーも周りにぐるっとあるので、わかりやすくはあるけれど通り道がみんな同じなので狭いです。

 そういう狭さ抜きにしても、お仕事の数がキッザニア東京と比較すると約1/3なので、テーマパークオタクからすると、街を散策しても物足りなさはどうしても比較すると感じてしまいます。

 ただ、キッザニアは無尽蔵に一日歩くと大人でもちゃんと疲れるので、子供目線からすると『広い=良い』とは言い切れないのが難しいところ。



 それと、カンドゥーはキッザニアと比べると結構仕事のリアリティがゆるふわです。リアルな仕事を体験する学習の場とかじゃなくて、こんな仕事がありますよ~と興味を持ってもらう目的が近いかもしれません。狭いので、大がかりなことはできないのかもしれませんが、一つ一つのお仕事スペースが狭かったり、モニターに対してやる業務が多いな~という印象があります。


 あと、仕事以外で食べれるご飯が揚げ物メインで、さらにイオン系列なので”イオンの総菜味”です。キッザニアはリアルマネーご飯屋さんはスポンサーが出店しているので外食の味がしますが、カンドゥーは園内だとピザ体験か仕事の成果物以外にはイオン味レストランしか選択肢がありません。


③カンドゥーで立ち回りやすくするために



 カンドゥーはキッザニアよりも大人が頑張る場所です。子供の勇姿は撮りつつ、終えるまでに色々と段取りをしておく必要があります。

 そのため、できれば大人は2人以上をおすすめします。子供の写真を諦めれば、1人でもどうにかなるとは思いますが、初めてなら1人が子供にくっついてる間にもう1人が今の職場から次の職場までの道を確認できたり、予約取ったりモバイルオーダーしたり、休憩したり、行動に余裕を持たせることができます。

 そしてこれは友人談ですが、3歳未満はお仕事が一切入れないのに対して、遊び場は3歳以上は入れないので、3歳未満がいる状態で兄や姉のお仕事もワンオペで見ようとすると"詰む"らしいです。
 さらに、今回3歳で仕事していますが、年上のきょうだいがいるから今回は楽しめていて、ソロで行くなら身長制限や理解度を加味すると4歳半~5歳ぐらいがいいかもしれないとのことでした(これはキッザニアもそう)。

 あと、キッザニアは銀行やATMがあったり、口座開設でお財布がもらえたりしますが、カンドゥーの銀行は現状あまり融通が利かないので、お財布を用意しておかないとおそらくすぐどっかに行きます。キッザニアの財布(緑色のやつ)をぶら下げてるキッズも多かったです。
 
 それに加えて、すぐに出さないといけない紙類と成果物で貰える紙類は分けて保管しなければいけません。特に予約票や予約をするためのQRのレシートは紙質の割にすぐ出せるようにしないといけないので、それ用のちっちゃいクリアファイルとかあった方が良さそうでした。


④キッザニアとカンドゥー結局どちらがいいのか


ポケモンはカンドゥーの特権


 自分で考えて行動させてあげたい年齢なら お仕事の多さやリアリティーで優位なキッザニア、親が色々やってあげたい年齢なら 子供との近さや大人ができることの多いカンドゥーだと思います。
 
 ここにさらに『自分でインターネットや本で調べられるか』という項目を付け加えてもいいなら、慣れてるか予習してる人がいた方がいいのがキッザニアで、初見にも優しいのがカンドゥーですが、こんな辺境の地に来れる人ならそんなに気にしなくても大丈夫です。

 もし、年配の方がいたり、大所帯で行くとかになると、キッザニアは階段をしょっちゅう昇り降りするし、わけわかんないシステムに振り回されるのでカンドゥーをオススメします。

 逆に、朝からバリバリ並べるし、ネットを駆使して予習万端だぜ!って方ならキッザニアの方が仕事の種類も多い=子供がやりたいことができる=満足度が高いので、オススメです。

 色々言ってますが、正直大所帯でも、子供が小さくても、行ってしまえばどっちも楽しめると思いますよ!!!!!!



その辺に置かれていたカゴいっぱいのカッチン


 …どうでしょうか。役に立ちそうですか?分からないことがあれば、いつでも聞いてくださいね。ではまたこの薄暗いインターネットでお会いしましょう。


 






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